入管は偏見の塊・国際結婚その1

奈良県王寺町で開業しています。

特定行政書士&申請取次行政書士の若林かずみです。

今回からは、外国関連のコラムを書いていこうと思っています。

 

1.はじめに

 

私が学生時代を過ごした京都は、昔から比較的外国人の多い街でした。

一方で、奈良県は…というと、観光地の割に、そんなに外国人を見かけないな~という印象でしたが…、

最近は、奈良も、外国からいらしてる方もなんだか多いですよね。

世界遺産の春日大社に参拝に行くと、

「ここは、中国ですか?」と思うぐらい中国語が飛び交っているときもあります。

変われば変わるものです。

 

そして、

今後は、観光客以外に、

外国人の技能実習生(※)と言われる人が増えることも予想されます。

 


※外国人技能実習制度とは、どのようなものかといいますと…。

 

これは法務省と厚生労働省が両方で管轄している制度で、両省の説明によると、以下のようなものということになりますが、

簡単に言うと、外国人が日本に来て、日本で技能を学び習得して、自国へ帰り、その技能を自国で活かしていくための制度ということになります。

 

『技能実習制度は、開発途上地域等への技能等の移転を図り、その経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とする制度として、我が国の国際貢献において重要な役割を果たしています。技能実習法は、技能実習に関し、技能実習計画の認定及び監理団体の許可の制度を設け、これらに関する事務を行う外国人技能実習機構を設けること等により、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るものです。技能実習法は、平成28年11月28日に公布されました。』(厚生労働省HP:「パンフレット・技能実習法が成立しました!」

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000167113_5.pdf

 

ただし、どのような職種であっても外国人の技能実習が認められているというわけではなく、一定の職種に制限されています。そして、その対象職種として、昨年、介護職種が追加されました。

これにより、今後、介護職種での外国人技能実習生の増加が予想されています。

 


 

技能実習生に関して、次のようなホットなニュースがあります(^^♪。

 

 

先日、平成30年7月1日、介護職種では初の外国人技能実習生となる中国人女性2人が、中国大連から福岡に到着しました。今後、5年間に亘って、宮崎県内の施設で勤務する予定となっています。今回の受け入れを端緒として、今後、全国各地での実習生の受け入れが続くことが予想されています。

 

こうして、今後、外国人の入国が増えることが予想されます。それによって増えるものの一つに「国際結婚」が考えられます。

どこに行っても、男と女。

ですよね~。(^_-)-☆

 

では、次に、国際結婚の手続きについて簡単に説明します。

 

2.国際結婚の手続き

 

さて、国際結婚となりますと、日本人同士が結婚する場合のように

市区町村役場でサクッと手続きが終わるわけではありません。

 

国際結婚の手続きには、2つの側面があります。

①    結婚する二人の国別に行う「婚姻手続」

②    外国人配偶者が日本で滞在するための資格である「在留資格(ビザ)」を取得する手続

 

①    ②ですが、それぞれ、手続きをする役所が異なります。

 

①    は、主に、市区町村役場、法務局、大使館・領事館。

②    は、入国管理局、大使館・領事館。

 

このように役所の管轄が異なることから、①で婚姻手続きがオッケーとなっても、②がオッケーとなるとは限らず…。

仮に婚姻が有効に成立したとしても、適法に在留資格を取得できなければ、婚姻をした二人が日本に住むことはできないという事態も生じかねないのです。

 

婚姻手続きについては、自分自身で行って、在留資格の申請のみ行政書士に依頼するという方も多いのですが、

婚姻手続きは国によって異なり、自分で書類を揃えた!と思っていても、改正などもあって書類不備ということも起こりかねません…。

ですので、ご自身で婚姻手続きをされる場合には、

相手の国の日本大使館・領事館や市区町村役場に確認しながら進めるようにして下さい。

 

3.配偶者ビザについて

 

配偶者ビザとは、上記の国際結婚の手続の2つ目、外国人配偶者が日本で滞在するための資格である「在留資格(ビザ)」のことです。

 

配偶者ビザの申請では、二人の出会いから交際の経緯まで、全て聞かれると思ってください。とはいえ、それを面接されるのではなく、あくまで「書面」審査。

あくまでも書面で証明できていることが必要なんです。

つまり、正真正銘、交際している二人でも、書面上、「これ、偽装結婚じゃないの?」と疑われるような記載があれば、申請は許可されないことがあります。

最近の偽装結婚増加により、審査が厳しくなっていますので、きっちりと書面を揃えることが必要となります。入管は偏見の塊。疑われていると考えて対応するぐらいで丁度良いと思っておいてください。

 

そういう意味では、やはり、配偶者ビザに関しては、専門家である申請取次行政書士にお任せいただくのが安心です。

 

特に、不許可になりやすいのは、以下の案件です。

〇夫婦の年齢差がかなり大きい場合

〇結婚紹介所のお見合いによる結婚の場合

〇出会い系サイトで知り合った場合

〇日本人の配偶者側の収入が低い場合(アルバイト・フリーター・無職など)

〇日本人の配偶者側に過去外国人との離婚歴が複数ある場合、又はその逆のパターンの場合

〇出会いがスナック、キャバクラなどの水商売のお店の場合

〇交際期間がかなり短い場合

〇交際期間を証明できる写真をほとんど撮ってきていなかったので写真がほとんどない場合

〇結婚式を行っていない場合

(引用元;「必ず取れる 日本人の配偶者ビザ!国際結婚手続きガイド」83頁、小島健太郎著・セルバ出版)

 

上記のように不許可になりやすい場合は、特に専門家である申請取次行政書士にお任せ下さい。

 

4.出会いから何回目の結婚なら正真正銘のカップルなの??

