コンビニで外国人をアルバイトとして雇用する場合の注意点

奈良県王寺町(大阪梅田からJR大和路線で35分)で開業しています。

特定行政書士&申請取次行政書士の若林かずみです。

今回は、外国人をコンビニで雇用する場合のビザに関する記事を書いてみようと思います。

 

1.2019年4月には入国管理局が入国在留管理庁へ格上げ

 

先日、私が住んでいる近くのスーパーで珍しく外国の方を見かけました。

「こんなところに買い物に来るなんて、地元の人やな~。珍しい~。

ホンマ、これから、どんどんこんな感じになるんやろな~。」

 

いつか、こんなことも思わないぐらいに外国の人が周囲に増えるんだろうと思います。

 

日本政府は、外国人労働者の受け入れを拡大する路線ですが、それに対応すべく、来年(2019年)4月には、法務省が現在の「入国管理局」を「入国在留管理庁」に格上げするというニュースが流れたところですよね。

(参照:2018年8月28日朝日新聞デジタル「入国在留管理庁、来年4月に設置へ 入国管理局を格上げ」https://www.asahi.com/articles/ASL8W671XL8WUTIL037.html

 

「じゃあ、これから、うちの店舗でも外国人の人を雇ってみようか」

という方もいらっしゃるかと思います。

例えば、私達の身近なコンビニでアルバイトをしている外国人を沢山見ますが、

「アルバイトがなかなか見つからないから、外国人を雇おう!」と思ったとき、

どんなビザが必要になるのでしょうか。

 

2.外国人をアルバイトで雇う場合の注意点

 

アルバイトを雇うのだから、就労ビザかな?

となるかと思いますが、

 

コンビニアルバイトのような単純労働をさせるために就労ビザを取得して入国させるということはできません。

(※就労ビザに関する記事は、私個人のブログ「奈良発!女性行政書士若林かずみ日々是好日」の中の「日本で仕事がしたい!必要な就労ビザって?」

http://yawaragi-office.com/archives/57 をご参照下さい。)

 

では、私達がよく見かけるコンビニで働いている外国の方はどんなビザで入国しているのでしょうか?

 

(1)   留学ビザの外国人

 

日本の大学や大学院で勉強するために留学ビザを取得して日本に滞在している外国人がいますよね。

本来、彼らは、勉強をするために日本に来ているのですから、

基本的に就労はできません。

ですが、「資格外活動許可」を取得すれば

週28時間までアルバイトをすることができます。

また、夏休みなどの長期休暇の間は、学校が休みなので、

例外的に、週40時間までアルバイトが認められます。

 

(2)   家族滞在ビザの外国人

 

家族滞在ビザとは、例えば、中国人男性が就労ビザや留学ビザで日本に滞在する場合に、その妻である中国人が日本に滞在するために取得したりするものです。

この家族滞在ビザの外国人が日本でアルバイトをしたいのであれば、

これも「資格外活動許可」を取得する必要があります。

資格外活動許可を取得すれば、

週28時間までアルバイトをすることができます。

ただ、留学生のような長期休暇があるわけではないので、

年間を通じて週28時間の就労制限がかかることになります。

 

(3)「日本人の配偶者等」「永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」ビザの外国人

 

これらのビザ(※ビザの説明については、今後、いずれ…。)には、就労制限がありません。

ですので、日本人と同様に考えて大丈夫です。

 

(4)「技術・人文知識・国際業務」という就労ビザの外国人

 

「技術・人文知識・国際業務」ビザは、いわゆるホワイトカラーと言われる職業です。

そして、これはフルタイムの社員として働くためのビザであって、アルバイトをするためのビザではありません。

とすれば、アルバイトをするためには、「資格外活動許可」を取得する必要があります。

ただ、本業があるので、留学ビザや家族滞在ビザのように、簡単に「資格外活動許可」は下りないと考えて下さい。

特に、コンビニなどの単純労働のアルバイトのために「資格外活動許可」は、まず下りません。

 

3.今後の動き

 

上記のように、「コンビニでアルバイトをしている外国人」と言っても、それぞれに取得しているビザは違うことが分かっていただけると思います。

そして、現在の法制度では、単純労働のための就労ビザは認められていません。

 

ですが、日本政府は、2018年6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)において、外国人受け入れ拡大が掲げられおり、

(経済財政運営と改革の基本方針 2018(仮称) (原案)

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0605/shiryo_01.pdf

今後の日本経済が直面する深刻な人手不足を背景に、外国人の単純労働者が受け入れられるのは、さほど遠い未来ではないでしょう。

 

また、数日前、201896日の日本経済新聞に、来春(2019年)、外国人留学生が日本で就職する場合の就職条件が緩和される旨の記事が掲載されました。

 

引用

「法務省は、外国人留学生の就労拡大に向け、新たな制度を創設する。日本の大学または大学院の卒業後、年収300万円以上で日本語を使う職場で働く場合に限り、業種や分野を制限せずに外国人の在留を認める」

