相続登記の義務化

こんにちは。奈良で活動している行政書士 武村直治です。                  今回は2024年4月1日より開始される【相続登記の義務化】についてお伝え致します。

実は私はラジオ番組もやっていてその中でもお話ししているテーマなんですが、よく考えると私の番組は多分誰も聞いてない気がするのでブログでもお伝えしてみようかなと思います。

今までは土地等の相続登記を行わなくても罰則はありませんでした。手間や費用もかかるため放置する方も多いとのことでした。                          しかしそのために所有者が特定できず、土地の活用について手続等が進まないことが国レベルでの大きな問題となっていました。                           平成28年データでは九州全体の面積(367万㏊)を超える410万㏊が所有者不明土地となっています。ちなみにこのまま放置すれば約20年後には北海道1つ分くらいの土地が所有者不明となるようです。、、、なんかすごいですね。                      ちなみに私も業務において所有者不明でコンタクトが取れず困った経験が何度かあります。   この場合は郵送で文書案内を送ったりするのですが、登記情報があまりに古いと住所も近隣なのに聞いたことがなかったり、時代劇でしか聞かないような名前が記載されていたりするため「返却されるだろうな」と思いながら郵送しますが、やっぱり尋ね当たらず返却されて困ります。

この対策として相続登記が義務化されましたが、どんな内容なのでしょうか?

1.法律の施行は上記のとおり2024年4月1日から。

2.遺産分割が成立した日から3年以内に完了させる。

3.完了しない場合、10万円以下の過料が科される。                   令和8年からは氏名や住所などの変更も義務化。こちらは2年以内で罰則は5万円。

4.2024年4月1日以前のものも対象となる。(3年の猶予あり)

このように罰則付きの法改正となります。期日も迫っていますので早めの対応をお勧め致します。                                          

相続土地国庫帰属制度って使える?

奈良県王寺町で開業しています。

特定行政書士&申請取次行政書士&AFPの若林かずみです。

今年、令和5年4月27日から「相続土地国庫帰属制度」がスタートしました。

この制度をご存じでしょうか?

簡単に言えば、相続したけど要らない土地を国庫に帰属させる制度です。

例えば、私は奈良県に住んでいるけれど、父の実家が青森県で、青森県の土地を父が沢山所有していたとします。それも、別荘になりそうな土地・家屋ではなく、山林だったとしましょう。

父が亡くなり、私は、父が所有する青森県の山林の土地を相続しました。

とはいえ、私が青森県の山林の所有権を相続したとしても、なかなか青森県まで行くこともないので、利用するのは難しい。

利用することもないのに、毎年、固定資産税を支払わないといけない。

正直、この土地、手放せるのであれば、手放したい…。

では、こんなときに「相続土地国庫帰属制度」を利用できないかな?

と思いませんか?

少々の手数料がかかっても、国が引き取ってくれるのであれば、引き取ってほしい!

と思って、この制度を利用しようとしても、意外な落とし穴があります。

まず、「審査手数料」がかかります。

★審査手数料は、土地一筆当たり14,000円です。

これぐらいならいいんですよ~。

と思われるかもしれませんが、さらに、「負担金」があります。

★申請土地が「土地」の場合、原則として「負担金」が20万円かかります。

なかなかの金額です。

そして、山林であれば、隣接土地との境界を明確にする必要があり、そのために、人件費を捻出する必要がある場合もあるでしょう。

それなら、固定資産税は、そんなに高くないし、

所有し続けた方がいいかな…となると思います。

とはいえ、相続した山林をちゃんと管理していた場合は、意外とお得とも言われています。

仮に、遠方の山林のため、第三者に管理費を支払っているような場合であれば、延々と管理費を支払い続けることを考えれば、負担金20万円を支払ってでも、相続土地国庫帰属制度を利用した方がお得なようです。

現に、法務局も、「負担金は、土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額です。」と案内しています。

このように、意外と知らないこともあるかと思いますので、

相続土地国庫帰属制度の申請代理については、お近くの行政書士にご相談下さい。

特定行政書士、申請取次行政書士(immigration lawyer)