 

上記の「不許可になりやすい案件」の中に、「交際期間がかなり短い場合」というのがあります。

これが絶対…とか、そういうことはないのですが…。

やはり、実際に会って2回目で結婚というのは、基本的に申請は許可されないと思っていただいていいと思います。

そういう場合は、あと1回なり、数回、会ったという実績を作ってもらってから申請するという形にしていただいた方が良いかと思います。

 

会って2回目でも、「偽装じゃないんです!愛し合って結婚するんです!」

そりゃ、そういう方もいるでしょう。

でも、「入管は偏見の塊」なんです。基本的に疑われている。色眼鏡で見られている。

そう考えて対応してください。

だから、疑われないだけの書面上の実績が必要となるのです。

 

5.終わりに

 

国際結婚の案件に数件あたっていると、

SNSでの出会いでの結婚って、結構あるんだな~と、

そして、昭和人間の私からすると、

「結婚までに2~3回しか会ってないなんて、あり得ない!そら、怪しすぎるやろ~」というのが正直なところでした。

 

ところが…。

最近、知り合った30代男性。

昨年、20代の女性と結婚されたとのこと。

馴れ初めを伺うと…、

な、な、なんと!SNSでの出会い。そして、会う前にSNS上でのプロポーズ!

そして、初めて会ったときには、結婚を決めた…。。。。。

 

時代は平成。いやいや、平成も来年で終わり。

さらに時代は進んでるんだ…と思った昭和な私でした…。(^^♪

 

和(やわらぎ)行政書士事務所

特定行政書士・申請取次行政書士・AFP・法務博士

若林 かずみ

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遺言書② 〜遺言書を書いたほうがいい人?~

こんにちは、なら100年会館と同じ奈良市三条宮前町にあります行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

今回は、『こういう方は、できるだけ早めに遺言書を書いておいたほうが良い』という3つのパターンについてお話しをいたします。

さて、そもそも遺言とはなんのためにするものでしょうか?

遺言は、自分が亡くなった後の自分の財産の処分の仕方を自分で決めるためにするものです。

(これ以外にも遺言で出来ることはあるのですが、それについてはまた機会を改めて。)

もしも亡くなった方が遺言書を書いていなかった場合には、相続人全員によって遺産分割協議が行われ、話し合いによって財産の分け方が決められますので、亡くなった方が分け方を決めることは出来ません。

しかし、遺言書を遺していれば、亡くなった方のご意思は尊重され、分け方を指定することができます。遺言書はこのように強い効力を持つため民法という法律で細かく方式が定められており、法に則って作成されていない遺言書は無効となってしまいます。

それではこれらを踏まえた上で、できるだけ早めに遺言書を書いておいた方が良い3つのパターンをご紹介しましょう。

①相続人の関係が複雑になりそうな方(子どもがいて離婚した後に再婚をされている方、または認知した子どもや養子縁組した子どもがいる方など)

②法定相続分ではない割合で財産を分けたい方(家業を継いでくれる長男に全財産を相続させたい、主な財産が自宅しかなくそれを特定の子どもに譲りたい場合など)

③相続人以外に財産を譲りたい方(自分の世話をしてくれた甥や姪や孫・内縁の妻などに財産を譲りたい、団体等へ寄付をしたい場合など)

まず①についてです。配偶者は常に相続人となりますが、離婚した場合は当然相続人にはなりません。一方、子どもはたとえ離婚した場合でも相続人となる権利があります。これは認知した子どもや養子として迎えた子どもでも同じです。また養子に出した場合は、相続人としての権利は失いません。(※ただし特別養子縁組の場合は相続人とはなりません。)
親子の関係は生涯続くということです。

離婚しただけならばそれほど複雑では無いのですが、再婚した際、もし新しい配偶者にも離婚歴がありなおかつ別れた相手が引き取っている子どもがいる場合などには、相続時にそれまで会ったこともない者同士で遺産分割についての話し合いをしなければならない、ということが起こり得ます。
遺言で自分の意思を示しておく事で、揉め事を回避出来る可能性もあります。

つぎに②ですが、先ほどもお話しした通り、遺言書が無ければ遺産分割協議によって財産は分けられます。
例のように家業を継いでくれる長男に全財産を相続させたい場合などは遺言書にその旨を記載することで遺産分割協議を行うことなく財産を承継することができます。
ただし、他の子ども達との間に不公平感が生まれることで揉めることも考えられます。こういう場合のために、遺言書にはご自分の思いを記載することもできます。(付言事項(ふげんじこう)と言います。これはまた別の回で。)

また財産が現金などのように簡単に分けられる物である場合は良いのですが、現金資産があまり無く自宅などの不動産しか無いという場合は分けるのが難しくなります。そこで例えば子どものうちの1人に自宅を相続させたい場合など、法定相続分とは違う割合で分けたいというケースも遺言書が必要です。

最後に③のように、相続人では無い方、例えば甥や姪や孫などに財産を譲りたい場合も、遺言書の無い一般的な相続手続きでは成し得ません。内縁の妻のように入籍していない配偶者も通常相続人にはなれないため、財産を譲るには遺言書があることが望ましいです。
また、慈善団体や財団等へ寄付をしたい場合なども、遺言書に記載しておけばご自分の意思通りに財産の使い道を決めることができます。

このようなパターンに当てはまる方はぜひ遺言書を書かれることをお勧めいたします。

ここまで説明を聞いて「ああ、そうか。遺言書に書いておけば財産を思い通りに分けることが出来るのか。」と思われたかもしれませんが、各相続人には『遺留分』というものがあります。