(※このニュースに関する詳しい記事は、私個人のブログ「奈良発!女性行政書士若林かずみ日々是好日」の中の「来春(2019年)、外国人留学生の就職条件が緩和!年収300万円以上なら業種問わず!」

http://yawaragi-office.com/archives/114 をご参照下さい。)

 

このように、外国人の受け入れに関しては、しばらくは目が離せない状況が続くといえるでしょう。

 

 (やわらぎ)行政書士事務所 

      特定行政書士・申請取次行政書士・AFP・法務博士  

                                                                                         若林 かずみ

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遺言書④ ~死ぬ前に書くもの?〜

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

遺言書は死ぬ前に書くもの、であることは間違いありません。

でも『死ぬ前=死の直前のこと』かというと、そうである場合とそうで無い場合があります。
今回は遺言の【方式】についてのお話です。

死ぬ直前に書く、と聞くと”遺書”をイメージされるかもしれません。では遺書と遺言書はどのように違うのでしょうか?

遺書は、例えば自分が死を覚悟したとき、これまでの思いを綴ったり、家族や友人に宛てたメッセージなどを記したもので、あくまで私信といえます。

一方、遺言書は民法という法律によって、書き方や作成の方法、遺言で実現できる内容などが細かく定められている法的な文書なのです。

遺書には法的な効力は一切ありませんが、遺言は遺言者の最終意思を尊重し実現するための制度ですので、遺言書に書かれた内容には法的な効力があります。

遺書に「誰々に財産を譲る」と書いてあったとしても、それは単なる本人の希望に過ぎずその通りに財産を処分する必要はありませんが、遺言書に書かれていた場合はその意思通りに財産処分が実現されます。(前回お話ししたように相続人の遺留分を侵害しない範囲で、ということになりますが)

このように遺書であればノートに走り書きで書いても、音声で録音しても、動画に撮るのもまったくの自由ですが、遺言書は民法で定められた方式で書くことが必要です。

民法が定める遺言書の方式には【特別方式】と【普通方式】という二つの方式があります。

普通方式というのは死期が近い遠いに関わらず将来の備えとして作成するものですので、いつでも作成することができます。

特別方式というのは普通方式で遺言書を作成することができない、特別の場合に認められているもので、死の直前に書くというイメージに近いと言えるでしょう。
特別方式で遺言書を作成することが認められるのは以下の4つの場合です。

(1)死亡危急の場合(民法 976条)
病気などで死亡の危急に迫った者が遺言をする場合は、証人が3人以上立会い、そのうちの1人に遺言者が遺言の趣旨を口頭で述べ、その証人が筆記した後に遺言者と他の証人に内容を読み聞かせ、または閲覧させ、各証人がその筆記が正確なことを承認して署名捺印をすることで成立する。(成立後20日以内に家庭裁判所の確認を受けなければ効力を生じない。)

(2)伝染病で隔離されている場合(民法 977条)
伝染病のため行政処分により隔離された場所にいる場合は、警察官1人と証人1人以上の立会いによって遺言書を作成することができる。なお遺言者、筆記者、立会人、証人は、各自遺言書に署名捺印しなければならない。

(3)在船者の場合(民法 978条)
航海中の船の中にいる場合は、船長または事務員1人と証人2人以上の立会いによって遺言書を作成することができる。なお遺言者、筆記者、立会人、証人は、各自遺言書に署名捺印しなければならない。

(4)船舶遭難の場合(民法 979条)
船舶が遭難し死の危険が迫った場合は、証人2人以上の立会いによって口頭で遺言をすることができる。船舶遭難の状況がやんだ後(証人が生還したとき)に証人が内容を筆記し、署名捺印し、かつ証人の1人または利害関係人から家庭裁判所に請求して確認を受けることによって効力が発生する。(この方式は、航空機の遭難の場合にも準用される。)

(※ 特別方式の遺言は普通方式で遺言書を作成することが出来ない場合の臨時的なものですので、遺言者が普通方式で遺言書を作成できるようになった時から6ヶ月間生きていたときは失効します。)

このような状況は頻繁に起こるというものではありませんが、遺言書とはこんな緊急の場合でも方式を守ることが厳格に求められているということはお分かりいただけたかと思います。

遺書と遺言書の違いを知ることで、『遺言書なんて縁起が悪い』という印象が変わり『将来の為に必要なもの』と思ってくだされば幸いです。

 

行政書士 奥本雅史事務所
http://okumoto.tribute-mj.net

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イノベーター理論ってご存知ですか?