AFP、法務博士、コスモス成年後見サポートセンター奈良県支部会員

若林かずみ(wakabayashi kazumi)

和(yawaragi)行政書士事務所

http://kazumi-wakabayashi-nara.com/

tel; <a href=”tel:0745277711″>0745-27-7711</a>

fax:0745-32-7869

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遺言執行者④

こんにちは、相続関連の手続きを中心に活動しております行政書士の奥本です。

今回は、遺言執行者についての最終回となります。
遺言執行者の指定は、遺言書の記載事項の中でも比較的重要な項目と言えます。

遺言執行者の指定は、必ず遺言でしなければなりません。
遺言執行者とは文字通り『遺言の内容を執行する者』ですが、以前も書いた通り未成年者と破産者はなることができません。令和4年4月1日より成人となる年齢が18歳に引き下げられましたので、18歳以上で破産者でなければ誰でも遺言執行者になることができるということになります。

ですが遺言の執行には、法律的な専門知識が必要とされるケースも多々あるため、弁護士・司法書士・行政書士等の専門家を遺言執行者に指定する場合も見受けられます。

しかしながら、たとえ専門家を遺言執行者に指定してあったとしても、自分よりも先にその者が亡くなった場合には、その指定自体が無効となってしまう点に注意が必要です。
このような事態に対応するためには遺言書に『指定した遺言執行者(例:弁護士)が死亡している時には、新たな遺言執行者の指定を○○弁護士会の会長に委託し、同会長の指定した弁護士を新たな遺言執行者とする』という文言を記載しておくことで、必ず弁護士が遺言執行者に就任してくれることになります。

このコラムをお読みの方で、もしも「すでに自筆証書遺言を作成したが、遺言執行者を指定していない・・・」と思ってらっしゃる方がおられたら、どうぞご心配なく。

後から遺言執行者に関する遺言のみを行うこともできます。
また、「遺言執行者になってくれそうな人に心当たりがない・・・」という場合には、『遺言執行者への就任』ではなく『遺言執行者の指定だけを委託する』という方法もあります。

では、自筆証書遺言を一旦作成した後に、遺言執行者の指定を友人に委託したいと思った場合の文例を挙げてみましょう。

                 遺言書

   遺言者 〇山〇夫は、令和〇年〇月〇日付けで作成した自筆証書遺言の
  遺言執行者の指定を、次の者に委託します。

   〇県〇市〇町〇丁目〇番
    会社員 ×野×朗
    昭和〇年〇月〇日生

     令和○年〇月〇日
      遺言者 ○山○夫 ㊞

この場合、遺言執行者の指定やその委託が、どの遺言書に関するものであるかを特定するために、遺言書を作成した日付等を明示することが必要ですのでご注意ください。

また、誰でも遺言執行者になれる、とは言うものの、遺言執行者に指定された者が就任するかどうか(指定の委託を受けた者が受託をするかどうか)は、本人の自由意志によるとされており、就任や受託を強制することはできません。

そのため、遺言執行者の就任や指定の受託についてお願いしたい方には事前に相談しておき、内諾を得ておくといったことも大切です。

遺言執行者は複数名指定することもできますので、それぞれに職務を振り分けることも可能です。

例えば法律的な知識が必要な部分は専門家に、それ以外を長男に任せるといったようなケースが考えられます。簡単な例文を挙げます。

 遺言者は、遺言執行者△川△男、及び□田□人の職務の執行方法を次の通り定める。
1.△川△男は、推定相続人廃除請求に関する一切の権限。
2.□田□人は、その余の一切の執行行為。

最後に、遺言執行者の報酬について。
遺言執行者への報酬についての定めは必ず遺言でなされなければなりません。
報酬の金額に関しては、『報酬の金額を○○円と定める』としたり、『遺言執行対象財産の○%とする』といった形で具体的に記載します。

報酬について、遺言に定めがなかった場合には家庭裁判所の審判によることになります。なお、報酬の支払いは、原則として受任事務が終了した後となります。(民法1018条)

