毎年提出! 決算変更届!

こんにちは。武村直治行政書士事務所の武村です。

今日は「決算変更届」という書類についてお伝えしたいと思います。

前回までのコラムでお伝えした建設業許可を取得した事業所は
「決算変更届」という書類を毎年提出する義務が生じます。

これは税理士が作成する決算報告書を基にして建設業簿記で
書き換えたもので、1年間に行われた工事や財務状況などを
記載して行政官庁に提出するものです。

以下、もう少し詳しく解説致します。

■決算変更届について

①提出期限
→毎年、事業年度終了から4カ月以内に提出です。

②提出場所
→提出先は都道府県ですが、提出場所は
「主たる営業所を管轄する土木事務所」です。

③必要となる書類
・変更届出書
・工事経歴書
・直前3年の工事施工金額
・財務諸表
→貸借対照表、損益計算書、注記表、株主資本等変動計算書など
・納税証明書
→県税事務所で取得できます。
・事業報告書

④注意点 →都道府県により表紙がいらない、控えの提出部数が違う、
控えにも押印すること、など取扱いに多少の違いがありますので、
事前に管轄の土木事務所に確認をしましょう。

以上です。

余談ですが、もしこの決算変更届の提出が遅れるとどうなるので
しょうか?

結論から言いますと、期限に間に合わなくても受け付けてもらえます。

それではもし提出しなかった場合はどうでしょうか?

まず、事業者の方がもし許可業種の追加をしたいと思ってもその
申請を受け付けてもらえません。

そして建設業許可は5年ごとに更新をする必要がありますが、
この更新の際には過去の決算変更届の提出が絶対要件となりますので、
決算変更届を提出していないと建設業許可の更新書類を受け付けて
もらえず結果としてせっかく取得した建設業許可を失うことになります。

ご注意下さい。

最後に、実はこの決算変更届は都道府県庁で第三者が閲覧できるよ
うになっており、信用調査会社などは実際にチェックをしています。
取引先の銀行なども閲覧している可能性が高いと思われますので、
他の書類に比べ比較的軽視(?)されがちなこの決算変更届ですが、
注意して正確なものを期限までに提出するようにしましょう。

 

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建設業許可 取得要件5 営業所について

こんにちは。
武村直治行政書士事務所の武村です。

これまでに経営業務の管理責任者、専任技術者、欠格要件、財産的要件についてお伝えしてきましたが、
今日は建設業許可取得の5つ目の要件である「営業所要件」についてお伝えしたいと思います。

建設業許可を取得するには「営業所」が必要になります。
営業所とは「請負契約の見積もり、入札、請負契約などの実態的な業務を行っている事務所」のことです。
ですので、単なる登記上の本店や作業所、事務的な連絡所、建設業に無関係な本店や支店などは営業所と
しては認められないのでご注意ください。

そして、この営業所には「主たる営業所」と「従たる営業所」の2つがあります。

「主たる営業所」は名前の通りメインの営業所。
ですので必置です。
そして、以前のコラムでお伝えした
「経営業務の管理責任者」と
「専任技術者」
の双方が常勤であることが求められます。

「従たる営業所」は支店のようなイメージですので必ずしも設置しなくても構いませんが、設置する場合は
「従たる営業所の代表者 」(令3条の使用人という)と
「専任技術者」
の双方が常勤であることが求められます。

それでは次に、許可を申請する際にこれらをどうやって証明するかを見ていきます。

1.営業所の所有状況を示す資料
→営業所建物の登記簿謄本など。
ただし建物が賃貸の場合は、賃貸借契約書や貸主の使用承諾書など、
ケースによって必要となる証明書類は異なります。

2.営業所の写真
→これは複数枚必要になります。
・営業所の全景
・玄関口(屋号、商号が確認できるもの)
・事務所内部 (電話やFAX、机など)
※地域によって多少の違いがあります。

3.営業所付近の地図

以上です。
営業所の証明に関しては様々な権利関係があり、
それにより必要書類が異なりますので、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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建設業許可  取得要件4 財産的基礎とは

 

こんにちは。奈良で開業しています行政書士の武村です。

 

今日は建設業許可の要件のうち、財産的基礎(財産の証明)について

見ていきたいと思いますが、そもそもなぜ建設業許可を取得する

ために財産の証明が必要なのでしょうか?

