相続登記の義務化

こんにちは。奈良で活動している行政書士 武村直治です。                  今回は2024年4月1日より開始される【相続登記の義務化】についてお伝え致します。

実は私はラジオ番組もやっていてその中でもお話ししているテーマなんですが、よく考えると私の番組は多分誰も聞いてない気がするのでブログでもお伝えしてみようかなと思います。

今までは土地等の相続登記を行わなくても罰則はありませんでした。手間や費用もかかるため放置する方も多いとのことでした。                          しかしそのために所有者が特定できず、土地の活用について手続等が進まないことが国レベルでの大きな問題となっていました。                           平成28年データでは九州全体の面積(367万㏊)を超える410万㏊が所有者不明土地となっています。ちなみにこのまま放置すれば約20年後には北海道1つ分くらいの土地が所有者不明となるようです。、、、なんかすごいですね。                      ちなみに私も業務において所有者不明でコンタクトが取れず困った経験が何度かあります。   この場合は郵送で文書案内を送ったりするのですが、登記情報があまりに古いと住所も近隣なのに聞いたことがなかったり、時代劇でしか聞かないような名前が記載されていたりするため「返却されるだろうな」と思いながら郵送しますが、やっぱり尋ね当たらず返却されて困ります。

この対策として相続登記が義務化されましたが、どんな内容なのでしょうか?

1.法律の施行は上記のとおり2024年4月1日から。

2.遺産分割が成立した日から3年以内に完了させる。

3.完了しない場合、10万円以下の過料が科される。                   令和8年からは氏名や住所などの変更も義務化。こちらは2年以内で罰則は5万円。

4.2024年4月1日以前のものも対象となる。(3年の猶予あり)

このように罰則付きの法改正となります。期日も迫っていますので早めの対応をお勧め致します。                                          

宅地建物取引業についての手続き

こんにちは。

奈良県で開業している行政書士の武村です。

そろそろ夏も終わり少し涼しくなるのでしょうか。

今年は密を避けることばかり考えていたら夏が終わってしまいました。

来年はどこでも自由に遊びに出かけられるような状態になることを願います。

さて、10月の宅建士試験が近づいてきましたので、今回はそれに関連して不動産業を営む場合に必要となる、宅地建物取引の免許についてお伝えしたいと思います。

宅地建物取引を業として営もうとする者は、免許を受けることが必要です。 (中略)これは、一般的に宅地建物取引を業として行うことを、法律的に禁止し、国土交通大臣又は都道府県知事という公の機関が、特に支障がないと認めてその 禁止を解除した場合に、宅地建物取引業を適法に営むことができる制度です~

業として宅地建物取引を行う方は免許を受けましょうということですが、では「業として行う」ことの判断基準とはどのようなものなのでしょうか。

「業として行なう」とは、宅地建物の取引を社会通念上事業の遂行 とみることができる程度に行う状態を指すものであり、その判断は次の事項を参考に諸要因を勘案して総合的に行われるものとする

 判断基準

① 取引の対象者

広く一般の者を対象に取引を行おうとするものは事業性が高く、取引の当事者に特定の関係が認められるものは事業性が低い。

② 取引の目的

利益を目的とするものは事業性が高く、特定の資金需要の充足を目的とするものは事業性が低い。

③ 取引対象物件の取得経緯

転売するために取得した物件の取引は事業性が高く、相続又は自ら使用する ために取得した物件の取引は事業性が低い。 

④ 取引の態様

自ら購入者を募り一般消費者に直接販売しようとするものは事業性が高く、 宅地建物取引業者に代理又は媒介を依頼して販売しようとするものは事業性が 低い。

⑤ 取引の反復継続性

反復継続的に取引を行おうとするものは事業性が高く、1回限りの取引として行おうとするものは事業性が低い。

、、、とのことですが、簡単に言えば一般的な商売(土地の売買、仲介、賃貸、交換等を不特定多数に継続的に行い利益を得る)の場合は全て業に当たるという認識でよいと思いますので、特殊な場合を除きあまり難しく考える必要はありません。事業として宅建業を営む場合は免許を受けましょう。

ただしこの免許には5年間の有効期限があり、この点には注意が必要です。

引き続き宅建業を営む場合は、有効期限満了の90日から30日前までに更新の免許申請手続きを行うことをお忘れないようご注意ください。

この手続きを怠った場合は、有効期間満了の翌日から宅建業を営むことができなくなります。

また、免許にも区分があります。

一つの都道府県にのみ事務所を設置し宅建業を営む場合は都道府県知事免許を受けますが、二以上の都道府県の区域にわたり事務所を設置し宅建業を営む場合は国土交通大臣免許が必要となります。

そして、事務所には専任の宅建士の設置が必要となります。

この専任の宅建士には「常勤性」と「専従性」が求められます。

仕事を掛持ちされている方などは認められないということになります。

最後に、免許の通知後には下記いずれかの手続きを行う必要があります。

①営業保証金の供託を行う  

⇒主たる事務所  供託金1000万円

⇒従たる事務所  供託金 500万円

②保証協会への加入し、弁済業務保証金分担金を納付する

⇒主たる事務所  60万円

⇒従たる事務所  30万円

①の金額がかなり高額のため、その後②の金額を見るとびっくりするほど安く感じます。不思議です。

他にも欠格要件や事務所要件など細かな規定はありますが、詳細は各都道府県のホームページから手引きを確認することができますので、検討されている方はご確認ください。