ちなみに、専門家に遺言執行者を依頼、または銀行の遺言信託を利用した場合などの報酬の相場は、概ね30万円ぐらいが目安となっているようです。(執行した財産により変動します)

いかがでしたでしょうか?
自筆証書遺言をご自分で作成される場合には、ぜひ遺言執行者についても配慮していただくようにお願いをいたします。

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行政書士奥本雅史事務所
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特定商取引法の改正ポイントについて

奈良県行政書士

奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所の木村友紀です。

毎日暑いですね~。8月だからですよね~。と書こうと思っていましたが、私の感覚としては割と涼しい日々を送っています。何でしょう?7月が暑すぎたせいでしょうかね?今コラムを執筆時点で台風が日本列島に接近しているということがありまして、日中でもちらほら雨が降ったり、風が吹いてくれているのでありがたいですね。もうこのまま秋に入って~(笑)

さて、本日は昨年度改正された特定商取引法について、少しお話をさせて頂きたいと考えております。リアルな店舗だけではなくて、WEB上でビジネスを始めたいとお考えになっているような場合には、見逃せないような内容となっておりますので是非参考にして頂きたいと思います。

従来までの特定商取引法の表記のルール

起業支援

もしも本記事をご覧の方の中でネットショップを運営されていらっしゃるような場合には、特定商取引法の表記というものを設置することになります。ただし、改正前ではただ単にこの表記を設置していれば問題ないという運用になっていました。恐らく今回の改正がなされたということは、現状の運用では顧客にとって不利益であったと判断されたのでしょう。今回の改正によって、より確実な方法で顧客の目に触れることになりました。

今回の特定商取引法の表記の改正ポイント

行政書士

昨年度施行されました特定商取引法によって、特定商取引法の表記を通販などの注文の最終確認画面で「分量」「販売価格および対価」「支払の時期、支払方法」「引渡しまたは提供期間」「申込期間がある場合、その旨およびその内容」「申込の撤回や解除に関する事項」に関する事項を表記しなければいけないというような運用に変更されることになりました。また、顧客に誤認を生じさせるような表記をしてもいけません。上記に違反をされますと、行政罰や刑事罰の対象になりますので、該当の方はよく注意をされるようにしてください。

以上の点につきまして、何かご不明な点等がございましたらお気軽にお問い合わせ頂ければと思います。

奈良県の行政書士

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事務所名 行政書士ユウ法務事務所
所在地 【〒630-8131 奈良県奈良市大森町43-2 ホワイトパレス21 401号】
電話番号 【050-3698-1344】
FAX  【050-6877-5524】
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介護現場の事務負担軽減に向けて

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川です。

毎日暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか?

もうすぐ甲子園で高校野球の全国大会が始まります。

毎年この時期は夏本番を感じながら、テレビ観戦を楽しんでいます。

   

     

さて、近年では、業務のデジタル化およびテレワーク普及の推進から、行政手続きにおいて押印(印鑑)廃止の動きが進んでいます。

      

また、紙で運用されていた文書・資料を電子化して、業務効率改善やコスト削減を図るペーパーレス化も進んでおり、この流れは今後ますます加速していくことが予想されます。

   

介護現場においても例外ではなく、厚生労働省は、介護施設・事業所と自治体との書類のやり取りを効率化する「電子申請・届出システム」の活用を、全ての事業者に原則として求めていく方針です。

   

「電子申請・届出システム」は、ペーパーワークを少なくして介護現場の事務負担を軽減する施策の一環として、国が主導して進めています。このシステムは、これまで活用されてきた「介護サービス情報公表システム」を改修して構築されました。

   

介護施設・事業所の指定申請、変更届出、更新申請、報酬請求などの手続きに必要な書類の提出を、PCからできるようにする仕組みです。

   

現在、介護報酬の請求は、ほとんどの事業所で電送されていると思いますが、その他の申請は、今でも面倒な紙の提出や郵送、FAXでのやりとりがほとんどです。

    