 

それは建設業を営むにはお金がかかるからです。

建設業は原則として工事の完成に対して報酬をもらう請負契約であり、

仕事の性質上、資材の購入や労働力の確保などに多大な費用が

かかる事も多いため、行政側も許可を取得する事業者の方には

ある程度の資金を確保していることを求めているのです。

 

では一体どれくらいの資金を求められているかですが、

これも一般建設業許可と特定建設業許可で要件が違います。

今日は一般建設業許可を中心に話を進めていきたいと思います。

 

一般建設業許可の財産要件ですが

①資本金が500万円以上あること

②500万円以上の資金調達能力があること

 

となっています。

・・・「500万円以上」という金額がポイントですね。

①に関しては、直前期の決算書の純資産が500万円以上あれば

クリアできます。

②に関してですが、これは少しややこしいかと思います。

具体的には、「500万円以上の残高証明書を発行してもらう」

又は「500万円以上の融資可能証明書を発行してもらう」という

方法があります。

 

ちなみに②に関しては残高証明書を入手し、財産の証明書類と

するのが一般的で、ほとんどの方がこの方法をとっていると

思われます。

融資可能証明書の発行という方法は私自身も未だ経験がありません。

 

どの方法をとるにしろ、いずれも500万円以上という高額な

資金が必要となります。

ですので許可を取得したいとお考えの事業者の方は事前に

資金調達の方法を考えて準備しておくことが大切になります。

 

ちなみに建設業許可は5年で更新となりその更新の際にも

それぞれの要件を改めて証明する必要があるのですが、

財産要件に関しては建設業許可の取得から更新までの5年間

継続して営業した実績があれば、更新時に500万円以上の

財産要件は満たしているとみなされます。

つまり、改めて金融機関から残高証明書などを発行してもらう

必要はありません。

 

最後に、建設業許可を取得するためには残高証明書のような

添付書類が多く必要となります。

それぞれに有効期限があるため、それらを計算して書類を作成

する必要があります。

 

当事務所にお任せいただければ、書類の作成から添付書類の取得

まで全てサポート致しております。

 

建設業許可の取得についてお困りの方がおられましたらお気軽に

ご相談ください。

 

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建設業許可 取得要件3 欠格要件とは?

こんにちは。武村です。奈良県の中南和地域を中心に活動しています。

今日は建設業許可の要件のうち、「欠格要件に該当しないこと」
について見ていこうと思います。
欠格要件とは簡単に言うと、「これに該当していると許可は出せま
せんよ」というものです。
どんなものがあるのか見てみましょう。
ただし手引き書通りだとさすがに読む気がしないでしょうから
簡潔に記載します。

〇欠格要件

1. 許可申請書にウソがあった場合や、重要な事実を記載していない場合

2. 許可申請者、その役員、支配人や営業所の代表者などが、次のア~ケに1つでも該当してしまった場合

ア. 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ていない

イ. 過去に不正行為により建設業許可を取り消され、まだ5年経っていない

ウ. 上記イの不正行為による許可取消しの通知があった後に廃業届を出し、その届出の日からまだ5年経っていない

エ. 上記ウの場合において、許可取消しの通知の日から遡って60日以内に上記ウの役員や支配人、営業所の代表者などであり、廃業の届出の日からまだ5年経っていない

オ. 営業の停止や禁止の処分を受け、まだその期間が経過していない

カ. 禁固以上の刑に処せられたり、暴力行為や脅迫、強制労働など刑法や建設業法など他に定められた法律によって罰金以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わってからまだ5年経っていない