奈良県行政書士

奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所の木村友紀です。

残暑は過ぎましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。皆様体調にはくれぐれも気を付けてご自愛下さいませ。

 

さて、初めに本コラムをご覧頂いております皆様に宣伝がございます!以下の通り奈良県行政書士会主催のイベントでコンサートを無料鑑賞して頂けます。

日程:2018年9月19日(水)

場所:なら100年会館 中ホール

(JR奈良駅より徒歩すぐ)

開演時間:15:00(14:30開場)

曲は、ルパン3世・サザンオールスターズなど一度はお聴きになったことのある曲ばかりです。

・この時間帯はいつも空いているよという方

・音楽を聴くのが大好きという方

・なら100年会館近くにお住まいの方

上記の一つでも当てはまった方は、是非お待ちしております!

まだまだ席は多くございますので、皆様お誘い合わせの上お越し下さいませ。

⇒詳細はコチラ


 

はい、という訳で少し長くなりましたが本題の方に入っていきたいと思います。私は先日異業種交流会に参加してきたのですが、そこで聞いた中で面白いお話がありましたので、起業に興味があってコラムを読んで頂いております皆様にもお伝えできればと思います。

皆様は、新しい商品が出たらその商品を買ってみようと思いますか?少し遡りますが、例えばwindows10のバージョンがリリースされるという情報が入ったとしましょう。windows10のバージョンの特性は、これこれがあるという情報がネットですとか、windowsの通知などに届く訳ですね。

さて、これらの情報があった場合、「旧バージョンからwindows10にすぐ移行したいと思う人は挙手!」と聞いてみた場合、実はほとんどの人はためらってしまうんですよ。これは、私の経験でもありますが、windows10が出た当初、ビジネス関係の集まりで、windows10に関する話題になった時、新バージョンに移行するか意見が交換されましたが、なんと約80%(かなり前でしたので恐らくこのあたりの割合だったと思います)は「様子見」という意見が大多数だったのです。

これは、マーケティング上の「イノベーター理論」という学説にも裏付けられています。私たちは、商品購買行動の特性に関して5つのタイプに分類されることになります。

今回のwindows10の事例で申し上げますと、

1. 「よし!windows10のような誰もがあっと驚くようなすごい商品を作ってやろう!」と考える人

2.    「おっ、これは新しい商品だから面白そう!今すぐ試したい!早速買ってみようかな?」と考える人

3.    新聞・ニュースなどで情報には入れているが少し期間を置いてから、「みんなの反応を見て買ってみようかな」と考える人

4.   「周りの人もみんなその商品を買いだした!その商品は信用できるかも?よし、買ってみよう!」と考える人

5.   「windows10?そんなの知らない。俺は(私は)今使っているコンピュータのバージョンに満足しているんだから、新しいバージョンが出たとしても乗り換えたりはしない!」と考える人

 

さて、上記の中でご自身に近いタイプはありましたでしょうか?実は人口の7割は3番目と4番目に分類されてしまうと言われています。つまり、皆さん全体の反応を確認してから自分も入っていくということです。

ところで、この理論の名称は「イノベーター理論」でしたよね?イノベーターって何のことだかご存知ですか?高校の政治・経済の分野等で覚えておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、「技術革新」等の難解な文言で学説によって定義が分かれることもあります。

例えば、昔でいうと、誰かが誰かに話をしたいというときには、その人のところまで行って話を聞きにいかなければいけませんでしたよね?ところが、それがいつしか電話という技術が発明され、遠く離れた場所にいてもお互いにコミュニケーションが取れるようになりました。それが今では、「携帯電話」という道具が発明されて、その「電話」をコンパクトに持ち運べるようになっていますね。分かりやすく申し上げますと、これが「イノベーション」です。

 

ところで、先日の異業種交流会での話しに戻りますが、名高い起業家には本来何らかのイノベーションを起こす人が多くいます。イノベーションを起こすにはどうしたらよいのでしょうか?

そう、「『よし!windows10のような誰もがあっと驚くようなすごい商品を作ってやろう!』と考える人」にならないといけないということですね。

 

もう少しお伝えしたいことを考えていたのですが、だんだんと長くなりそうですので一旦今回はこれにて終了致します。次回恐らく本題の本題に入るのかなと思いますので、是非話の続きが気になる方は次回も忘れないようにご覧下さいませ。

以上の点につきまして、何かご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。

奈良県の行政書士

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事務所名 行政書士ユウ法務事務所
所在地 【〒630-8131 奈良県奈良市大森町43-2 ホワイトパレス21 401号】
電話番号 【050-3698-1344】
FAX  【0742-90-1344】
営業時間 【9:30~18:30】
定休日 【土日祝】
E-mail 【info@gyouhoum.com】
URL  【http://gyouhoum.com/】
————————————————————————————————

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任意後見とともに備えておきたいこと

こんにちは。
行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

今回は任意後見とともに備えておきたいことをご紹介したいと思います。

先日、テレビのバラエティー番組で終活の特集をやってました。

出演している芸能人が自分の終活について紹介したり、お墓選びや終の住処をさがすなどの内容でしたが、終始楽しい雰囲気でした。

「死ぬことを考えるなんて縁起が悪い」と思われていた時代もありましたが、現在は終活の認知度が上がり、そのイメージも変わってきているようです。

また、朝のワイドショーでも終活に関する特集をよく見かけます。
お墓見学ツアーなるものが人気だとか・・・

それだけ終活に関心を持っている人が多いということですよね。
高齢期を安心して過ごしたいという希望は誰もが持っていると思います。

ところで、「終活」という言葉は日常的に使われていますが、みなさんはどんな意味で使っていますか?