しかしながら、現状ではほとんどの自治体がまだ調整や準備の段階のようです。厚生労働省は段階的に普及を進める計画で、全国の自治体には、2026年3月までに必要な準備を完了させるよう指導しています。

   

この取り組みに先立って、令和3年度4月から施行された介護報酬改定では、業務負担の軽減を目的として「書面で説明、同意等を行うものについて、電磁的記録による対応を原則認めること」とされました。

   

つまり、紙媒体ではなく電子データでの契約等を認め、今まで必要とされてきた署名や捺印は原則不要となりました。

   

介護事業所は利用者にサービスを提供する際に、契約書やケアプランなど様々な文書に署名・捺印が必要です。そのため、署名と捺印をいただくには、紙媒体である書類を作成しなければなりませんでした。

   

そして、その書類をもって利用者と家族への説明を行い、同意を得て署名捺印をし、控えの交付や事業所での原本の保管、などなど・・・

必要とされる書類を作成する業務は大きな負担になっていましたので、この電子化の流れは大いに歓迎すべきですね。

   

電子データ、電子サインの活用といった新たな対応について、介護事業所としても新しいシステムやソフトを導入するなど準備が必要ではありますが、電子化が進むことで、介護事業所の負担軽減につながることを期待したいと思います。

   

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2024年問題

こんにちは。奈良県で活動している行政書士武村です。

なんだかビッグモーターがすごいことになってますね。連日ネットニュースで記事を見ます。去年私の身内がここで車を買ったので注目してるんですが、常識で考えると頭がおかしいんじゃないかと思うほどの不正の数々、、、従業員の方も立場上生活がかかっていると目を瞑らなくてはいけないこともあると思うんですが、当たり前のように不正をしているような空気も感じました。このあたり色々と考えさせられますがそれよりも身内の車は大丈夫なんでしょうか。

さて、前回からかなり期間が空いてしまいましたが、今回は「2024年問題」について触れてみたいと思います。

2024年問題とは、すでに開始されている時間外労働の上限規制(罰則あり)が人材の不足している特定の業界(建設業、物流・運送業など)においても2024年4月から適用されることにより、さらなる人材不足やサービス利用者の料金値上げ、また倒産などが加速すると予測される問題です。これについては大手企業などはすでに対策を行っており、積水ハウスなどは大工の数を3倍以上に増やす、また大和ハウスなどはIT技術を活用した業務の効率化により人材不足に対応しようとするなど、様々な方法を試みているようです。

しかし経営体力に乏しい中小・零細企業については資金面や技術面の問題から2024年問題に対応することは容易ではなく、倒産が増大する事態は避けられないと予測されています。

もちろん労働時間の上限を規制することはライフワークバランスの改善や男性の家庭参加など改善すべきといわれている問題について一定の効果を上げる可能性があり良いことだと思っているのですが、一方でさらに諸々の価格が高騰し、かつ企業の倒産が増えるような事態が予測されていることは正直怖さも感じます。

世の中は増税の機運も高まっているように感じますし、自営業者である私は最近ずっと閉塞感を感じています。もう少し好転しないかな。

遺言執行者③

こんにちは、相続手続きと遺言書の作成を専門にしております行政書士の奥本です。


それでは今回も引き続き、遺言執行者について詳しく見ていきましょう。


『法定遺言事項』(遺言書に記載されることにより法的な効果が発生する事項)には、遺言執行者によってのみ執行される事項と、遺言執行者がいる時は遺言執行者が、いない時には遺言執行者に代わって相続人により執行される任意的な事項があります。


遺言執行者によってのみ執行される法定遺言事項は、

①遺言による子の認知
②推定相続人の廃除、又は廃除の取消し
③一般財団法人設立のための定款作成、及び、財産の拠出(一般財団法人設立のために最低 300 万円の財産の拠出が必要)の履行

です。


①は、婚姻関係にない者との間に生まれた子を遺言により認知する場合ですが、この場合、 遺言執行者は就職(就任)した日から 10 日以内に認知の届出をしなければなりまん。

