こんにちは。行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川です。
少しずつ気温が下がってきて、そろそろ冬支度を始めようと思う今日この頃です。
日中は過ごしやすい気候で、お出かけにはとても良い季節ですね。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回のコラムでは、気になる情報がありましたのでご紹介したいと思います。
10月4日に、厚生労働省から介護保険最新情報 Vol.1174 が出されました。
こちらの内容は、多くの介護事業者に関係があり、対応が必要なものです。
令和3年度の介護報酬改定の時に義務化された事項について、準備期間として経過措置が取られていたものがいくつかあります。それが、今年度末で終了し、来年度から完全義務化となります。
義務化される事項について、以下に厚生労働省ホームページから引用します。
1.感染症対策の強化
委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施などを義務化。
2.業務継続に向けた取り組み
業務継続計画の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション) の実施などを義務化。
3.認知症介護基礎研修の義務化
無資格の介護職員に認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置を講じること。
4.高齢者虐待の防止
委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めること。
5.口腔衛生管理の強化
口腔衛生の管理体制を整備し、入所者ごとの状態に応じた口腔衛生の管理を行うこと。
6.栄養ケア・マネジメントの充実
入所者の状態に応じた栄養管理を計画的に行うことを運営基準に規定。
7.事業所医師が診療しない場合の減算
事業所外の医師に求められる「適切な研修の修了等」について、適用猶予措置期間を延長。
引用:介護保険最新情報 Vol.1174
「令和5年度末で経過措置を終了する介護報酬の改定事項について」
上記1~4は介護保険の全サービスが対象です。5及び6は施設系サービス、7は訪問リハビリが対象になっています。
特に、2の「業務継続に向けた取り組み」については、業務継続計画(BCP)の作成が必要となっており、最近 BCP という言葉がよく聞かれるようになりました。
しかし、聞き慣れないBCPという言葉に対し、現場職員さんの中では何の話?という声も聞かれます。
簡単に言うと、感染症や自然災害が発生した場合であっても、介護サービスが安定的・継続的に提供できるように、介護施設・事業所で計画的に備えておくということです。
これを業務継続計画(BCP)作成として、事業者に義務化されました。
近年のコロナウイルスの流行や自然災害の増加で、BCPの必要性が言われるようになったのでしょう。
万が一の時でも必要なサービスを維持できるよう、事業者は可能な範囲で備える努力をしていかなければなりません。
なぜなら、介護サービスは多くの人が利用する欠かせな
い社会インフラになっているからです。
サービスが止まれば、利用者の体力低下や認知症の進行にもつながります。また、家族にも重い負担がのしかかり、仕事に行けないことも起こるでしょう。介護離職となれば、生活に大きな影響が及びます。
このような状況が想定されるからには、介護事業者には有事への備えをしておく大きな責任が課せられているということになります。
厚生労働省のホームページには、BCPのガイドラインや、動画付きの研修資料が準備されています。ひな形もありますので、ぜひご確認いただき、作成を始めてみてはいかがでしょうか。
BCP以外にも、来年度(令和6年4月1日)から義務化される事項をご確認いただき、早目に準備をすすめていただければと思います。