キ. 暴力団員又は暴力団を辞めてからまだ5年経っていない

ク. 事業活動の支配を暴力団員が行っている

ケ. 未成年者であり、その法定代理人が上記の欠格要件に該当する

沢山あって一つ一つ全て覚えるのは難しいので、社会通念に照らし合わせて判断して頂ければ把握しやすいと思います。

 

次にこれらをどうやって証明するかですが、
この「欠格要件に該当しないこと」に関しては、法務局で取得できる「登記されていないことの証明書」(出張所では取得不可)と、役所で取得できる「身分証明書」(本籍地のある役所のみ取得可能)で証明し、そして申請書の誓約書に捺印します。

この「欠格要件に該当しないこと」に関しては、証明は難しくありません。
証明書を2枚取得して誓約書にハンコを押す!

基本これだけです。

ですが少し気をつけて頂きたいことがあります。
上記の欠格要件「カ」にも記載していますが、建設業許可は、
建設業法以外の法律に違反した場合にも取得できなくなる場合が
あります。

デリケートな部分ですのでなかなか相談しづらいとは思いますが、許可の取得にあたり重要な要件になりますので気になる方がおられれば当事務所にご相談いただければと思います。
どんなご相談も親身に対応させて頂きます。

 

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建設業許可 取得要件2 専任技術者について

こんにちは。武村です。

今回は許可取得のために必要な「専任技術者」について書きます。

 

イメージとしては、一定水準以上の知識や経験を持ったいわば技術的な

責任者のような役割をする人のことです。

建設工事はしっかりとした知識、技術の土台がないと命にかかわるような

重大な事故も起こりますからね。

 

さて、ではどうすればなれるのかを見ていきますが、

これは一般建設業許可や特定建設業許可などにより要件は変わります。

今日は主に私の周りに多い一般建設業における専任技術者の

要件を見ていきます。

 

■常勤であること

➡他の企業の従業員や常勤の役員などと兼務はできません。

 

■専任であること

➡営業所に常勤しており、工事の受注や発注の職務に従事すること。

つまり、現場の監督さんなどとは違い、営業所の中で知識や技術の

サポートをすることを想定されているという事です。

ただし、「専任であること」に関してですが、一人親方など、

営業所にずっといると工事ができない、というケースもあるでしょう。

そのため、以下の条件を全て満たした場合は、

主任技術者と兼務というカタチで現場に出ることが認められます。

 

〇専任技術者が専任となっている営業所において、請負契約が締結された

建設工事であること。

〇営業所と工事現場が近接しており、常時連絡がとれる体制にあること

〇専任であることが求められる工事でないこと

 

これで工事に出れます。ご安心を。

長い説明になりましたが、次の要件を見ていきましょう。

 

■①、②、③、のいずれかに該当すること

①実務経験

➡許可を受けようとする業種に関し、10年以上の実務経験があること

 

②学歴+実務経験

➡許可を受けようとする業種に関し指定の学科を修めて

卒業後、3年又は5年の実務経験があること

 

③資格

➡許可を受けようとする業種に関し、指定の資格を持っていること

 

これら①~③の部分に関しては、多くの方が解釈に迷うところです。

まず、単なる工事現場の雑務や事務の経験では実務経験としては

認められません。

そして、例えば塗装工事で5年の経験を積み、さらに防水工事で5年の経験を

積んだとしても、それぞれの経験が10年に満たないため、

専任技術者としは認めれません。

あくまで「許可を受けようとする」業種での経験が

必要ということですね。

 

さらに、たまに相談を受けるのですが、複数の業種の専任技術者に

なろうとすれば、10年×業種の数の分の実務経験が必要になります。

 

ただし、それでは要件を満たすためにあまりにも時間が

かかりすぎるという事で、現在は関連した業種同士

(建築一式工事と内装工事など11パターン)で合算が

できるなど、要件の緩和措置もとられています。

この辺はご相談いただければと思います。

 

 