私は、財産の整理(相続の準備)や葬儀、お墓の準備など今のうちに決めておくことかなと思っていました。

一般社団法人終活カウンセラー協会のホームページには、

「終活とは人生のエンディングを考えることを通じて“自分”を見つめ、“今”をよりよく、自分らしく生きる活動」

と書いてありました。
今をよりよく、自分らしく生きるために終活があるのですね。
そして、死ぬことを考えることにより、今をどう生きるのかを考えることにつながるようです。

「これから残りの人生をどう生きるか」

趣味や生きがいをもって楽しく生きていくことを考えるのはもちろん大事なのですが、そのためには不安を解消するための対策も必要です。

高齢期に抱える不安として、お金のこと、健康のこと、介護のこと、葬儀・お墓のことなど様々です。

前回のコラムでお伝えした任意後見契約は、認知症による判断能力の低下に対する備えでしたね。これも一つの備えではありますが、任意後見契約だけではカバーできないこともあるんです。

たとえば、葬儀のことやお墓のことは任意後見契約ではカバーできません。

なぜなら、任意後見契約は本人が死亡してしまったら契約が終了するからです。

亡くなった後のことは親族に任せることになりますが、葬儀ができるような親族がいない場合や、いても任せられない場合には、「死後事務の委任契約」という方法があります。

死後事務の委任契約では、亡くなった後の親族などへの連絡や葬儀社の手配、役所の手続き、火葬、納骨、自宅の整理などが頼めます。

たとえば、葬式は誰が行い、葬儀費用は誰が支払うのかといったことも、決めておくことで相続トラブルを防ぐことができます。

また、最近の葬儀は、家族葬など簡素化されたり、お墓に関しては散骨や樹木葬への関心が高く、多様化しています。つまり、葬儀やお墓に関する考え方や希望も多様化しています。

自分の遺志を実現しようと思えば、誰がいくらの費用で何をするのかを、生前に決めておく必要があります。

「死後事務の委任契約」は葬儀や散骨、樹木葬など、自分の死後に生ずる事務を生前に委任しておく契約です。この契約は本人が死亡すると同時に始まります。

死後に他人に迷惑をかけたくない、死後のことも自分で決めておきたいという希望を実現するために「死後事務の委任契約書」という備えがあります。

この死後事務の委任契約と任意後見契約を同時に契約することによって、判断能力が低下してから亡くなった後までカバーすることが可能になります。

最近は、一人暮らしの高齢者が増えていて、孤独死のニュースを耳にすることが多くなってきました。また、遺体の引き取り手のない事例が増加し社会問題にもなっています。

親族がいても疎遠になっていたり、事情があって死後の面倒まで頼めないこともあります。

このような事例が増えていることから、死後事務の委任契約が注目されています。

以前のコラムでご紹介した「財産管理等委任契約」「任意後見契約」そして、今回ご紹介した「死後事務の委任契約」は同時に公正証書で作成できます。弊所では、ご希望をお聞きしながら契約書の原案をご提案いたします。その他終活に関連することも遠慮なくご相談下さい。

 

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経営事項審査とは 2

こんにちは。

奈良で開業しています行政書士の武村です。

 

さて、前回、経審とは企業のいわゆる「点数によるランク付け」

のための方法である旨をお伝えしましたが、では具体的には

一体何を評価されるのでしょうか?

 

経審はそれぞれの建設業者を

  • 経営状況 (Y点)
  • 経営規模 (X1点 及び X2点)
  • 技術力  (Z点)
  • 社会性等 (W点)

の4つの方面から評価し、その合計を「総合評定値 (P点)」

として算出します。

 

ただ、これだけだとピンとこないので、評価内容をもう少し

詳しく見ていきます。

 

  • 経営状況(Y点)

・自己資本比率、利益余剰金の額、負債回転期間、
売上高計上利益率、など多数

 

  • 経営規模(X1点 及び X2点)

・X1点  業種別の完成工事高
・X2点  自己資本額、利益額

 

  • 技術力(Z点)

・技術職員数、元請完成工事高

 

  • 社会性等

・労働福祉の状況、営業継続の状況、
防災活動への貢献の状況、研究開発の状況、
建設機械の保有状況、法令遵守の状況、
など多数

 

これらを評価し、点数付けをします。

さらに、これらの評価点には比率(ウェイト)があり、

その数字をかけて算出された点数が

最終的な点数=総合評定値(P点)となる訳です。

 

まとめると、
総合的評価であるP点を算出するための計算式は

 

P=0.2(Y)+0.25(X1)+0.15(X2)+0.25(Z)+0.15(W)

