法定相続情報証明制度①

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こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

今回からは、『法定相続情報証明制度』についてお話ししていきます。

漢字がいっぱい並んでいて、なんのことやらさっぱり頭に入ってこないかもしれませんが、『法定相続(人)の情報を証明する制度』ということです。

相続④でもお話しした通り、相続発生後に相続人を確定するためには、まず被相続人の“出生から死亡までの戸籍謄本”を取得することが必要となります。

現状ある程度年配の方が亡くなられた場合には、戸籍謄本は一通では無く、何通かの束になります。(詳しくは相続④で)

そして相続人の間で遺産分割の話し合いがまとまり、いざ財産を相続する段となると、この戸籍謄本の束を預金払い戻しのために金融機関へ提出したり、不動産登記のために法務局へ提出したりします。

しかし戸籍謄本の束は読み解きが必要となるため、その作業に数週間かかることもあります。

手続きを行う金融機関が複数あった場合には、各機関ごとにその読み解きが行われます。
ですので、『戸籍謄本をA金融機関に提出→返却→B金融機関に提出→返却→C金融機関に提出→返却→登記のために法務局へ提出』と、このように戸籍謄本が手元に返って来なければ次の金融機関等へ手続きをすることができなかったため、手続きの完了までに多大な時間を要していました。

これらの問題点を解決し、相続手続きの煩わしさを軽減する目的で、2017年に法定相続情報証明制度がスタートしました。

この制度は、法務局へ戸籍謄本の束と、その他の必要書類、被相続人と相続人の関係を記した図『法定相続情報一覧図』を提出し、登記官がそれらを確認した後に、その図の写しを交付する、というものです。

その『法定相続情報一覧図の写し』は、金融機関等へ戸籍謄本の束の代わりとして提出し、手続きをする事ができます。
また写しは、必要な通数を交付してもらうことができるので、複数の金融機関等で同時に手続きを進めていくことができるというメリットがあります。

では次回も引き続き、この制度について詳しく見ていきたいと思います。

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