法定相続情報証明制度④

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こんにちは、相続手続きと遺言書作成を専門にしております行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

今回は、”法定相続情報一覧図の写し”を取得するために必要な書類について見ていきたいと思います。

まず以下の4つの書類を準備します。

①被相続人の『戸除籍謄本』

亡くなられた方の、出生から死亡までの連続した戸除籍謄本が必要です。

被相続人の最後の戸籍謄本(もしも被相続人が亡くなったことにより、全ての人が戸籍から抜けてしまった場合にはその戸籍は閉鎖されますので”除籍謄本”となります)から遡り、婚姻などの理由で本籍地を移した場合にはその市区町村に保管されている戸籍が、また本籍地を一度も変えたことが無いという方でも法律の改定により作り直された改正原戸籍謄本というものがありますので、これらの戸除籍謄本を切れ目がないように収集します。

②被相続人の『住民票の除票』

亡くなられた方の、住民票の除票を最後の住所地となった市区町村で取得します。もし市区町村ですでに住民票の除票が廃棄されているなどの事情により取得をすることが出来ない場合は『戸籍の附票』を取得します。

③相続人の戸籍謄抄本

相続人全員の戸籍謄本、または抄本を準備します。(被相続人の死亡後に作成されたもの)

ちなみに謄本は戸籍の記載の全部の写しで、抄本というのはその戸籍のうちの個人の記載の写しです。

④申出人の氏名・住所を確認することができる公的書類

以下に例示する書類のいずれか一つ(これ以外の物については登記所で要確認)

・運転免許証のコピー

・マイナンバーカードの表面のコピー

 →原本と相違が無い旨を記載し、申出人本人が署名、または記名・押印をする。

・住民票記載事項証明書(住民票の写し)

 →コピーを提出する場合は、他と同様に原本と相違ない旨の記載および申出人の署名、または記名・押印が必要。

この他に、代理人が申出の手続きをする場合には『委任状』が必要となります。

親族の方が代理人となる場合は、申出人と代理人が親族関係にあることが分かる戸籍謄本が必要です。(①または③の書類で親族関係が分かる場合は必要ありません)

次に、『法定相続情報一覧図』を作成します。

作成は、A4縦の丈夫な用紙に横書きが原則です。

なお、下から5㎝の範囲には認証文が付されるため、空白を開けておきます。

下に法定相続情報一覧図の記載例を挙げてみました。

被相続人(亡くなった人):□男さん

相続人(相続する人):

  • 奥さんの◇子さん
  • 長男の〇助さん
  • 孫の一郎さんと二郎さん(長女××さんはすでに死亡しているため代襲相続)

法定相続情報一覧図に必ず記載しなければならない事項は、

・被相続人の氏名、最後の住所、生年月日、死亡した年月日

・相続開始時における相続人の氏名、生年月日、続柄(被相続人との続柄は「配偶者」「子」とすることもできますが、相続税の申告手続き等に使えなくなる場合があります。)

・作成年月日、作成者の署名、または記名・押印

となっています。

被相続人の最後の本籍地の記載は任意です。

また、相続人の住所の記載も任意ですが、記載する場合はその相続人の住民票記載事項証明書(住民票の写し)を添付する必要があります。

次回もこの図について、さらに詳しく見ていきたいと思います。

行政書士奥本雅史事務

http://okumoto.tribute-mj.net

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