となります。

…非常に細かく審査されますね。頭痛がしそうです。

 

では次に、この評価点は「どこで」算出されるのでしょうか。

算出される機関は2つです。

まず、Y点の算出は県や市町村などの行政庁ではなく、

登録経営状況分析機関に申請して行います。(経営状況分析)

次に、X1点、X2点、Z点、W点の算出は許可行政庁に

申請して行います。(経営規模等評価)

 

ちなみに経営規模等評価の申請を行う際に、先に経営状況分析

を済ませておいてその結果通知書を持っていけば、同時に

総合評定値(P点)の請求も行うことができます。

長くなりましたので、その他の事項は次回に

お伝えしたいと思います。

 

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海外在住の外国人が日本で会社設立する際のポイント

奈良県王寺町(大阪梅田からJR大和路線で35分)で開業しています。

特定行政書士&申請取次行政書士の若林かずみです。

今回は、経営管理ビザに関連する記事を書いてみようと思います。

 

「日本人が日本で会社設立する」

これって「大変ですよね~」という印象ではないでしょうか?

 

では「外国人が日本で会社設立する」

こうなるってくると、日本人が日本で起業するどころの騒ぎではなく、

「めちゃめちゃ大変やろな~」と感じます。( ゚Д゚)

自分が外国へ行って起業することを想像すれば分かりますよね。その大変さ。

 

ただ、外国人と一口に言っても、色々な立場の人がいます。

留学ビザや就労ビザ、家族滞在などで既に日本に住んでいる外国人であれば、

日本に住所もあり、日本の銀行口座もあるでしょうから

会社を設立する手続きは、「外国人だから…」という理由で妙に大変になるということはありません。

 

外国人による会社設立ということで手続きが大変になるのは、

海外に在住する外国人の場合です。

 

では、海外在住の外国人が日本で会社を設立する場合、

まず、最初にすべきなのは

 

①事務所、店舗などの物件の確保です。

 

お目当ての物件を押さえて、さあ、契約!

日本では、不動産賃貸借契約に「実印」を押印し、「印鑑証明書」も必要となりますよね。

ここで、海外在住の外国人は壁にぶち当たります。

印鑑証明書は日本に住所がないと取得できませんし、海外在住の外国人の身分を証明するものとしてはパスポートぐらいしかありません。

そうなると、物件を確保できず…会社も設立できない…

これでは困ります。ここで必要となるのは、

 

②協力者の存在です。

 

日本在住の協力者がいれば、その人が海外在住の外国人に代わって物件の賃貸借契約を締結します。

とはいえ、まだ設立していない会社名義で物件を契約することはできませんので、ひとまず、協力者の個人名義で物件の賃貸借契約を締結してもらいます。

その際に、注意していただきたいのは、

「ひとまず、個人名義で契約するが、会社が成立したら、すぐに法人名義に変更したい」

という旨を不動産の貸主に必ず伝えた上で了承をもらっておくことです。

そうしておかないと、名義変更のために追加料金を取られることもありますので気を付けて下さい。

 

物件の確保ができたとして、次に重要なのが

 

③資本金です。

 

そこで、資本金を払い込むための日本の銀行口座が必要となります。

 

現在は海外在住の外国人であったとしても、過去、日本の在留資格があった時に日本の銀行の個人口座を作っており、それが現在も存在するのであれば、その口座を使って資本金の払い込みをすることができます。

他方、日本の銀行口座を持っていない場合は、先程述べた協力者が日本の銀行に個人口座(協力者名義)を開設して、その口座に資本金を振り込むという形になります。

 

このように、協力者は、物件取得や銀行口座開設など重要な役割を果たすため、

一時的に役員という立場になりますが、海外在住の外国人が正規の経営管理ビザを取得し、日本に入国した後には、役員を辞めるということになります。

 

ここで、資本金としては、いくら必要かというと…

 

資本金としては、500万円以上必要となります。

 

例えば、海外在住の外国人Aと日本在住日本人の協力者Bで会社を設立する場合、Aが400万円しかないので、残り100万円をBが用意して…というのはダメです。

外国人一人で500万円以上用意しないと、経営管理ビザは取得できません。

 

以上が、海外在住の外国人が日本で会社を設立する場合のポイントになります。

あくまでも「ポイント」です。

事務所一つとったとしても、どんな物件ならオッケーで、こんな物件はNGですよ…とか色々とあります。

 

海外在住の外国人の方が日本で会社を設立するというのは人生の一大事。

お金も時間もかかっています。

確実に会社設立し、経営管理ビザを取得して、日本に入国するためには、

ビザを専門にする申請取次行政書士にご相談下さい。

 