次回はこの遺留分についてお話しをします。

 

行政書士 奥本雅史事務所

http://okumoto.tribute-mj.net

 

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「認可地縁団体」(特殊な組織の形態)を作る方法とは?~奈良の行政書士より~

奈良県行政書士

奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所の木村友紀です。

さて、この原稿を書いています現在、大阪府で強い震度の地震が発生しまして、私の事務所はJR奈良駅近くにあるのですが、なんと電車が止まってしまい、その日に復旧見込みがないと電光掲示板に言われまして、仕方なく家で仕事をしておりました。幸い、行政書士の業務は、パソコン一つあれば、ほとんどのことが出来ますので、何とかその日にやらなければならない最低限の仕事を終わらすことが出来たので、一安心しました。最近地震が多いですので、気を付けないといけないなと改めて感じさせられました。

認可地縁団体とは?

起業支援

さて、少し余談が入ってしまいましたが、今回は少し面白い内容を扱います。認可地縁団体という少し特殊な組織についてですが、この「認可地縁団体」という変な名称の組織形態を聞いたことはございますでしょうか?

実は、私は奈良県行政書士会の広報部に所属しておりまして、毎月広報誌を発行させていただいております。

私のプロフィールにつきましては、こちらからご確認頂くことが出来ます。

プロフィール画面へと

その広報誌をこのコラムの執筆者でもある奥本先生と一緒に「ユキマサくんの行政書士見習い日記」というコラムを書いているのですが、今回のテーマは法人関係を扱おうかということになっています。

行政書士が絡む法人関係の手続きとしては、書類作成のための組織関係の構成のコンサルティングや資金調達のアドバイスを行ったりして、会社の実体手続きについての業務の代行手続きがあります。一方で、実体とは別の手続き面でのサポートは、司法書士と連携して会社設立の業務を完成させることになります。これが、一般的な法人関係の手続きの概要です。

ところが、登記が要らない手続きの場合には、行政書士のみで業務を完結することが出来ます。その登記の要らない組織形態が「認可地縁団体」と呼ばれるものです。今回のテーマは、この広報誌に絡めて、「認可地縁団体」という組織の種類に関連するものを取り扱わせていただいたというわけです。

認可地縁団体を設立する目的は?

行政書士起業支援

さて、認可地縁団体は登記が要らない組織であることはご理解いただけたかもしれませんが、それでは一体認可地縁団体はどのような目的で創設されるのでしょうか?

一番の目的は、不動産の名義を獲得するためであるといわれています。これについて書くと少し長くなってしまいますので、簡単に申し上げますとある団体における組織の構成員たる自然人が財産を所有する方法として、共有・合有・総有など様々な場合が考えられます。

これを例えば、組織が使用するボールペンや消しゴムなどの軽微なものであれば、問題ないのですが(ちなみに、法律上これらのものは「動産」と呼ばれます)、土地・建物などの不動産であれば、所有者を明らかにするために登記がされることになっています。

ところで、地域の自治組織である地縁団体は、株式会社などの典型的な法人には当たらないため、登記はされません。しかしながら、不動産の財産の所有者として、組織の各構成員ではなく、組織名義での所有者を主張するために認可済みの地縁団体であることを認めてもらわなければいけません。

これを認めさせることが、認可地縁団体設立の主な目的の一つです。なお、不動産名義と所有者との関係は少しややこしいので機会がありましたら、別途詳しく解説させて頂きます。

認可地縁団体の申請先とは?

行政書士に相談

さて、業務の依頼を司法書士に依頼しないのであれば、申請先は法務局ではないのでしょうか?実は、認可地縁団体の申請先は管轄の市区町村となります。

認可地縁団体の設立手続きについては、総務省のホームページよりガイドラインが公表されていますので、そちらをご確認頂くこともできます。

主なポイントとしましては、以下の通りでしょうか。

  1. 構成員要件
  2. 総会などの合議体要件
  3. 活動内容の適法性要件

認可地縁団体については、なかなか手引き等が出回っていないため、担当者と打ち合わせの上、必要書類を揃えていくことになります。

細かい書類作成に慣れていない場合など複雑なケースだと行政書士等の専門家に依頼された方がスムーズにいく場合も少なくありません。

もし認可地縁団体を作るべきかお悩みであれば、お近くの行政書士に相談してみてはいかがでしょうか?

最後に・・・

ちなみに、本記事に関連した私と奥本先生のコラムにご興味を持って頂いた方は、奈良県行政書士会のホームページより、行政書士ではない一般の方でもご覧いただけますので、よろしければ平成30年9月頃に確認してみてください(過去のものであれば、2018年1月号より連載しておりますのでご覧頂けます)。

奈良県行政書士会広報誌掲載ページへ

以上の点につきまして、何かご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。

奈良県の行政書士

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事務所名 行政書士ユウ法務事務所
所在地 【〒630-8131 奈良県奈良市大森町43-2 ホワイトパレス21 401号】
電話番号 【050-3698-1344】
FAX  【0742-90-1344】
営業時間 【9:30~18:30】
定休日 【土日祝】
E-mail 【info@gyouhoum.com】
URL  【http://gyouhoum.com/】
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任意後見契約の手続きについて

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

今回は、任意後見制度の手続きについて見ていきましょう。

 

任意後見契約を締結するためには、まずは次の2点を決める必要があります。

 

  • 受任者を決める

つまり、判断能力が低下したときに自分に代わって必要な契約等を締結してくれる人を決めます。

 

任意後見契約において、どのような人を受任者(任意後見人)に選任するかは、本人(委任者)の自由な選択に委ねられています。

 

