海外在住の外国人が日本で会社設立する際のポイント

奈良県王寺町(大阪梅田からJR大和路線で35分)で開業しています。

特定行政書士&申請取次行政書士の若林かずみです。

今回は、経営管理ビザに関連する記事を書いてみようと思います。

 

「日本人が日本で会社設立する」

これって「大変ですよね~」という印象ではないでしょうか?

 

では「外国人が日本で会社設立する」

こうなるってくると、日本人が日本で起業するどころの騒ぎではなく、

「めちゃめちゃ大変やろな~」と感じます。( ゚Д゚)

自分が外国へ行って起業することを想像すれば分かりますよね。その大変さ。

 

ただ、外国人と一口に言っても、色々な立場の人がいます。

留学ビザや就労ビザ、家族滞在などで既に日本に住んでいる外国人であれば、

日本に住所もあり、日本の銀行口座もあるでしょうから

会社を設立する手続きは、「外国人だから…」という理由で妙に大変になるということはありません。

 

外国人による会社設立ということで手続きが大変になるのは、

海外に在住する外国人の場合です。

 

では、海外在住の外国人が日本で会社を設立する場合、

まず、最初にすべきなのは

 

①事務所、店舗などの物件の確保です。

 

お目当ての物件を押さえて、さあ、契約!

日本では、不動産賃貸借契約に「実印」を押印し、「印鑑証明書」も必要となりますよね。

ここで、海外在住の外国人は壁にぶち当たります。

印鑑証明書は日本に住所がないと取得できませんし、海外在住の外国人の身分を証明するものとしてはパスポートぐらいしかありません。

そうなると、物件を確保できず…会社も設立できない…

これでは困ります。ここで必要となるのは、

 

②協力者の存在です。

 

日本在住の協力者がいれば、その人が海外在住の外国人に代わって物件の賃貸借契約を締結します。

とはいえ、まだ設立していない会社名義で物件を契約することはできませんので、ひとまず、協力者の個人名義で物件の賃貸借契約を締結してもらいます。

その際に、注意していただきたいのは、

「ひとまず、個人名義で契約するが、会社が成立したら、すぐに法人名義に変更したい」

という旨を不動産の貸主に必ず伝えた上で了承をもらっておくことです。

そうしておかないと、名義変更のために追加料金を取られることもありますので気を付けて下さい。

 

物件の確保ができたとして、次に重要なのが

 

③資本金です。

 

そこで、資本金を払い込むための日本の銀行口座が必要となります。

 

現在は海外在住の外国人であったとしても、過去、日本の在留資格があった時に日本の銀行の個人口座を作っており、それが現在も存在するのであれば、その口座を使って資本金の払い込みをすることができます。

他方、日本の銀行口座を持っていない場合は、先程述べた協力者が日本の銀行に個人口座(協力者名義)を開設して、その口座に資本金を振り込むという形になります。

 

このように、協力者は、物件取得や銀行口座開設など重要な役割を果たすため、

一時的に役員という立場になりますが、海外在住の外国人が正規の経営管理ビザを取得し、日本に入国した後には、役員を辞めるということになります。

 

ここで、資本金としては、いくら必要かというと…

 

資本金としては、500万円以上必要となります。

 

例えば、海外在住の外国人Aと日本在住日本人の協力者Bで会社を設立する場合、Aが400万円しかないので、残り100万円をBが用意して…というのはダメです。

外国人一人で500万円以上用意しないと、経営管理ビザは取得できません。

 

以上が、海外在住の外国人が日本で会社を設立する場合のポイントになります。

あくまでも「ポイント」です。

事務所一つとったとしても、どんな物件ならオッケーで、こんな物件はNGですよ…とか色々とあります。

 

海外在住の外国人の方が日本で会社を設立するというのは人生の一大事。

お金も時間もかかっています。

確実に会社設立し、経営管理ビザを取得して、日本に入国するためには、

ビザを専門にする申請取次行政書士にご相談下さい。

 

 (やわらぎ)行政書士事務所 

  特定行政書士・申請取次行政書士・AFP・法務博士     若林 かずみ

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