要件を満たしていれば、これらを証明しなければなりません。

例えば営業所に専任であることの証明として、

健康保険証や住民票、場合によっては建物の賃貸借契約書や

公共料金の領収書などなど、、、いろんな書類で証明します。

 

これらの証明に関しては資格や学歴の証明ができれば簡単ですが、

実務経験だけで証明するとなると結構大変です。

必要期間の請求書や入金記録、注文書と請書、契約書、さらに

当時経験を積んだ企業に在籍していた事の証明資料が

必要となります。

 

 

こんな感じで手間と時間のかかる作業です。

手引きをみると必要書類は書いてありますが、

経験上、多くの方がだいたい同じポイントで迷われているようです。

 

要件や証明の作業でお困りでしたらぜひ当事務所に

ご相談ください。

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建設業許可 取得要件 経管とは?

こんにちは。武村です。
前回のコラムで、建設業の許可の必要性について書きました。
今回は「では許可を取得するためには何が必要か」を中心に書きたいと思います。
建設業許可には、主に取得に必要な5つの要件があります。
1. 経営業務管理責任者
2. 専任技術者
3. 欠格要件に該当しないこと
4. 財産的基礎
5. 営業所
この5つをまとめて「五大要件」なんて呼んだりします。
これらの要件をすべて満たせば許可が取得できるのだ、とイメージして頂ければ難解な許可取得要件もイメージしやすくなります。
ただし聞き覚えのない言葉も多いので、何回かにわけて少し詳しく解説していきます。

1. 経営業務の管理責任者
経営業務の管理責任者とは、経営業務を総合的に管理し、執行した経験などを
持つ者のことを言います(以下、経管と呼びます)
法人なら役員(取締役や代表取締役)、個人業者なら事業主本人や商業登記された
支配人などのことです。
しかし、ただその立場にいればいつでも経管として認められる訳ではありません。
「どのくらいの期間その経験があるか」が重要になります。
長くなるのでイメージしやすいようザックリとした説明にはなりますが、

・許可を受ける業種の役員や個人事業主の経験      ➡5年以上
・許可をうける業種の役員や個人事業主に準ずる地位
にあり、経営業務を補佐した経験            ➡6年以上
・許可を受ける業種以外の役員や個人事業主の経験    ➡6年以上

このような経験年数を満たす必要があります。
ちなみに、この経験は複数の業務経験を合算できます。
つまり許可を受ける業種で取締役として3年、その後個人事業主として2年の経験を積んでも合計で5年となり、要件を満たします。

そして「常勤であること」も求められます。
経管は代表者である必要はないのですが、例えば他社の常勤の役員の方を自社の
経管とすることなどは認められません。
なかなか細かいですね。

これらをクリアしているようなら、あとはそれを「証明」する必要があります。
当時働いていた企業の代表者や役員の方などに印鑑をもらったり、その当時の
工事実績の証明のため契約書や注文書、請書、請求書、入金記録などを必要に応じて用意したり…私が書くと簡単そうに見えますが、なかなか骨の折れる作業です。
1つ1つ要件をクリアするのは大変ですが、だからこそ許可を取得している事業者
の方の信頼性の高さに繋がるとも言えるのではないでしょうか。

次回は専任技術者について書きたいと思います。

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建設業許可...ホントに必要か???

こんにちは。武村です。

 

もうじき平成29年度の行政書士試験ですね。

なぜか私も緊張します。

勉強していた時のトラウマですかね・・・

受験生の皆さん頑張って下さい。

 

さて、今日は少し抽象的な話しになります。

 

建設業に携わっている友人や後輩から

「建設業許可ってあるとそんなに有利になるの?」

という質問をたまに頂きます。

ただし彼らも皆、仕事を受注するに当たっての数字や要件の面からの

必要性は理解しています。

彼らの質問の真意はそういう事ではなくもっと感覚的なものです。

言い換えれば

 

「建設業許可があれば良いのは分かるが、別になくてもオレ

そんなに不自由ないけど」ということなのです。

 