誰に任意後見人を頼むかということはとても大きな問題です。弁護士、司法書士、行政書士、社会福祉士等の専門家でなくても、親族やその他の第三者でも構いません。

 

任意後見人になるために、法律上、特に資格を有することなどは求められていませんが、未成年者、破産して復権していない人、成年後見人等を解任された人、本人に対して訴訟を提起したことがある人(その配偶者又は親子)は不適格者として任意後見人になれません。

 

また、不正な行為や著しい不行跡のある者、その他任意後見人の任務に適しない事由のある人(例えば金銭にルーズな人)なども、任意後見人としてふさわしくないとされています。

 

任意後見人には、判断能力が低下したときの財産管理や介護の手配などを全面的に委ねることになります。そして、任意後見開始後の生活を任せることになりますので、信頼できる人を見つけることが何より大切です。

 

一般的には、報酬の問題もあるため、本人の親族、友人・知人が任意後見人になることも多いです。

 

親族に頼む場合は、任意後見制度をよく理解してもらうことが重要です。

 

そして、同年代の人に頼むと、どちらが先に認知症等によって判断能力が低下するかわかりませんから、できれば年齢は自分より若い人の方がよいでしょう。

 

いずれにしても、代理権を悪用、濫用されることがないような信頼できる人を慎重に選ぶ必要があります。適当な人がいない場合は、弁護士会、司法書士会、行政書士会、社会福祉士会、社会福祉協議会などの専門団体でも相談に応じたり、引き受けてくれます。

 

任意後見人の候補者が見つかったら、その人が自分の思いをかなえてくれる人かを見極めます。できれば、契約前に一緒にエンディングノートを作ったりして、財産や生活のことを相談したり、介護や医療について自分が将来どうしたいかなどの思いを伝えるとともに、相性を確認できれば安心です。

 

また、法人も任意後見人になれます。個人の場合と異なり、担当者のケガや病気、死亡等で後見活動が停滞したり終了することがありません。不測の事態でも法人内の別の担当者に替わって対応してもらえます。さらに、様々な専門知識・技能を持つ人々が得意分野を活かしつつ連携して対応してくれることが法人のメリットです。

 

ただし、本人にしてみれば、担当者が変わる可能性があるという点では不安があるかもしれません。その法人が信頼できる組織か、誰が責任を持つのかなどあらかじめ確認しておくことが必要です。

 

 

  • 授与する代理権の内容を決める

自分に代わってやってもらいたいことは何があるか、どのようなことをやってもらうのかその内容を決めます。

 

任意後見人に与える代理権の内容、すなわち任意後見人が代理することができる事務の内容を決めます。任意後見人(受任者)にどこまでの仕事をしてもらうかは、引き受けてくれる人との話し合いによって自由に決めることができます。

 

本人が任意後見人に委任できる事項は、代理権付与の対象となる財産管理に関する法律行為と、身上監護に関する法律行為などです。

 

以前のコラムでも書きましたが、本人の身の回りのお世話や介護などを直接行うことは後見人の職務ではありません。

 

将来介護をしてほしい人(介護サービス事業者等含む)がいれば、任意後見人が本人の代理人としてその人または介護サービス事業者等と契約することになります。

 

代理権の範囲は、将来を予測して定めなければなりません。そのために、広く包括的に定めた方が、委任漏れがなく、不測の事態にも対応しやすくなるため安心です。

 

しかし一方で、あまりに包括的な代理権の定め方をすると、本人からすると「そこまで依頼するつもりじゃなかった。」「そんなことまで頼んだわけではない。」など不満になる可能性もあります。

 

代理権の範囲は、狭すぎると不自由で、本人の望む生活を実現することが難しくなる可能性がありますし、広すぎても不安が残ります。

 

大切なのは、本人が任意後見契約を締結する際に今後の自分自身の生活設計を明確にすることです。自分の望むことは何であり、こんな場合はこうしてほしいとか、これはしてほしくないなどを明らかにしておくことで任意後見人もその意思に沿って適切な事務を行うことができます。

 

そのために、自分の希望を具体的に明確にするための「ライフプラン」や「安心ノート」と呼ばれるものを使って書面に残し、任意後見人に渡しておくことも有効です。

 

 

弊所では、納得して任意後見契約が締結できるよう、手続きから契約内容のアドバイスまでトータルでサポートさせて頂きます。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

 

次回も任意後見契約の手続きに関するコラムをお届けします。

 

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毎年提出! 決算変更届!

こんにちは。武村直治行政書士事務所の武村です。

今日は「決算変更届」という書類についてお伝えしたいと思います。

前回までのコラムでお伝えした建設業許可を取得した事業所は
「決算変更届」という書類を毎年提出する義務が生じます。

これは税理士が作成する決算報告書を基にして建設業簿記で
書き換えたもので、1年間に行われた工事や財務状況などを
記載して行政官庁に提出するものです。

以下、もう少し詳しく解説致します。

■決算変更届について

①提出期限
→毎年、事業年度終了から4カ月以内に提出です。

②提出場所
→提出先は都道府県ですが、提出場所は
「主たる営業所を管轄する土木事務所」です。

③必要となる書類
・変更届出書
・工事経歴書
・直前3年の工事施工金額
・財務諸表
→貸借対照表、損益計算書、注記表、株主資本等変動計算書など
・納税証明書
→県税事務所で取得できます。
・事業報告書

④注意点 →都道府県により表紙がいらない、控えの提出部数が違う、
控えにも押印すること、など取扱いに多少の違いがありますので、
事前に管轄の土木事務所に確認をしましょう。

以上です。

余談ですが、もしこの決算変更届の提出が遅れるとどうなるので
しょうか?