また、認知する子供が成人している場合は本人の承諾が必要で、胎児の場合は母親の承諾が必要な点も注意が必要です。


②の推定相続人の廃除とは、被相続人(遺言者)に対して虐待や重大な侮辱を与えた場合や、推定相続人に著しい非行があった場合などに家庭裁判所に申し立てて相続人から廃除することです。
逆に被相続人の生前にすでに廃除されていた場合、遺言で廃除を取り消すこともできます。


③は、被相続人が自分の財産を使って一般財団法人(財産の管理者が財産を運用し助成活動などを行う法人)を設立する場合です。
法人の設立のためには定款(法人の根本的なルールを定めた物)の作成が必要で、設立者による財産の拠出も必要となるため、これらの行為を遺言執行者が代わって行います。

一方、遺言執行者がいる時は遺言執行者が、いない時は相続人によって執行される任意的な法定遺言事項は、


①法定相続分を超える相続分の指定、特定の遺産を特定の相続人に相続させる遺言
②遺贈、及び、信託の設定
③祭祀主宰者(仏壇やお墓などの祭祀財産を引き継ぎ法要などを執り行う)の指定
④生命保険の受取人の指定・変更


です。

①は、相続した財産のうち法定相続分を超える部分については登記・登録その他の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することはできないと民法で定められているからです。

特定の遺産を特定の相続人に相続させる場合(例えば自宅などの不動産や自動車)も登記・ 登録などの執行行為が遺言の実現のために不可欠であるため、遺言執行者または相続人がそれらの行為を執行する必要があります。


②遺言書に遺贈(被相続人の死亡後に財産を譲ること)する旨が記載されていた場合は、 遺言執行者または相続人が遺贈義務者となります。(遺言執行者がいる場合は、遺言執行者のみが遺贈の履行を行うことができる)

信託(例:信託銀行等に財産を託し、残される妻に毎月 20 万円ずつ給付する)の設定に関しては、遺言書で遺言執行者が指定されている場合は遺言執行者が、指定されていなければ相続人がそれを実現するための行為を執行することになります。


③は、祭祀主宰者を定める方法として、
・被相続人の指定により
・慣習に従って
・(慣習が明らかでない場合は)家庭裁判所が定めると民法第 897 条にあるため、祭祀主宰者が決まらない場合は家庭裁判所に遺言執行者もしくは相続人が申し出る必要があるからです。


④は、生命保険会社に対する手続きを、遺言執行者もしくは相続人がしなければならないということです。


なお、遺言執行者がいる場合には、相続人は相続財産の処分、その他遺言の執行を妨げる行為をする事はできません。
これに違反して行った相続人の行為は無効となります。


さて、遺言執行者の選任手続きについては民法第 1010 条で以下のように定められていま す。

“遺言執行者がいない時、又はなくなった時は、家庭裁判所は利害関係人の請求によって、これを選任することができる。“

遺言執行者が【いない時】というのは、


①遺言者が遺言執行者を指定しなかった時
②遺言執行者の指定の委託を受けた者が委託を辞退した時
③指定された遺言執行者が欠格者である時
④指定された遺言執行者が就職を承諾しない時


です。


また【なくなった時】というのは、死亡、失踪、解任、辞任、資格喪失などの事由が遺言執行者に生じた時です。

このような場合に利害関係人(相続人や受遺者など)は、家庭裁判所に遺言執行者の選任の申し立てを行います。
(※行政書士は裁判所に提出する書類を作成する事はできませんので、ここでは簡単に説明するに留めます。)


管轄は、相続開始地(遺言者の最後の住所地)にある家庭裁判所です。
必要な書類は、申立書、遺言執行者の候補者の住民票、遺言者の戸籍(除籍)謄本、遺言書の写し等です。


ちなみに、遺言執行者によってのみ執行される法定遺言事項が遺言書に記載されているにも関わらず、遺言執行者がいない又はなくなった場合には、家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらわなければならないということになります。


次回に続きます。

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行政書士奥本雅史事務所

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スタートアップと法の重要性

奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所の木村友紀です。

時間がたつのは早いですね~。もうあっという間に2023年の2月ということで、毎年恒例の確定申告の時期が迫っているわけですけれども今年はどうなることやら。。一応昨年はふるさと納税をしていますので、入力もかなり終わってはいるんですけれど、今月末にどれだけ進めることができるかが勝負といえそうですね!

