奈良県王寺町で開業しています。
特定行政書士&申請取次行政書士&AFPの若林かずみです。
私事ですが、この6月に、車を乗り換えました。
約15年の間、私の足となって頑張ってくれていた自動車でしたが、走行距離も約17万キロを超え、「さすがに、いつ動かなくなっても不思議ではないよ…」と周囲にも言われ、ついに新車に買い替えました。
新車ですので、いつもお世話になっている、自宅近くのディーラーにお世話になりました。
他方、中古車を買われる場合は、インターネットのオークションなどで落札されたりする方もいらっしゃるようですね。車のような大きな買い物をインターネットでするというのは、私にはまだまだ不思議に感じますが、今後、そういった購入方法も広がっていきそうですね。
となれば、買った車が遠方の他県にあることも多くなっています。そうなると、車の名義変更をどうするのか、封印をどうするのか…という問題が発生してきます。
1 封印とは
そもそも、封印と言われても、「それ、何ですか?」だと思います。
封印というのは、普通車の後部のナンバープレートの左上部分にポチッと付いているビンの蓋のようなものです。例えば、奈良ナンバーであれば、ナンバープレートの「奈良…」の左側あたりに銀色のアルミ製のキャップのようなものがポコッと付いていると思います。それが封印です。
2 封印の意味
では、封印は、何のために付けられているのでしょうか。
普通車が運輸支局で正式に登録され、しかるべき検査を受けた後に、ナンバープレートを取得しますが、封印は、このような正式な登録手続きを経たことの証拠となります。
封印については、「道路運送車両法施行規則第8条」に以下のように規定されています。
「封印の取りつけは、自動車の後面に取りつけた自動車登録番号標の左側の取りつけ箇所に行うものとする。」
この「自動車登録番号標」とは、普通車や小型車などの登録車のナンバープレートの正式名称です。他方、軽自動車のナンバープレートの正式名称は「車両番号標」と言います。よって、上記の条文から分かるように、軽自動車には封印が義務付けられていません。
また、封印には、ナンバープレートの取り外しや車両の盗難を防止する役割もあります。
ですから、封印が外れたり破損した場合には、再封印の手続をする必要があります。
3 行政書士間での封印の郵送
ざっくりと封印というものをイメージしていただいたところで、冒頭のお話に戻りたいと思います。
遠方の他県にある普通車を購入した場合、例えば、奈良県の人が福岡県のディーラーが所有する普通車を購入したとします。
この場合、奈良県の運輸支局において、自動車の登録をする必要があります。
福岡県のディーラーさんから、奈良県の行政書士に電話があり
「奈良の運輸支局で登録して、封印を送ってもらえませんか?」と言われることがありますが、行政書士が取得した封印を福岡県のディーラーさんに送ることはできません。
となると、福岡にある車両を奈良県まで陸送して、奈良の運輸支局で登録するか
又は、奈良県で車両の登録をした行政書士が福岡まで出向く
そういったことがあり得ますが、これはコストが高くつきます。
ただ、丁種出張封印の制度が緩和され、現在は、丁種出張封印の取りつけ作業を行うことができる行政書士(丁種出張封印会員名簿に登載され、封印取付作業についての賠償責任保険に加入している者)の間であれば、封印の郵送でのやり取りができるようになっています。
ですので、上記の場合ですと、福岡県のディーラーさんが近くの行政書士Aに登録業務を委託して、その行政書士Aから奈良県の近くの行政書士Bに再委託をするという形で業務を行います。この場合、行政書士Bが奈良の運輸支局で車両の登録をして、その車両の封印を行政書士Aに郵送し、Aが福岡のディーラーさんに置かれている車両に封印の取りつけ作業を行うということになります。
4 奈良県のローカルルール
上記のように封印は丁種出張封印の取りつけ作業ができる行政書士間で郵送によるやりとりができます。ただ、奈良県での登録と封印に関しては、以下のような注意が必要です。
先程の事例で言うと、当該中古車の旧所有者が大手の中古車メーカーなどで、奈良県での封印取付作業をする資格を持っている場合です。この場合、奈良県では、丁種出張封印取付作業ができる行政書士が自動車の登録をして封印をもらおうとしても陸運局は封印を出してくれません。こういった場合は、旧所有者である中古車メーカー自身が出張封印してねということになっているわけです。
他県の方で、あれ?と思われる人もいらっしゃるかもしれません。例えば、先程の事例で、中古車の買主が大阪府に居住していて、大阪で登録する場合には、大阪の丁種出張封印の取りつけ作業ができる行政書士が登録、封印をすることはできることになっています。
まさに、これがローカルルールなのです。というわけで、今後、奈良県でも大阪と同じようになる可能性もなくはないということになります。ただ、現状では、こういったローカルルールがあるということをお伝えしておきます。
奈良県で丁種封印取付作業ができる行政書士はわずかですが、当事務所では、丁種封印取付作業ができる事務所となっておりますので、何かございましたら、お気軽にご相談下さい。
特定行政書士、申請取次行政書士(immigration lawyer)
AFP、法務博士、コスモス成年後見サポートセンター会員
若林かずみ(wakabayashi kazumi)
和(yawaragi)行政書士事務所
tel; <a href=”tel:0745277711″>0745-27-7711</a>
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