結論から言いますと、期限に間に合わなくても受け付けてもらえます。

それではもし提出しなかった場合はどうでしょうか?

まず、事業者の方がもし許可業種の追加をしたいと思ってもその
申請を受け付けてもらえません。

そして建設業許可は5年ごとに更新をする必要がありますが、
この更新の際には過去の決算変更届の提出が絶対要件となりますので、
決算変更届を提出していないと建設業許可の更新書類を受け付けて
もらえず結果としてせっかく取得した建設業許可を失うことになります。

ご注意下さい。

最後に、実はこの決算変更届は都道府県庁で第三者が閲覧できるよ
うになっており、信用調査会社などは実際にチェックをしています。
取引先の銀行なども閲覧している可能性が高いと思われますので、
他の書類に比べ比較的軽視(?)されがちなこの決算変更届ですが、
注意して正確なものを期限までに提出するようにしましょう。

 

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「離婚は計画的に⑦。~離婚後の手続(その2)優先順位をつけよう!~」

奈良県王寺町で開業しています。

特定行政書士の若林かずみです。

前回に引き続いて、離婚後の諸手続について書いていきたいと思います。

 

【離婚後の手続きに優先順位をつけよう!】

 

前回は、主に戸籍の手続きについて説明しましたが、離婚後の手続きは、それだけではありません。

離婚後にすべき手続きというのは、嫌になるほど沢山あります。

手当たり次第にやっていると、二度手間になったりすることにもなりかねません。

ですので、離婚後の手続きについては

 

☆優先順位をつける!☆

 

これがポイントです。

 

では、どのような順番で進めていけばいいのでしょうか?

 

まず、①身分証明書として使えるもの(例えば、住民票、運転免許証、パスポート等)を最優先で行いましょう。

 

その次に、②期限などがある各市区町村への手続き(例えば、健康保険、年金、印鑑登録、児童手当、児童扶養手当などの申請等)を行うとよいでしょう。

例えば、離婚して子供を引き取り「ひとり親」となる方のうち、児童扶養手当や児童手当の申請を考えている方は、離婚届を提出するときに、これらの申請も同時に済ませるようにすると良いでしょう。申請が月ごとに受付されますので、申請が翌月になると、前月分が受け取れなくなってしまいますので、できるだけ早めに済ませるようにしましょう。

 

離婚した後は、それまで専業主婦だったという方でも仕事をされることも多いかと思いますので、平日の限られた時間内での手続きが必要なものは優先的に行っておく方がよいと思います。

 

【離婚後の主な手続き】

 

《健康保険・年金の手続き》

 

以下は、とても大まかな場合分けになりますが…

(詳細はFPでもある当事務所にご相談ください)。

 

〇自営業者が離婚した場合

  【結婚当時→健康保険;国民健康保険、年金;第1号被保険者】

   →自分自身が世帯主であった場合、特に種別などの変更は不要。

〇自営業者の配偶者が離婚した場合(自営業者である元配偶者が世帯主とする)

  【結婚当時→健康保険;国民健康保険、年金;第1号被保険者(※)】

   →元配偶者を世帯主とする国民健康保険から、自分を世帯主とする国民健康保険に加入し直すことになります。

   ※この場合、離婚後すぐに就職して会社員となった場合には、健康保険は勤務先の健康保険で、年金は第2号被保険者となります。

〇会社員が離婚した場合

  【結婚当時→健康保険:勤務先の健康保険、年金:第2号被保険者】

   →種別などの変更は不要

〇会社員の配偶者で、専業主婦(夫)が離婚した場合

  【結婚当時→健康保険;健康保険に加入している配偶者の被扶養者、

       年金;第3号被保険者】

   →すぐに就職して会社員となった場合

       健康保険;勤務先の健康保険、年金:第2号被保険者

   →それ以外の場合

       健康保険;国民健康保険、年金;第1号被保険者

   ※手続きの際には、元配偶者の扶養から外れたことを証明するための書類として、元配偶者の勤務先から「資格喪失証明書」又は「扶養削除証明書」を発行してもらってください。

   ※年金については、第3号被保険者でなくなった日から14日以内に手続きする必要があります。この期間内に手続きできず、未納期間が生じた場合には、将来受け取れる年金が少なくなる可能性もありますので、注意してください。ただし、2年以内の未納であれば、遡って納付できます(納付対象月の翌月末日から2年を経過すると時効になり納付できません)。ただし、平成27年10月から平成30年9月までの3年間に限って、過去5年分まで保険料を納めることもできる後納制度があります。

   (参照;日本年金機構HP「国民年金保険料未納期間のお知らせ(その他)」

http://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2018/201802/2018021501.html

 

《保育園や学校の手続き》

 

 未就学児の子供を預ける先としては、幼稚園、保育園、認定こども園、認可保育園、幼保連携型認定こども園などがあります。

 地域によっては、待機児童が多く、すぐに入園・転園ができないこともありますので、早めに確認し、手続きも行いましょう。

 

 小中学校の子供がいる場合、引っ越しの1ケ月前には担任に転校することを連絡し、「在学証明書」と「教科用図書給付証明書」をもらいましょう。その後、引っ越し前の市区町村役場に転出届を出して、転出証明書を発行してもらって下さい。その転出証明書と転入届を引っ越し先の市区町村役場に提出することで、「転入学通知書」を発行してもらえます。これら「在学証明書」「教科用図書給付証明書」「転入学通知書」を指定された学校に提出することで手続きは完了となります。

 

《その他の手続き》

 

その他にも、離婚後に行うべき手続きは沢山あります。

以下のチェックリストを参考にしてみてください。

 

