「離婚は計画的に③。~離婚を決意!話し合いの進め方~」

初めまして。奈良県王寺町で開業しています。

行政書士の若林かずみです。

今回は、離婚を決意した後、話し合いの進め方について書いてみようと思います。

 

【はじめに】

離婚を決意した…と言っても、

もし、それが翻るのであれば、翻せる方が良い。

一緒に暮らしてきた家族なんですから…。

 

今回は、少し実話。

私の友人は、私と出会ったときには、離婚を決意し、離婚届もご主人に叩きつけた後…。

「早く別れて、すっきりしたい!」

これが口癖。

色々とあるとは思うけど…、

夫婦って言うのは、それぞれが人として成長するために丁度良い人の組み合わせ。

腹立つこともあると思いますけど、少し堪えて、文句を言うのを減らしてみては?

文句を言うから、相手も文句を言って言い争いになるわけで…。

だから、文句を減らして、「ありがとう」って言ってみる。

心がこもってなくてもいいから、やってみる。

どうですかねえ。。。(≧◇≦)

 

その約一年後。

彼女は実際に文句を減らして、「ありがとう」を増やしたようで。

「最近、主人がくっついてきて気持ち悪いわ~。」

と言いつつも、幸せそう。(^^

あの離婚届けも、眠っている模様。

 

離婚したい理由には、様々あれど、

ちょっとしたことで覆ることもあります。

だから、本当に離婚したいのか、それで良いのか、もう一度、考えてみて下さい。

そして、信頼できる人に相談してみて下さい。

 

それでも、「離婚やーーーー!!!」

というのであれば!

じゃ、有利に進められるように考えましょう!

 

【離婚の話し合いを進めるときのポイント】

 

離婚のうち、約9割が協議離婚。夫婦二人の話し合いでの離婚です。

ですので、夫婦での離婚の話し合いを上手く進めていくことがまず大切になります。

 

(1)   話し合いをする内容は事前に考えて書き出しておく。

  

    離婚したい理由を伝えて、離婚するかどうか二人で決める

    離婚する場合には、「お金」と「子供」についてどうするか(※後述)

 自分の希望を書き出しておいて、その条件面を二人で話し合う。

 

(2)   話し合いをするときは、事前に書いたメモを見ながら話を進める。

 

どうしても感情的になったり、相手の意見に引きずられてしまったりすることがあるので、伝え忘れがないよう、メモを見ながら話をしましょう。

 

(3)   一回の話し合いで全てを解決しようとしない。

 

一回の話し合いで、全てを解決しようと思うと、焦ったり、感情的になってしまったりすることもあります。一回の話し合いで全てが解決できなくても良いので、じっくりと落ち着いて話し合いをしましょう。

 

(4)   状況によっては、第三者の立会の下、話し合いをする。

 

相手が暴力的になったり、一方的に話を進められて会話にならないよう     な場合、第三者の立会の下、話し合いをすることも考えましょう。

 

(5)   話し合いの内容は、証拠として残しておく。

 話し合いの様子を録音するか、録音できなくても、メモには残しておきましょう。今後の離婚を有利に進めていくためには、証拠の存在は、重要です。

 

【「お金」と「子供」について、どうするか。話し合いのポイント】

 

前述(1)②の「お金」と「子供」の点については、

自分がどういった希望があるのかについて、事前によく考えておく必要があります。

 

(1)   お金のこと

ア.婚姻費用(夫婦は、同程度の生活を続けるために、お互いを扶養する義務があります。離婚を決意した後も、離婚するまでは、婚姻費用として生活費用をお互いに分担しなければなりません。別居していても同様。)

→夫(妻)が妻(夫)に毎月〇万円支払う

イ.慰謝料(離婚の原因になった相手方の行為により被った精神的苦痛に対する損害賠償金)

→夫(妻)が妻(夫)に〇万円支払う。

※慰謝料は、必ず支払われるものではないことに注意しましょう。

 ウ. 財産分与(夫婦が結婚生活の中で協力して築き上げた財産を分けること)

→「共有財産リスト」を作成し、財産ごとに、どのように分けるか(金額・割合) 

 

(2)子供のこと

 ア.親権→夫又は妻のどちらが取るか

 イ.養育費

   →①夫(妻)が②毎月△日に③(金額)〇万円

   ④(期間)□まで(例;高校卒業まで、成人まで、大学卒業まで等)支払う

 ウ.面会交流

   →①面会日(毎週〇曜日、毎月△日など)②宿泊を可とするかどうか

    ③電話を可とするかどうか④メールを可とするかどうかなど。

  

  ※養育費・婚姻費用については、下記の裁判所の資料が参考になります。

   http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf

 

【話し合いで決まったことは公正証書に】

 

話し合いで決まったことは、必ず、離婚協議書として書面にまとめておきましょう。

同じものを2通作成し、2人が署名捺印の上、各自で保管して下さい。

口約束は、今後のトラブルの元になります。

 

また、話し合いで決めた慰謝料や養育費などのお金が約束どおりに支払われなかった場合のために備えて、離婚協議書は、強制執行認諾約款付公正証書にしておくと安心です。

 

【終わりに】

 

いざ、離婚!と決めたのであれば、やはり有利に、そしてスムーズに事を進めたいもの。

そのためには、やはり、準備が必要。

集められる証拠を、きっちり集めるのと集めないのとでは、やはり違ってきます。

そういったことについて、次回は、書いていきたいと思います。

         

 和(やわらぎ)行政書士事務所 

           特定行政書士 AFP 法務博士  若林 かずみ

 

参考文献①「これだけは知っておきたい 離婚のための準備と手続き」監修:弁護士 鈴木幸子/柳沢里美 「新星出版社」

参考文献②「イラストと図解でよくわかる!前向き離婚の教科書」 監修:弁護士 森元みのり 「株式会社 日本文芸社」

参考文献③「少しでも有利に離婚したいならきっちり証拠を集めなさいー幸せになるための別れ方」 弁護士西村隆志・山岡慎二・福光真紀「星雲社」

参考文献④「ぜったい離婚!?と思った時に読む本」金盛浦子「佼成出版社」

 

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