 (やわらぎ)行政書士事務所 

  特定行政書士・申請取次行政書士・AFP・法務博士     若林 かずみ

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遺言書③ ~遺留分について考える~

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

さて今回は、”遺留分(いりゅうぶん)”についてお話ししたいと思います。

亡くなられた方がもしも遺言書を作成していなかった場合、相続をすることになった人(相続人)は、亡くなった方(相続される側なので被相続人と言います)の財産から、法定相続分の財産をそれぞれ相続する権利を持つことになります。(法定相続分に関しては『相続⑥』をご覧ください)

しかし遺言書で財産の分け方を指定すれば、被相続人の意思が尊重され、法定相続分とは違う割合で分けることができます。

ですがもしも被相続人が『全財産を愛人の○○○○に譲る』という内容の遺言書を遺して亡くなられ、この遺言の通りに財産の処分が行われたとしたら、後に遺された家族の生活がおびやかされてしまう可能性があります。そこで民法では、相続人が一定の割合の相続財産を”遺留分”として確保できることと定めています。

ではどれだけの割合が遺留分となるのでしょうか。

まず相続財産(※)の2分の1が遺留分全体の額となります。(ただし相続人が直系尊属(父母または祖父母)のみである場合は3分の1。また相続人のうち、被相続人の兄弟姉妹には遺留分はありません。)

その遺留分全体に、各相続人の法定相続分の率をかけたものがそれぞれの相続人の遺留分となります。

それでは私の場合を例に考えてみます。

私の家族は父と母と弟で、祖父母はすでに他界しています。また、父は飲食店を経営しています。
財産は、店舗兼住宅の土地と建物、店舗の設備等をあわせて1500万円、現金資産が300万円の合計1800万円とします。
父が亡くなった場合の相続人は母・弟・私の三人です。

もしも遺言書を書かずに父が他界した場合には、法定相続分通りの

母 900万円(2分の1)
弟 450万円(4分の1)
私 450万円(4分の1)

という財産をそれぞれ取得する権利が発生します。

しかしもし私が、父の事業を引き継ぐことになった場合、店舗物件は私が相続しなければ事業を続けられません。

ここで現金資産が豊富にあれば、母と弟で分け合ってもらえるのですが、現金資産は300万円しかありませんので、母と弟には私から足りない分の現金を支払うという『代償分割』をすることなどが考えられます。

代償金の額は、

900万円(母)+450万円(弟)=1350万円

となり、

1350万円一300万円(現金資産)=1050万円

で、1050万円が不足しています。これはポンと出せるような金額ではありません。

父の事業をスムーズに引き継いでいくためには、例えば受取人を私とした死亡保険金1000万円の生命保険に父に入っておいてもらい、その補填に当てるなどの事前対策も必要でしょう。

また事前対策という点では、遺言書も非常に有効です。

遺言書であれば、店舗物件を私に、母に現金200万円、弟に現金100万円をそれぞれ相続させるという指定をすることもできます。
ただここで問題になってくるのが遺留分です。遺言書で指定された財産の取り分が遺留分より少ない額だった場合、各相続人は遺留分を請求する権利『遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)』を行使することができます。

この例では、財産の2分の1の900万円が遺留分全体の額となり、それに法定相続分の率をかけた

母 450万円
弟 225万円
私 225万円

がそれぞれの遺留分となります。

この場合不足額は、

450万円(母)+225万円(弟)一300万円(現金資産)=375万円

となります。

ちなみに遺留分減殺請求権を行使するかどうかは相続人の自由です。

ですが不足分の手当てについては、やはり事前に考えておかないといけません。

このように遺言書で相続財産の分け方を指定する場合には、各相続人の遺留分以上をそれぞれに確保させることを考えなければ、後々争いを引き起こすことにもなりかねず、せっかく作った遺言書もムダになってしまう可能性があります。

相続対策のために必要なのは、まず相続についての正しい知識を持つこと、そして家族でよく話し合っておくことです。

相続について何か気にかかることがありましたら当事務所までお気軽にご相談ください。

(※)遺留分の場合、相続開始前の1年間に贈与された財産も含めて計算する

 

行政書士 奥本雅史事務所

http://okumoto.tribute-mj.net

 

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平成29年度補正予算事業「小規模事業者持続化補助金」の採択結果について~奈良の行政書士より~

奈良県行政書士

こんにちは、奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所の木村友紀です。

皆様いかがおすごしでしょうか?最近は、日本でも40度を超える暑さになっているようで、熱中症対策には十分気を付けなければいけませんね。

 

さて、今回は標題の通りですが、平成29年度補正予算事業である「小規模事業者持続化補助金」の採択結果が出ましたので、こちらでも少しだけコメントをさせて頂きたいと思います。ミニレポートちっくな出来になっておりますが、

  • 補助金について興味のある方
  • 小規模事業者持続化補助金について知りたい方
  • 小規模事業者持続化補助金に申込んだけれど採択されなかった方

など是非最後までお読みください!

 

ちなみに、平成29年度における小規模事業者持続化補助金については以下のコラムで解説していましたので、概要についてはこちらをご覧ください。

平成30年における小規模事業者持続化補助金の用途について~奈良の行政書士より~

平成29年度小規模事業者持続化補助金の採択結果とは?