さて、本日はビジネスをスタートさせるときの法の意義について少しお話をしたいと考えております。ビジネスを始める時には色々なやり方があるのですが、特にベンチャーとしてビジネスを始めるという場合には、スタートアップという言葉が使用されることがあります。この場合、なるべく早く事業を軌道に乗せるためには初期のころから集中して仕事に取り組むことが重要となります。

起業支援

スタートアップのマーケティング

実は私もそれなりにスタートアップについては知識があるのですが、最近のスタートアップの研究は本当に進んでいます。このスタートアップのあり方はマーケティングの手法とも密接に結びついていまして、昔であれば大規模な投資をしてうまくいかなくて結果的に破産ということも少なくなかったようですが、今ならきちんと手法さえ選べばそれほど大きなリスクになることもなく、堅実な事業を進めることができる世の中になっていますので、しっかりとスタートアップについて学べば失敗のリスクも抑えることができます。

スタートアップの周辺の法

行政書士起業支援

その方法の一つにサービスのプロトタイプを用いて、マーケットのニーズを検証するというものがあります。これを行うことによって、いち早く顧客よりフィードバックを受け取り、より速くPDCAサイクルを回すことができるようになるのです。ただし、その際には法律についても理解しなければいけません。そうでないと色々と後で面倒なトラブルに巻き込まれてしまうのですが、一般的なビジネス書にはそうした注意書きはあまり書いていないのです。だからこれから新しくビジネスをローンチしたいという方は、周辺の法的な側面でも問題がないかどうかを整えることをおすすめしたいと思います。

以上の点につきまして、何かご不明な点等がございましたらお気軽にお問い合わせ頂ければと思います。

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身寄りのない方の老後の備えについて

こんにちは。
行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川です。

全国的に最強寒波の影響が出ていますが、みなさま無事でお過ごしでしょうか。
私の周りでは、大きな混乱はなく、何とか無事に過ごしています。

やはり、最強寒波と言われるだけあって寒いですね。

体調管理や移動中の事故などには十分お気を付けください。

また、コロナウィルスもまだまだ油断なりません。
寒さ対策に加えて感染対策も引き続き頑張っていきましょう。

さて、昨年末に厚生労働省が 2022 年度の介護支援専門員(ケアマネジャー)試験の結果を
公表しました。

今年度は 54,406 人が受験し、10,328 人が合格。
合格率は 19.0%で、前回より 4.3 ポイント低かったようです。

受験者数は前回より 116 人増えて、3 年連続で増加しています。
一方で、合格者数は前回と比べてマイナス 2334 人で、4 年ぶりに減少しました。

合格率は、毎年上下していますが、10%台~20%前半で推移しています。
試験難易度は、私が受験した 15 年ほど前に比べるとかなり難しくなっています。

日本の超高齢社会において、介護保険サービスの中核を担うケアマネジャー(以下、ケアマ
ネ)は、本当に貴重な存在です。

高齢者の生活課題を解決していく場面では、行政書士との
連携も増えていくのではないかと思います。

実際に、ケアマネさんからの相談で、身寄りのない方のご相談が増えています。

例えば、成年後見制度、相続、死後事務などは、
備えとして準備したい方や、すでに必要な状況の方もおられます。

そこで、今回は「死後事務」について、お伝えしたいと思います。

人が亡くなると、役所への届け出や葬儀などの手続きが必要になります。
親族がいない方は、亡くなった後の手続きを誰かに依頼することになります。この手段とし
て「死後事務委任契約」があります。