確かに建設業許可がなくとも、軽微な工事は請け負えます。

軽微な工事と言っても500万円未満(建築一式は別要件)の工事なら

できるため、個人で仕事をするなら十分な金額だ、ということです。

 

もっともな意見です。

今日はこれに対し私個人の意見を書きたいと思います。

 

結論から言えば、それでも許可は取得した方が良いと思います。

なぜなら、許可業者に優先的に仕事を回す、もしくは無許可業者に

許可取得を勧める元請け業者が増えていると感じるからです。

 

これは一例ですが、ある事業者の方が

「今後は許可をもっている業者にしか仕事を回さない」と話されていました。

信用性、請負代金の制約、元請け業者の負うリスク...

総合的に考えられての事のようです。

あまり具体的な事は書けないのですが、建設業者の取り締まりの

強化など、時代の流れにより全てではありませんがこういう対応を

される元請け業者も増えている印象を受けます。

 

こうなると、許可を持っていない事業者の方は新しい取引先を

見つける事が今に比べて難しくなる可能性があります。

 

ちなみに許可を取得している業者数は多く、私の住んでいる奈良県

だけでも約5000社、大阪だと約36000社もあります。

この数字を聞いてその数の多さにビックリされる方もおられます。

もちろんその中でも電気や防水、解体、建築一式など業種が枝分かれする

訳ですが、それでも1業種あたりかなりの数になる事はお分かり

いただけると思います。

 

つまり、技術は誰にも負けないのに許可を持っていないというだけで

営業面に関して大きく後れをとるという考え方もある訳です。

 

そして、この先許可を取得している下請け業者に優先的に仕事を回す

流れが加速するという事は、この数千~数万社から優先的に仕事が

回される流れが加速するという事です。

なので私は建設業許可の取得はされた方が良いと思っています。

 

 

事業の発展のためには建設業の許可は欠かせません。

もし取得をお考えの事業者様がおられましたら、

一度お電話いただければ幸いです。

 

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公共工事と入札参加資格審査申請書2

行政書士 武村直治

行政書士の武村直治です。
さて、前回のコラムで「指名願いの書類作成は一筋縄ではないかないこともある」旨を書きましたが、今回はその理由について書きたく思います。

まず、申請書の様式が一律ではないんですね。
国交省様式というものがあってそれを元にしている官庁が多いのですが、なかには独自様式のものや少しカスタムしてあるものが多いのです。
なので一枚作成したらあとはコピーして他の官庁に代用を・・・というわけにもいかないこともしばしば。多くは様式をチェックしながら一枚一枚作成します。
初めて作成される方は「めんどくさいなぁ」と感じる方も多いのではないでしょうか。

添付書類などはほぼ一律なんですが、必ずしもそうでない場合もありこちらも要綱をチェックしないと見落とす可能性があります。

さらに1つの官庁でも市内業者や市外業者で定期受付の年度をずらしている官庁もあれば一律の官庁もあり、提出する際のファイルの色まで分ける必要がある場合もあります。

そして郵送しようと思って要綱を再度確認するとたまに持参のみ受付の官庁なんかもあります。
この辺は本当に細かいチェックが必要です。

最後にこれが最も重要なのですが、提出の期限も各官庁でバラバラです。
同じ官庁でも年度によって期限が変わることも多々あり、万が一、1日でも遅れると絶対に受け付けてくれません。
公共工事は金額の大きな工事も多く、入札に参加できないとなると大きな痛手です。

2~3官庁に申請する程度なら問題ないと思いますが、申請枚数が多くなると細かいミスをなくすためそれぞれの要綱をコピーして何度か読み返すことになります。
その場合、要綱や雛形をまとめる作業とそれを読む作業だけでもかなり時間をとられます。

