特定技能による外国人雇用の流れ

こんにちは。
行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。


新型コロナウイルス感染症の”第 3 波”が猛威を振るっています。
第 2 波と比べると、高齢者が感染され割合も増え、重症化するリスクが高くなっています。

介護施設でのクラスターも多数発生しているようです。全国の重症者数や新規感染者数は連日増加しています。

年末の忘年会やクリスマスは例年と違った形になりそうですね。

みなさんもコロナ疲れがでないよう、ご自愛ください。
改めて感染対策を徹底して、なんとかこの波を乗り越えましょう。

さて、今回のコラムは前回に続き、特定技能についてお伝えしたいと思います。


特定技能の対象となる外国人は、技能水準・日本語能力水準を試験等で確認された上で「特定技能 1 号」の在留資格によって介護事業所で最大5年間を上限に雇用することができます。

ただし、介護福祉士の国家資格が取得できれば、在留資格「介護」に変更して、永続的に働くことができるようになります。

また、3年目まで修了した技能実習生は、「特定技能1号」に必要な試験が免除され、在留資格を特定技能に変更することも可能です。この情報は前回のコラムでお伝えした通りです。

それでは、「特定技能1号」をもつ外国人介護人材の雇用の流れについてみていきましょう。


介護事業所(以下、受入れ機関といいます。)は、以下の流れを経て特定技能外国人を雇用することになります。

すでに日本国内に在留している外国人を雇用する場合と、海外から特定技能の在留資格を持って日本へ働きにくる外国人を雇用する場合では流れが違います。

日本国内に在留している外国人を雇用する場合
① 外国人が試験に合格又は技能実習2号を修了したことの確認
② 特定技能外国人と雇用契約を結ぶ。
③ 特定技能外国人の支援計画を策定する。
④ 在留資格変更許可申請を地方出入国在留管理局へ行う。
⑤ 「特定技能1号」へ在留資格変更
⑥ 就労開始

海外から来日する外国人を雇用する場合
① 外国人が現地で試験に合格又は技能実習2号を修了して帰国していることの確認。
② 特定技能外国人と雇用契約を結ぶ。
③ 特定技能外国人の支援計画を策定する。
④ 在留資格認定証明書交付申請を地方出入国在留管理局へ行う。
⑤ 在留資格認定証明書受領
⑥ 在外公館に査証(ビザ)申請
⑦ 査証(ビザ)受領
⑧ 入国
⑨ 就労開始

特定技能制度では、技能実習制度のような監理団体や送出機関を設けていないため、受入れ機関は直接採用活動を行うか、国内外の職業紹介機関を活用して採用活動を行うことになります。

国内での募集であれば、ハローワーク等を通じて採用することも可能です。


特定技能外国人を雇用するためには、省令等で定められた様々な基準を満たす必要がありますし、上記の流れを見ていただいてもわかるように、入国管理局への手続きや外国人とのやり取りを必要とする場面があったりして、複雑でわかりにくいことが多いですね。

そのため、特定技能外国人の雇用を検討する際には少しハードルが高く感じるかもしれません。

ただ、現在は就労開始まで丁寧にサポートしてくれる民間の職業紹介会社が増えていますので、介護分野に強いサポート機関を探すことも一つの方法かと思います。

特定技能制度の特徴として、受入れ機関は、雇用した特定技能外国人に対して日本で生活するためにいろんな支援を実施する義務があります。

具体的には、職業生活、日常生活そして社会生活の上において、支援の実施に関する計画(1号特定技能外国人支援計画)というものを作成し、この計画に基づいて支援を行わなければなりません。

支援内容としては、
① 事前ガイダンス
② 出入国する際の送迎
③ 住居確保・生活に必要な契約支援
④ 生活オリエンテーション
⑤ 日本語学習の機会の提供
⑥ 相談・苦情への対応
⑦ 日本人との交流促進
⑧ 転職支援(人員整理等の場合)
⑨ 定期的な面談・行政機関への通報
があります。

しかしながら、多岐にわたる支援業務を受入れ機関自らが行うことは難しいケースが多いと思います。

ですので、支援業務については、「登録支援機関」という出入国在留管理庁長官の登録を受けたサポート機関に委託することができるようになっています。

今回お伝えした内容の他にも、特定技能外国人を雇用するための条件がたくさんあります。

これからの時代、ますます人材不足が加速していきます。介護業界でも外国人の介護人材を雇用することが当たり前になってくるのではないかと思います。

引き続き、役立つ情報を発信していきたいと思います。

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