在留資格「特定技能」による外国人介護人材の雇用

こんにちは。
介護・福祉の専門オフィス行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

今月は、出張で東京と福岡へ行ってきました。
新幹線で移動したのですが、車内や駅には大勢の人が密集していました。
みんなマスクはつけていましたが、それ以外はコロナが発生する前の光景と変わらない感じに見えました。

私も含め、世間ではコロナ禍での新しい生活様式にもだいぶ慣れてきたようですね。
ただ、これからはインフルエンザの流行が心配な季節です。
どうか、みなさまも万全の対策をとって、予防しましょう。

さて、今回は、外国人介護人材の 4 つ目のテーマとして、「特定技能」を取り上げたいと思います。


特定技能の外国人制度は、2018 年 12 月公布の「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」において創設され、新たに在留資格「特定技能」が 2019 年 4 月から施行されました。


在留資格「特定技能」は、深刻化する人手不足に対応するため、人材確保が困難な分野において、人手不足を補うために、一定水準以上の技能を持つ外国人を受入れるための制度になります。


人手不足が深刻な産業分野は 14 分野定められていて、「介護」もそのうちの 1つです。
前回のコラムでご紹介した「外国人技能実習制度」の目的が「技術移転」であったのに対し「特定技能」の目的は「専門性・技能を生かした業務に即戦力として従事する外国人を受け入れること」とされています。


この新しい在留資格には、「特定技能 1 号」と「特定技能 2 号」があります。特定技能 1 号は、期間の定めのある非高度人材として区分され、特定技能 2 号は、高度人材として永続的・長期的な定住の可能性のある人材として位置づけられています。


現状の介護分野においては、特定技能 1 号のみが認められています。2 号での適用はありません。そのため、特定技能の在留資格を有した外国人が働けるのは、5 年が上限となってしまいます。


介護分野の特定技能を申請する場合、ほかの産業分野と同様に、以下の 3 点が基本の条件です。
⚫ 18 歳以上であること
⚫ 規定の日本語能力試験を合格していること
⚫ 規定の技能評価試験に合格していること


そして、介護分野では通常の日本語能力試験に加えて、介護分野独自の日本語試験に合格する必要があります。
ただし、技能実習制度における「技能実習 2 号」を修了した実習生は、上記の試験が免除され、「特定技能 1 号」の在留資格を取得することができます。


「技能実習」では最大 5 年間だった在留期間を、「特定技能」を取得することで更に 5 年間延長することも可能になります。したがって、今後は「技能実習」から「特定技能」という流れが増えていくことも想定されます。


介護施設の中では、長期滞在に意欲を持った人材を技能実習生候補の段階から採用し、「特定技能」につなげようと考えるところも出てきています。
また、滞在中に介護福祉士の資格を取得できれば、永続的な就労という道も考えられるようになっています。


しかしながら、現実には技能実習期間終了とともに帰国する外国人技能実習生が多いようです。長期的に日本で就労してもらうためには、職場の魅力アップが必要ですね。
日本人と同様に、長期間就労したいと思える魅力的な職場づくりに取り組み、はたらきやすい環境整備が求められるようになると思います。


次回は、特定技能を持つ外国人の雇用の流れをお伝えしていきます。

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