2018年の申請数は、約3万件あり、全国における採択結果は、約2万件ということでした。去年のデータについては比較していませんので、何とも言えませんが、約3分の2が採択されているということで、なかなか良い結果ではないでしょうか。

全体の申請数でみると3万件が申請されているということは、絶対数として考えても多くの事業者様が小規模事業者持続化補助金について、関心があるということを意味していると言えそうです。高い確率で資金が獲得できるのであれば挑戦する価値はありそうですね。

採択事業名称について


さて、小規模事業者持続化補助金に申請する際には、実施する事業の名称を分かりやすくネーミングする必要があるのですが、今回は採択された実際の事業名称についていくつか気になるものを見ていきたいと思います。

海外観光客向けメニュー開発及びメニュー多言語化による販売促進

混載採択されたものの中には、「販売促進」を目的とした事業がいくつもありました。実際に中小企業庁が公表している募集要項の中でも、「広告宣伝」は事業の対象とされています。

また、「海外観光客」ということで、「海外」というキーワードを使用していることもポイントの一つといえるでしょう。というのも、本年度の補助金採択のポイントの一つとして、「海外展開」については、国の政策としても後押ししていまして、このような海外展開を促進する事業には、補助金採択がされやすいものと考えられます。

遠方の年配のお客様に料理を提供する為のデリバリー可能性拡大

さて、こちらも興味深いのですが、中小企業庁の募集要項の中には、買い物弱者を救済する、若しくは援助するような事業についても平成29年度は重要視されるとなっています。

詳しい内容については、わかりかねますが、遠くに住む年配の方に対して、料理を提供し、年配の方がわざわざ足を運ばなくてもサービスを受けられるという特徴が評価されたとみることが出来そうです。

インターネット広告を使った認知向上・販路開拓

すみません、こちらは個人的な興味のあったものを取り上げておりますが、某行政書士事務所様の事業です。ふむふむ。同業の方の動向はやはり気になりますね。

まとめ


いかがでしたでしょうか?補助金の採択結果を見てみると、ある程度どのような傾向があるのかは理解できそうですね。効率的に資金運用してみたいと考えている方は、是非次回の補助金申請についてご検討してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、当事務所でも随時補助金のご相談は受け付けておりますのでお気軽にご相談くださいませ。

 

ちなみに、補助金の申請については、以前に執筆致しました以下の記事において詳しく解説していますので、補助金の申請についてご興味のある方は是非お読み頂けますと幸いです。

確認しよう!奈良県で行政書士に補助金を依頼するなら?~奈良の行政書士より~

以上の点につきまして、何かご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。

奈良県の行政書士

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事務所名 行政書士ユウ法務事務所
所在地 【〒630-8131 奈良県奈良市大森町43-2 ホワイトパレス21 401号】
電話番号 【050-3698-1344】
FAX  【0742-90-1344】
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URL  【http://gyouhoum.com/】
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任意後見契約の手続きについて~その2~

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

 

前回のコラムで、任意後見契約の手続きについて

  • 受任者を決める
  • 授与する代理権の内容を決める

この2点をお伝えしました。

 

今回は、その次の段階を見ていきましょう。

 

 

任意後見契約に必要な書類を準備する

 

受任者(頼む相手)と、授与する代理権の内容(代わりにやってもらうことの内容)が決まったら、必要書類をそろえます。

 

任意後見契約を結ぶには、次のような書類が必要となります。

  • 本人の印鑑登録証明書
  • 本人の戸籍謄本
  • 本人の住民票
  • 任意後見人になる人の印鑑登録証明書
  • 任意後見人になる人の住民票

 

なお、印鑑登録証明書は発行後3か月以内のものに限りますのでご注意ください。

 

 

任意後見契約書案の作成

 

任意後見契約は、必ず公正証書で結ぶ必要があります。

公正証書とは、公証役場の公証人が作成する証書です。公正証書によらない任意後見契約は無効になります。

 

公正証書により契約が結ばれるまでには、まず最初に委任者である本人と受任者との間で任意後見契約書案を作成します。受任者は本人の意思を十分に確認しながら、その意思にかなう案を作成します。

 

そして、契約形態を決めます。

契約形態は、以前のコラムでも紹介した「将来型」「移行型」「即効型」があり、本人との面談を通じて本人の判断能力や生活実態、希望など見極めたうえで適当な契約形態を選びます。

 

また、代理権の範囲を明確に定めるため、授与する代理権の内容を代理権目録として作成し任意後見契約書に別紙として添付します。

 

 

任意後見契約公正証書の作成

 

本人と受任者の間で作成した任意後見契約書案をもとに、公証人と相談して契約書の文案を完成させ、契約内容を確定します。そして、契約書の文案が完成したら本人と受任者がそろって公証役場へ出向き、「任意後見契約公正証書」を公証人に作成してもらいます。

 