(1)   氏名・住所・本籍地の変更

  <公的な証明書>

    〇住民票の異動届、世帯主変更届→市区町村役場

    〇マイナンバーカード、通知カード→市区町村役場

    〇印鑑登録→市区町村役場

    〇運転免許証→運転免許センター

    〇パスポート→パスポートセンター

  <公共サービス>

    〇水道→水道局

    〇電気→電力会社

    〇ガス→ガス会社

    〇固定電話→電話会社

    〇携帯電話→携帯電話会社

    〇インターネット回線→プロバイダー

    〇定期券→鉄道会社、バス会社

    〇郵便(転送サービス)→郵便局

  <お金、自分名義の財産>

    〇預貯金口座→金融機関、郵便局

    〇有価証券→金融機関、発行会社

    〇保険→保険会社

    〇クレジットカード→カード会社

    〇所有不動産→法務局

    〇借家・賃貸マンション→大家・管理会社

    〇自動車(車検証)→運輸支局

    〇自転車(防犯登録)→自転車販売店

(2)   社会保険

〇健康保険・年金→会社員:勤務先

         自営業・パート・専業主婦(夫);市区町村役場

(3)   財産分与による財産

〇預貯金口座→金融機関、郵便局

〇有価証券→金融機関、発行会社

〇保険→保険会社

〇不動産→法務局

〇自動車(移転登録)→運輸支局

〇会員権→発行会社

(4)   子供関連

〇戸籍の移動→市区町村役場

〇児童手当→市区町村役場

〇児童扶養手当→市区町村役場

〇児童育成手当→市区町村役場

〇転校の手続き→学校

〇保育園・幼稚園→市区町村役場、幼稚園

〇健康保険の被扶養者登録→勤務先

〇子供名義の預貯金口座→金融機関、郵便局

     (引用;「イラストと図解でよくわかる!前向き離婚の教科書」153頁 監修:弁護士 森元みのり 「株式会社 日本文芸社」)

 

【必要な書類を事前に準備しよう!】

 

手続きに必要な書類は、ある程度、事前に準備しておくとよいと思います。

戸籍謄本(当該戸籍に記載された家族全員の原本を証明するもの)又は戸籍抄本(当該戸籍に記載された家族のうちの誰か一人だけなど、戸籍の一部分を抜き出したもの)については、複数枚準備しておくとよいでしょう。

 

また、離婚後の子供の姓の変更や入籍の際に、元配偶者の新しい戸籍謄本が必要となりますが、元配偶者に何度も頼むのは気分的にシンドイ…と思いますので、事前に3通程度まとめて頼んでおくとよいと思います。

 

【元配偶者から個人情報を守ろう】

 

やはり元配偶者が、あなたの個人情報を一番知っています。

もともとは信頼関係があって結婚した人なのに…。

あなたの個人情報を悪用するなんて考えたくもないところだと思います。

ですが、何事も念には念を入れる。

何かトラブルが起こってからでは遅いので、自己管理しましょう。

 

重要なところでは、

〇銀行のキャッシュカードやクレジットカード等の暗証番号を変更する。

〇印鑑を変更する。

 

上記の変更は早急にしておきましょう。

これらの変更を放置しておくと、元配偶者と子供の面会の時に、通帳と印鑑を持ち出されて現金を引き出されてしまった!”(-“”-)”

などというトラブルを避けることができます。

 

離婚をした以上、元配偶者とは他人。

用心に越したことはありません。

 

【終わりに】

 

離婚は、離婚するまでも離婚した後も本当に色々と大変です。

色々と悩むことも多いかと思いますので、何かあれば、気楽にご相談ください。

これで、いったん、離婚についてのコラムは終了とさせていただきたいと思います。

次回からは、違った内容のコラムを書いていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。

 

 和(やわらぎ)行政書士事務所 

           特定行政書士 AFP 法務博士  若林 かずみ

 

参考文献①「これだけは知っておきたい 離婚のための準備と手続き」監修:弁護士 鈴木幸子/柳沢里美 「新星出版社」

参考文献②「イラストと図解でよくわかる!前向き離婚の教科書」 監修:弁護士 森元みのり 「株式会社 日本文芸社」

 

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〜遺言書① 今さら聞けない遺言書〜

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

今回からは、遺言書についてお話しをしていきたいと思います。

「遺言書」と聞くと、みなさんはどんなイメージを思い浮かべられますか?

「死ぬ前に書くもの」
「自分が死んだあと遺される家族に宛てて書くもの」
「自分の思いを書き残すもの」
「財産の分け方について書いておくもの」

こんなところでしょうか?
たしかに、このどれもが間違いではありません。

ですが、もう少し詳しく知っていくと、遺言書が誰にとっても必要なもので、いかに大切なものかが分かっていただけると思います。

 

さて、「誰にとっても必要」と書きましたが、本当に自分にも必要なのかな、と疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。

でも『人間、必ずいつかは死ぬ』ということが変えられない以上、誰にでも必要性はあると言えます。

実際のデータで見てみましょう。日本公証人連合会が発表している遺言公正証書の1年間の作成件数の数字を見ると、年々増加の一途を辿っていることが分かります。
10年前の平成20年には年間76,436件だったものが、平成29年には110,191件と約1.5倍にまで増えています。

そして、相続に関する法律においても、遺言書の重要性はさらに増していく方向で改正の議論が進んでいるため、今後もますます作成件数は増えていくものと思われます。
『遺言書は一人に一つずつ』という時代がいずれ訪れるかもしれません。

 

