【介護職種】技能実習評価試験について

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

暖かい日が多くなってきました。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

前回のコラムでは、特定技能の在留資格を取得するために必要な試験についてお伝えしました。

その後、技能実習生が受ける試験ついてのお問い合わせもいただきましたので、今回は技能実習生の試験についてお伝えします。

以前のコラムでご説明したとおり、技能実習生の区分は入国1年目が技能実習1号、2~3年目が技能実習2号、4~5年目が技能実習3号とされています。

1号から2号へ移行する場合には、技能実習生が実技試験と学科試験に合格する必要があり、2号から3号へ移行する場合にも実技試験の合格が必要です。

最初の試験は、技能実習1号の開始後7か月目か8か月目あたりでの介護技能実習評価試験(初級試験)となります。

この試験は、実技と学科があり、試験時間はそれぞれ60分です。

試験会場は、技能実習生が勤務している事業所や施設で行われます。そのため、実習実施者(受入企業)は、学科試験と実技試験の会場となる部屋の準備や、実技試験に協力してもらう介護サービス利用者の手配等をしなければなりません。

試験当日は、外部の「試験評価者」という試験官の役割を担う人が訪問してくれます。この試験評価者の指示に従いながら試験が進められます。

初級試験における実技試験では、技能実習生を日ごろから指導している技能実習指導員が技能実習生に指示を出し、その指示どおりに介護ができるかが判定されます。

実技試験の試験課題や評価項目はシルバーサービス振興会のホームページに詳しく掲載されていますので、試験前に確認いただくことをお勧めします。

参考:シルバーサービス振興会のホームページ(http://www.espa.or.jp/internship/)

では、実技試験の評価基準を見てみましょう。

「体調の確認」という項目で評価されるポイントは、利用者に体調の確認を行い、技能実習指導員に報告しているか(利用者の特性に合わせコミュニケーションを取り、反応や表情等も見ている)となっています。

また、

「介助の説明と同意」という項目であれば、これから行う介助について説明をして、同意を得て、その結果を技能実習指導員に報告しているかどうかがポイントになります。

このように、評価の基準が示されています。初級試験は介護の基本的な部分ばかりですね。

技能実習生としては、最初に指導を受ける内容であり、この基本は必ず身に付けているはずです。したがって、試験も普段通りに行えば、問題なく合格できるレベルですし、入念に準備して臨めば大丈夫ではないかと思います。

一方、学科試験は○×方式で、初級試験は20問出題され、65%(13問)以上の正答で合格です。

参考に1つ過去問題を見てみましょう。

介護(かいご)(しょく)看護(かんご)(しょく)リハビリ(りはびり)(しょく)(など)協力(きょうりょく)をして、利用者(りようしゃ)生活(せいかつ)支援(しえん)します。

Kaigoshoku wa kangoshoku ya rihabiri shoku nado to kyōryoku o shite riyōsha no seikatsu o shien shimasu.

正答:○

難易度としては、当たり前のことを聞かれていますので、真面目に実習をしていれば、難しくない問題だと思います。過去問題が同ホームページで公開されていますので、試験対策として活用できます。

特定技能の試験との違いとして、実習している施設で試験が行われます。したがって、試験を実施するまでには、施設の担当者、監理団体、試験実施機関、技能実習機構との連携が不可欠です。

技能実習の段階に応じて、初級試験、専門級試験、上級試験が設定されています。

実習実施者(受入企業)の方は、まず監理団体に試験の申し込みや流れについてご確認いただければと思います。

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