自筆証書遺言書の保管⑥

こんにちは、相続手続きと遺言書の作成を専門としております行政書士奥本雅史事務所の奥本です。


前回の終わりに、『自筆証書遺言書の保管申請』の完了後に発行される『保管証』について書きました が、この保管証は再発行することができません。


保管証があれば相続後の手続きがよりスムーズになりますが、たとえ保管証を紛失してしまったとして も各種手続きを行うことは可能ですのでご安心ください。


保管証の見本《法務局ホームページより》


それでは、遺言書保管所(法務局)で行うことができる各種の手続きについて説明していきたいと思い ます。


手続きには遺言者自身が行うものと相続人が行うものがあります。まずは遺言者自身が行うことのでき る手続きについて見ていきましょう。

①遺言書の閲覧

遺言者が、遺言書の保管申請をした後でその内容を閲覧したい時には『閲覧の請求』を行います。 閲覧には、『モニターの画像で閲覧する方法』と『原本を閲覧する方法』があります。

モニターによる閲覧は全国どこの遺言書保管所でも行うことができますが、原本の閲覧は保管申請を行 った遺言書保管所でのみ行うことができます。
申請にあたって添付書類は特に必要ありませんが、本人確認のために運転免許証等、写真付きの身分証 明書の提示が必要です。(閲覧できるのは遺言者本人のみ)


手数料はモニターでの閲覧が 1400 円、原本の閲覧が 1700 円となっています。手数料は収入印紙を購 入して支払います。(印紙は法務局内で販売しています)


②遺言書の保管の申請の撤回

遺言者は、保管の申請を撤回することにより遺言書の返還を受けることができます。


一度預けた遺言書を手元に返してもらうことができるわけです。ただし、保管の申請を撤回したからと いって、その遺言書の効力までもが失われるわけではありません。その遺言書がこの世に存在している 限り遺言の内容は有効となるため、新たに遺言書を作り直すという場合でも必ず専門家にアドバイスを 仰ぐことをおすすめします。

申請の際には、閲覧の場合と同じく本人確認のための写真付きの身分証明書の提示が必要、また保管の 申請後に氏名、住所等に変更が生じている場合はその変更が生じた事項を証する書面を添付書類として 提出します。(手数料は無料)


この撤回の手続きができるのは原本を保管している遺言書保管所に限られており、手続きは遺言者本人 のみ行うことができます。


③住所等の変更の手続き《変更の届出》


保管の申請時以降に、遺言者本人または受遺者、遺言執行者の氏名や住所等に変更が生じた場合には遺 言書保管官に対してその旨を届出なければなりません。

この手続きは、全国どこの遺言書保管所でもすることができ、また郵送で行うことも可能です。(手数 料は無料)


変更の届出をすることができるのは、遺言者本人とその法定代理人(親権者、成年後見人等)です。


添付書類は、変更が生じた事項を証する書面(戸籍謄本、住民票の写し等)と、遺言者の身分証明書の コピーです。 法定代理人が申請する場合には、遺言者との関係を証する書面(親権者は戸籍謄本、成年後見人は登記 事項証明書、いずれも作成から 3 ヶ月以内のもの)を併せて提出します。


以上が、遺言者自身の行うことのできる手続きです。なお、これらの手続きは全て予約が必要ですので ご注意ください。 予約せずに遺言書保管所を訪れた場合、長時間の待ち時間が発生したり、当日中に手続きができないと いう場合もあります。


では次回は、相続人が行うことのできる手続きについてお話しします。

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