また、遺言書が必要なのはわかっているけど「自分には、まだまだ早いだろう」と思っている方もおられるでしょう。
では遺言書を作成する時期、というのはいつがいいのでしょう。

遺言書は15歳から作成することができます。
そして当然、生きている間にしか作成できません。
つまり遺言書を作成できる期間は、15歳から亡くなるまでの間ということになります。

ちなみに私は今46歳ですが、もちろん遺言書を作っています。
人間、明日どうなっているかは分からないですから、備えは大切です。

とは言え、いざ遺言書となると、なかなか書くきっかけが分からないかとも思います。
これは遺言書を書く最も一般的な理由であろう「財産の分け方について」記す場合ですが、一つの目安として「自分の財産が概ね確定した時」に書くのが良いと思います。

例えば、定年退職をしたタイミング。退職金で住宅ローンもなども完済し、自分の財産がもうあまり大きく変動することがないからです。

あまり若いうちに作成しても、今後どれだけ財産が増減するかが不確定ですし、状況が変化する幅も大きく遺言書の内容が実際の状況と合わなくなるかもしれません。

私個人のケースで考えてみると、まだ両親が健在であり、自分が相続で譲り受ける財産も確定していないので、数年後には新たに作成しなおさなければならない可能性があります。

このように遺言書を作成するのには、適切な時期というものがあります。

しかし、こういう場合はできるだけ早めに書いておくべきという3つのパターンも存在します。

次回はこの3つのパターンについてお話し致します。

 

行政書士 奥本雅史事務所
http://okumoto.tribute-mj.net

 

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外国人が日本で会社設立(起業)する場合のやり方とは?~奈良の行政書士より~

奈良県行政書士

奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所の木村友紀です。

これまで何度かにわたって、会社設立など起業支援に関する手続きについてお伝えしてきましたが、今回は「外国人の会社設立」をテーマにお伝えしたいと思います。最近では、日本にいらっしゃる外国人の方の数も増えるばかりで、今後外国人による会社設立は伸びていくのではないかと個人的には考えています。

さて、外国人の方が日本で会社設立をする際に、どのような点に気を付けなければいけないのでしょうか?

1.資本金入金の取り扱い

海外在住の発起人予定者が日本で法人を設立する場合には、日本での銀行口座を開設しなければなりません。なぜなら、資本金を払い込むための証明は、日本の銀行口座による通帳にてなされるためです。

しかしながら、当然に海外在住なわけですから日本の銀行口座を有していない場合もあるわけです。そのような場合に対応するために、現在では法改正が行われてこの問題への対応もなされています。また、日本在住の役員に委任状を用いて、資本金入金の委託をさせることも可能です。

2.印鑑証明書

会社設立をするには、法務局に設立申請書および添付書類を提出する必要があるのですが、ここに提出する添付書類には、設立時役員の実印を押印する必要があります。そして、それを証明するために、印鑑証明書を添付しなければなりません。

ところが、です。日本に住んでいれば、印鑑文化は当たり前のように思いますが、残念ながら海外には日本のような印鑑文化はそもそも存在しないのです。では、代わりにどうしたらよいのでしょうか?海外では、印鑑の代替手段として、「サイン」が用いられます。外国人が日本で書類上の本人確認をする方法として、そのサインが本人のものであるかを確認すればよいことになります。この証明書類を、「サイン証明」と言います。サイン証明は、現地の言語で在外公館にて取得する手続きを取らなければいけません。

更に、サイン証明は当然日本語ではなく、現地の国の言葉で書かれているわけですから、例えば、定款認証の際には、公証人にも読解できるように日本語に翻訳された訳書を添付しなければなりません。

サイン証明につきましては、2017年に別のブログで執筆しておりましたので、参考までにご興味のある方はぜひこちらもお読みいただければと思います。

「行政書士ユウ法務事務所のブログ」

3.ビザ

外国人が日本で会社を設立するためには、経営・管理のビザを取得しなければならない場合があります。外国人のビザの種類によっては、日本において活動を制限されている場合があります。そのような場合には、会社設立をするための資格としてのビザの取得が要求されるわけです。

ビザについては、ややこしいのでまた別の機会にでもお伝えしようと考えています。

それぞれについてより詳細なご説明は次回以降に譲るとして、今回は外国人の会社設立の手続きが緩和されつつあるトレンドをご紹介させていただきました。何かご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。

奈良県の行政書士

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事務所名 行政書士ユウ法務事務所
所在地 【〒630-8131 奈良県奈良市大森町43-2 ホワイトパレス21 401号】
電話番号 【050-3698-1344】
FAX  【0742-90-1344】
営業時間 【9:30~18:30】
定休日 【土日祝】
E-mail 【info@gyouhoum.com】
URL  【http://gyouhoum.com/】
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任意後見契約の3つの類型について

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

引き続き、今回も任意後見をテーマにお伝えします。

前回は、将来、判断能力が低下したときの備えとして「任意後見契約」の概要をお伝えしました。

その任意後見契約には

「将来型」 「移行型」 「即効型」の3種類があります。

今回は、この3種類の契約の内容とポイントをまとめました。

 

では、順番に説明していきましょう。

  • 将来型

「将来型」とは、本人の判断能力が低下した後における代理権を任意後見人に授与する“任意後見契約のみ”を締結します。任意後見契約の基本型といってよいでしょう。

本人が任意後見契約を締結する時点では十分な判断能力を有しており、本人の判断能力が「不十分」という状況になってはじめて任意後見人の支援を受けることになります。

この契約形態では、任意後見契約を締結してから効力が開始するまでに相当の年月を経る場合、あるいは、判断能力が低下せず、支援の必要性がなく契約の効力が開始せずに終了することも考えられます。

