相続①  ~知らぬが相続~

行政書士 奥本雅史

人間は誰もが、いつかは必ず亡くなります。
そして人が亡くなれば、必ず発生するのが相続です。

今回から数回に渡って、この誰にでも必ず起こる相続についてお話しをしたいと思います。

たとえば、長くご病気で入院されている場合など充分な備えの時間があれば、ご家族のお気持ち的にも、また手続き的にも混乱は少ないものと思われます。

しかし最近では高齢者の単身世帯も増えています。いわゆる孤独死の場合などでは、突然の出来事に動転し、必要な手続きを次々とこなすだけでも精一杯になりがちです。

ところが相続には各種の期限が法律で厳格に定められており、悲しみの最中にも無情に時間は過ぎていきます。

私の個人的な経験をお話しすると、気持ちが動揺する中、葬儀や埋葬、住まいや公共料金などの解約、年金等の手続きで簡単に一ヶ月は過ぎていきました。ですがまだこのような手続きなら一般の方でも想像がつく範囲でしょう。

相続はここからさらに想像力を働かせなければなりません。何故なら、相続は確実に発生しているにも関わらず、わかりやすく頭の上に「相続人」という文字が表示されたり、体がピカピカ点滅したりすることはなく、見た目にはなんの変化もありません。それどころか、役所からもどこからも通知すら来ないのです。

そしてもし持ち家があれば変わらず住み続けることもできますし、預金も印鑑やキャッシュカードでおろすことができます(※注意 原則、故人名義の口座はすぐに凍結されます。また次回以降で詳しくお話しをしていきますが、相続手続き完了までに預金を使ってしまうと相続放棄ができなくなる場合があります)

でもだからといって放っておくのは禁物です。

暮らしになんら変化がなく、あなたが全く気づいていなかったとしても、相続はどんな場合でも “必ず“ 発生しているからです。

相続② につづく、、、

 

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