指名願いは「正確性+期限」との勝負です。なのに作成には意外に時間と手間がかかる。
お忙しい事業者の皆様にとって多くの官庁に申請する場合はかなりの負担になることも考えられます。
私が言うのも変ですが、申請部数が多い場合は多少の費用がかかってもお近くの行政書士に一任してしまう方が事業者の皆様も空いた時間をお仕事にあてることができ有意義ではないかと個人的には考えております。

来年以降、指名願いの作成依頼をご検討されている事業者様がおられましたら当事務所に一度お電話いただけると幸いです。

 

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公共工事と入札参加資格審査申請書1

行政書士 武村直治

まだまだ暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今日は公共工事の入札に参加するために必要な手続き=入札参加資格審査申請書について書きたいと思います。

公共工事を受注するには入札参加資格審査申請書(指名願い)を提出し、その後入札に参加するという流れになります。
この指名願いは各官庁ごとに提出しなければなりません。
国の工事をしたい方は国に、奈良県の工事なら奈良県に、私の事務所がある高取町の工事がしたい方は高取町に、という具合ですね。
もし奈良県のすべての市町村に申請書を提出するとなると、それだけで40部もの申請書を作成する必要があります。
これ、かなり大変です。

申請受付後の有効期間は2年間です。しかし事業者の方が好きな時に申請できるわけではなく各官庁の募集の年(2年ごと)や期間に合わせて申請することになります 。これを定期受付といいます。
これに対し有効期間は1年になりますが定期受付をしていない年にも募集をかけたりします。
これを追加受付と呼びます。
つまり定期受付期間中に申請書を出し損ねた場合でも、次の定期受付までの1年間にはなりますが追加受付という形で入札参加の資格を得ることが出来るという事ですね。

そして募集をかける時期については各官庁によって様々なのですが、例えば奈良県の市町村なら毎月12月頃になると各官庁のホームページから要綱がダウンロードでき
・使用する申請書の様式
・添付書類
・提出先や受付時間
・提出する際のファイルの色
・期限
・提出の方法(持参or郵送)
…など他にも細かく申請書提出のための要件が記載されています。
これを見ながら書類を作成し、提出後に受領印をもらい手続き完了です!

と、これだけ見ると一見簡単に出来そうなんですが…しかしこれがなかなかややこしく一筋縄ではいきません。

なぜなのか?次回はこの理由について書きたいと思います。

公共工事と入札参加資格審査申請書2へ続く

 

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建設業の未来と社会保険

行政書士 武村直治

はじめまして。 行政書士の武村です。
奈良県の高取町で開業しております。
よろしくお願い致します。

さて、数年前から注目され、建設業を語る上では外せない話題の1つとして「社会保険未加入問題」があります ( 社会保険に関しては行政書士の取扱業務ではないのですが…)

国交省が平成24年に「平成29年までの5年で建設業の社会保険加入率を100%にする」という目標を掲げた事に端を発し、様々な取り組みが進められてきました。

そして今年が目標最終年の平成29年…社会保険の未加入問題はどういう状況になっているのかを見ていきたいと思います。
…が、その前にそもそもなぜ国交省がそんな事を言い出したのでしょうか?

主な理由は2つあります
1.建設業界の健全な未来の為
2.企業間の競争の公平化の為

もう少し分かりやすく見ていきましょう。

1についてですが、現在、建設業界は「若者の建設業離れ」とでもいうような状況になってしまっています。
建設業の未来を支えるべき20?30代の若者の建設業界への就職率が低く、また離職率も高い…これはなかなか深刻な問題で近い将来には「建設工事の需要はあるのに人手不足で工事ができない」ような状況になりえるとも言われています。

ではどんな手を使っても人さえ集めればよいのか?というとそれは間違いです。
仕事というものは人さえいれば成り立つ訳ではありません。キャリアを積んだ技術者の経験や技術を次の世代に正しく継承していかなければ高いレベルを維持する事は困難です。
建設業も同じで、未経験の私が「明日から建設業者として仕事をしよう」と思ってもおそらく何も出来ません。