任意後見契約公正証書を作成するにあたって、本人の判断能力と契約を結ぶ意思を確認するため、公証人は原則として本人と面接するものとされています。もし、判断能力に疑いがある場合は、医師の診断書等を求められる場合があります。

 

公証人との相談や任意後見契約公正証書作成の日程については、お近くの公証役場へ電話で問い合わせのうえ、事前に予約を取りましょう。任意後見契約公正証書の作成時は本人、受任者とも実印を忘れずに持参してください。

 

なお、本人が病気やケガで入院中、または高齢などの理由で公証役場に出向けない場合は、公証人に自宅や病院または入所施設などに出向いてもらって作成することも可能です。

 

 

任意後見契約公正証書作成費用

 

公正証書作成に要する費用は、以下のとおりです。

 

  • 公証役場の手数料・・・・・・・・・1万1,000円
  • 法務局に登記するための手数料・・・1,400円
  • 法務局に収める印紙代・・・・・・・2,600円
  • 郵送料金・・・・・・・・・・・・・540円
  • 正本等の作成手数料・・・・・・・・1枚につき250円×枚数

 

任意後見契約公正証書を作成するには、上記の手数料等をもとに計算され、1契約につきおおむね2万円から2万3,000円程度が必要となっています。

 

なお、公証人に自宅や病院等に出向いてもらった場合の手数料は50%加算され、公証人へ支払う日当(1万円。ただし、4時間を超えるときは2万円)と交通費の実費が必要になります。

 

また、任意後見契約と併せて、通常の財産管理委任契約等の委任契約を同時に結ぶ場合はその契約につき上記の①と⑤がさらに必要になります。そして、受任者が複数で、各受任者が権限を単独で行使(各自代理)できる定めがあるときは、受任者の数だけ契約の数が増えることになり、その分だけ費用も増えることになります。ただし、受任者が複数であっても、権限を共同で行使(共同代理)の場合には、1契約として手数料が計算されます。

 

 

以上が任意後見契約の手続きの概要です。

いかがでしょうか。

 

公証役場で任意後見契約公正証書を作成するまでの準備については、専門家に頼むことも可能です。

 

弊所は、必要書類の準備や任意後見契約書案の作成、公証人との打ち合わせなどのサポートができます。ぜひ、気軽にご相談ください。

 

次回は、任意後見とともに、やっておきたい備えについてご紹介したいと思います。

 

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経営事項審査とは

こんにちは。

奈良県で開業している行政書士の武村です。

今日からは、経営事項審査(以下、経審)についてお伝え致します。

 

経営事項審査とは、建設業者の施工能力、財務の健全性、技術力等を判断するための資料として、その企業の完成工事高、財務状況、技術者数などの項目(客観的事項)を総合的に評価するものです。公共工事を国、地方公共団体から直接請け負う(元請)建設業者は、経営事項審査を必ず受ける必要があります。

~大阪府手引きより抜粋~

その通りなのですがこの辺がホントにややこしく、経審という
ものを受ければすぐ公共工事に参加できるワケではありません
し、実は経審自体誰でも受けれるワケでもないのです。

以前のコラムでもお伝えしましたが、公共工事の入札に参加する
には、「入札参加資格審査申請書(指名願い)」を各官庁に提出す
る必要があります。

ただ、この指名願いを提出するには「経営事項審査」を受ける
必要があり、そしてその経営事項審査を受けるにはさらに...
という具合にいくつもの手順を踏まなければならず、考えるだけ
で頭がこんがらがってきます。

そんなワケで、その手順や意味を私なりに少しでも分かりやすく
お伝えできればと思います

 

公共工事を受注しようと思ったら、まず第1に建設業許可を取得していなければなりません。

それはなぜか?

以前何回かに分けてお伝えしましたが建設業許可を取得しようと思うと常勤の技術者の経験や資金調達の能力、欠格要件に該当していない、などいくつかのハードルをクリアしなければなりません。

つまり、建設業許可を取得していることによって、建設業者として一定以上の水準を保っている、と見ることも出来るワケです。

建設工事には高い安全性が求められるため、公共工事を発注する国や地方公共団体からすると「誰が工事してもよい」というワケにはいきません。

ですので、建設業許可を取得している事業者に限ることによって能力を担保しているのです。

 

では建設業許可を取得している企業は、なぜさらに経審を受け
なければならないのでしょうか?

公共工事と一口に言っても、本当に様々な規模の工事があります。

発注者である国や地方公共団体からすると「工事を発注しようとしている企業に、その規模の工事を施工するだけの能力があるか」を見定める必要があります。

それを見分けるために、公共工事の場合は各企業(個人事業主も含む)を点数によりランク付けし、そのランクに応じた工事を受注してもらうというシステムを採用しています。

このランク付けのための点数を取得する方法が「経営事項審査」である、と考えていただくと分かりやすいかと思います。

 

なんだか説明が長くなってしまいました。

次回以降、もう少し掘り下げていきます。

 

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