効力が開始するまでの期間は、いわば待機期間となるわけですが、本人と任意後見受任者が接触しないまま長い年月が経つと、色んな不具合が出てきます。

例えば、本人の判断能力が低下したことに気付かず任意後見が始まらないことが考えられます。また判断能力が低下した本人は、任意後見契約を締結したことを忘れてしまい、突然現れた任意後見人に対して不信感を持ってしまう恐れもあります。

本人にとってみれば、いつ認知症になるかもしれないのに、そのことを誰もチェックしてくれないという不安な状態に置かれます。

その不安を解決する方法として、「自分を見守って、もし任意後見開始の時期が来たら速やかに手続きを取ってほしい」ということを依頼する契約を任意後見受任者と結んでおく方法があります。

この契約は「継続的見守り契約」といい、例えば毎月1回は会って話をして本人の生活状況や健康状態を確認するといった内容が考えられます。将来型の任意後見契約の公正証書の中に記載してもよいですし、公正証書によらないことも可能です。

 

  • 移行型

「移行型」とは、任意後見契約を結ぶと同時に、同じ当事者の間で、別途、現時点から任意後見契約がスタートするまでの間も財産管理や本人の身上監護に関する民法上の委任契約(以下、財産管理等委任契約)を結びます。

このような形態は、財産管理等委任契約から任意後見契約に移行することになるため「移行型」と呼ばれます。

本人の判断能力はしっかりしているものの、寝たきりなどで身体的に日常生活で支援が必要な場合には、財産管理等委任契約により支援してもらうことができます。

一般的に言えることは、人はまず、身体的に不自由になりそれからだんだんと判断能力が衰えていくケースが多いです。

例えば、銀行に行くべきだという判断能力はあるが、身体的に行くのがつらくなる段階。これが「財産管理等委任契約」が必要な段階で、銀行に行くべきだという判断能力がなくなったときが、任意後見がスタートするときになります。

したがって、移行型は、この2つの段階に対応できるため、都合のよいものになっています。

このようなことから、財産管理等委任契約と任意後見契約を連結した「移行型」が優れているということで、多くの任意後見契約の希望者から支持されています。

注意点として、財産管理等委任契約は任意後見契約とは別の制度であり、任意後見監督人による監督はありません。

したがって、本人自らが受任者を監督する必要があります。実際に、本人の判断能力が低下しているにもかかわらず、任意後見受任者が、任意後見監督人に監督されることを嫌って任意後見監督人の申立てを行わないまま、財産管理等委任契約による受任者としての権限を乱用するケースも報告されています。

そのため、的確な移行のための措置として受任者の契約の中に義務規定を設けるなどの工夫がされています。

 

  • 即効型

「即効型」とは、判断能力が不十分な状況で任意後見契約を締結し、直ちに家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをすることで、任意後見契約を発効させるものです。

即効型を利用するメリットとしては、本人が特にその任意後見人を信頼している場合等、法定後見よりも任意後見による支援を選択できることが考えられます。

ただし、本人が任意後見契約の締結に必要な判断能力を有していたか否かが事後的に争われるおそれがあるとの問題が指摘されることがあります。

また、本人に、任意後見契約の内容を十分に理解して締結するだけの判断能力が必要です。

任意後見契約の内容自体は一般的には難しい内容になりますから、例外的に利用されるべき類型と思われます。

 

任意後見契約の3つのタイプについてお伝えしてきましたが、いかがでしょうか。

任意後見は、自分の将来の「もしも」に備えるものです。いざという時に頼れる人が身近にいない、あるいは身近な人に負担をかけたくない、自分のことは最期まで自分で決めたいという人には欠かせないものだと思います。

 

弊所では、任意後見契約についてのご相談をお受けしております。

ご不明な点があれば、お気軽にご相談下さい。

 

 

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建設業許可 取得要件5 営業所について

こんにちは。
武村直治行政書士事務所の武村です。

これまでに経営業務の管理責任者、専任技術者、欠格要件、財産的要件についてお伝えしてきましたが、
今日は建設業許可取得の5つ目の要件である「営業所要件」についてお伝えしたいと思います。

建設業許可を取得するには「営業所」が必要になります。
営業所とは「請負契約の見積もり、入札、請負契約などの実態的な業務を行っている事務所」のことです。
ですので、単なる登記上の本店や作業所、事務的な連絡所、建設業に無関係な本店や支店などは営業所と
しては認められないのでご注意ください。

そして、この営業所には「主たる営業所」と「従たる営業所」の2つがあります。

「主たる営業所」は名前の通りメインの営業所。
ですので必置です。
そして、以前のコラムでお伝えした
「経営業務の管理責任者」と
「専任技術者」
の双方が常勤であることが求められます。

「従たる営業所」は支店のようなイメージですので必ずしも設置しなくても構いませんが、設置する場合は
「従たる営業所の代表者 」(令3条の使用人という)と
「専任技術者」
の双方が常勤であることが求められます。

それでは次に、許可を申請する際にこれらをどうやって証明するかを見ていきます。

1.営業所の所有状況を示す資料
→営業所建物の登記簿謄本など。
ただし建物が賃貸の場合は、賃貸借契約書や貸主の使用承諾書など、
ケースによって必要となる証明書類は異なります。

2.営業所の写真
→これは複数枚必要になります。
・営業所の全景
・玄関口(屋号、商号が確認できるもの)
・事務所内部 (電話やFAX、机など)
※地域によって多少の違いがあります。

3.営業所付近の地図

以上です。
営業所の証明に関しては様々な権利関係があり、
それにより必要書類が異なりますので、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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