死後に必要となる手続きなどは以下の通りです。

 死亡届の提出 

 火葬・埋葬許可証の受け取り


 年金の停止手続き


 健康保険証など役所への返納手続き


 水道光熱費などの支払い・停止の手続き


 家賃・介護施設・入院医療費などの支払い


 賃貸住宅・介護施設の退去手続き など

【葬儀支援として】
 葬儀社との打ち合わせ
 火葬・埋葬許可証の提出
 寺社手配
 喪主代行
 火葬立ち合い、拾骨 など

このように、死後に様々な手続きがあります。
親族がいない場合は、誰に頼むのか決めておくために死後事務委任契約があります。

以前のコラムで、任意後見契約のご説明をしましたが、任意後見人は、ご本人が亡くなった
時点で任意後見契約が終了します。

ですから、任意後見契約と同時に死後事務委任契約も結んでおくと安心です。

また、任意後見契約や死後事務委任契約は、信頼できる人にお願いすることになると思いま
すので、もし遺言を残すなら、遺言執行者も同一の人にお願いすることで、確実に自分の意
思を実現してもらえます。

近年では、死後の SNS のアカウント削除などもクローズアップされたり、葬儀や埋葬の在
り方、考え方も多様になっています。

今後は、時代に合わせて死後事務の内容も多様化して
いくのではないでしょうか。

自分らしく生きることと同時に、自分らしい最期を考えて準備される方も増えています。

ケアマネさんが支援されている、親族がいないご利用者のお悩みにも、行政書士がお手伝い
できることがあると思います。

気軽にお近くの行政書士へご相談ください。

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農地転用9

こんにちは。奈良県で開業している行政書士の武村です。                        今年もあっという間に過ぎてしまいましたが、皆様にとってどんな1年だったでしょうか。          

さて、今年は1年間ほとんど農地のことばかりお伝えしてきましたので、最後も農地関係で締めたいと思います。

農地を事業場等に転用するために売買(賃借)したが、その農地の一部に例えば古い建物等が存在するなどすでに農地でなく事業にも利用できない箇所があるため、(ただし公図上はその農地でない部分も含めて一筆の農地となっている)土地の一部だけを転用できないか、、、それともいっそ費用がかかっても必要部分のみを分筆した方がよいのだろうか、、、こんなことを検討するケースが稀にあります。つまり登記の地目と現在の土地状況が異なるということになりますが、これによって転用後の面積の利用率など許可を取得するための要件にも絡んでくることがあるので、重要な問題です。こんな場合はどのように対応すればよいのでしょう。 

農地転用許可申請は必ずしも分筆を行う必要はないようです。しかしこの場合、上記のように公図や謄本情報と転用を予定している現状の土地の面積に差異が生じるため、いずれにしろ転用する土地の求積図が必要になります。この作業には測量や精度の高い図面が必要になるため、分筆手続を行わなくても通常の農地転用に比べ大きな費用がかかり、結果的に分筆を行った場合と大差ない場合があります。                        

そのため、個人的には適切に分筆手続を行うことをお勧めします。                      行政は書面主義であり、また管轄する法令により手続の担当課も違います。土地の一部だけ農地転用の許可を取得しているが、公図などでは一体となっているような外形の場合、その土地や建物について将来的に他法令の対応が必要になる手続を行う場合に、うまく整合性が取れずその対応が煩わしくなる可能性があります。

また細かい話にはなりますが、一部転用の場合はその一部のみしか許可されていないため、それ以外の残りの土地については「農地」のまま。つまりある状況から土地全体の売買や賃貸借を行ったとしても許可がおりていない部分については名義も地目も変更できないため、将来的に事業場の拡大などでどうしても残りの土地も利用する必要がある場合などには、改めて農地転用許可申請など何らかの手続を改めて行う必要があります。  

土地関係手続についてはかなり時間を要するケースが多く、急いで事業を拡大する必要があるにも関わらず半年~1年経ってもまだその土地を利用できない、なんてことが当たり前のように起こりえます。多くの場合は、依頼者の方が予定している準備期間と、実際に必要となる準備期間に大きな差が出ます。この期間の損失を考慮すると、多少の費用が必要であっても適切に分筆を行うことをお勧めします。