つまり若者の就職率が低く離職率も高い、という事は人手不足により工事が出来ないだけでなく、ひいては徐々に建設業界の衰退を招くという事につながります。

コレはマズい…という事で国も包括的な対策を打ち出します。
そしてその施策の一環として
「建設業者の社会保険加入の推進」に取り組んだのです。(包括的な対策についてはまた後日)

つまり建設業界は比較的社会保険に未加入な企業が多いため従業員の将来の安定性が低く、若者からすると「ならば建設業界への就職はやめておこう」となるワケです。
若者からすると将来の人生設計に不安がある業界よりは少しでも安定を望める業界に行こう、と考えるのも当然のことでしょう。
国としては建設業界のこういった状況を打破するために社会保険の加入率を上げるという手を打ったという事ですね。

そして2についてですが
これは単純な話しです。
従業員の健康保険や厚生年金などといった社会保険は事業主も約半分負担します (労災は全額負担)
この事情主負担分を法定福利費と言いますが、この負担がなかなか大きいのです。
とすると、社会保険に未加入の企業はそれに加入している企業に比べ従業員1人あたりのコストが下がり、結果的に公共工事などで安く入札でき競争上有利になってしまうという矛盾が生じてしまいます。
ですので全ての企業に社会保険に加入してもらい皆同じ土俵で公平に競争しようという事です。
だから100%の加入率を目指すのです。

この施策には国もかなり力を入れていて、様々な取り組みを行ってきました。

例えば社会保険未加入ならば、
・経営事項審査の減点措置の拡大により事実上公共工事の落札が不利になる
・下請けの場合、元請けからの発注が来ない可能性がある
・「特段の理由がない限り」そもそも現場に入場できない
など多大な影響があり、実質的に仕事をする事ができなくなるような流れになっています。

ではこのような取り組みの結果、5年間で社会保険の加入率はどうなったのでしょうか?

企業別
平成23年 (平成24年当時の最新データ)84%
→平成28年 (最新データ) 96%
労働者別
平成23年 (平成24年当時の最新データ)57%
→平成28年 (最新データ) 76%
(国交省ホームページ参照)

未だ100%には達していませんが大きな成果をあげています。
施策も最終段階に入り、今後もまだ上がり続ける事が予想されます。

業界全体としての将来を見据えたこの施策により建設業の人材不足に歯止めがかかる一因となり、また従業員の方もより安心して働ける環境が実現できるなら本当に喜ばしい事だと思います。

しかし、下記の通り一方で大変な苦労をされる事業者の方もおられると思います。

【国交省においては各建設業界団体に対し法定福利費の見積もりを含めた標準見積書の書式の作成をするよう指導がされていますが (中略)下請け業者までは未だ福利厚生費分の原資となりうる金額が行き渡っていない様子が伺えます】
《参考URL》
株式会社内田洋行ITソリューションズ
お役立ちコラム

建設業界における人材確保に向けて

つまり、例えばですが社会保険加入により下請け業者の方の負担も増えるにも関わらず、元請業者から請負う工事の金額は今まで通り…というようなケースも稀にあるということでしょう。

これに関しては複雑な事情や状況もあると思いますので、私個人として意見するのは差し控えたく思います。
ただし、このような結果を受けて平成29年国交省においては、実態調査や残された課題の整理を行っていくとのことです。
今後も注目していきたいと思います。

現在の日本の建築物は安全性を高めニーズを満たす為により複雑かつ非常に高度になっています。その「進化」は多くの経験を積まれた優秀な技術者の方や、また事業者の方の多大なる努力なくしては語れません。
これからもさらなる発展のため、若い方が数多く建設業に携わり不安なく生活の基盤を作り、仕事においても先輩の技術者が積み上げた経験や技術がきちんと継承できるような、そんな業界であり続けることを切に望みます。

私たち行政書士は身近な相談窓口としてこのような情報に常にアンテナを張り、ご相談を受けた際にはベストなアドバイスと対応が出来るように日々努めております。
何かお困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。
お待ちしております。

 

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