こんにちは、相続手続きと遺言書作成を専門にしております
行政書士 奥本雅史事務所の奥本です。
元号が令和に変わって2週間ほどが過ぎました。仕事で作成する書類にも何度か令和元年と入れましたが、平成と30年以上も書いてきたので、まだまだ慣れず、なんだかぎこちない感じがしています。
皆さんはもう令和と書くのに慣れられましたか?
さて、前々回のコラムでは公正証書遺言のメリットを、前回はそのデメリットについて見てきました。
公正証書遺言は現在のところ、確実性、信頼性、安全性において一番優れていると言えます。ですがその反面、費用と手間がかかるため作成や書き直しを気軽にすることは出来ないという問題点がありました。
一方、自筆証書遺言には費用面での優位性があります。
しかし、全文自筆で書かなけばいけない点、保管面での不安、検認が必要なことなど多くのデメリットもありました。
そこで、自筆証書遺言のデメリットを解消し利用を促進するために民法の改正(自筆証書遺言に財産目録を添付する場合は自筆でなくとも良い、という自筆要件の緩和)が行われ、それと併せて『法務局における遺言書の保管等に関する法律』が制定されました。
この法律はすでに公布はされていますが、施行が令和2年7月10日からとなっており、まだ手数料等についての詳細な部分が決まっていません。
ですがこの法律が施行されると、自筆証書遺言を法務局で預かってもらえるようになります。
これにより、遺言書の紛失や改ざん、隠蔽などの心配が無くなり、またこの制度を利用した際には検認の手続きも不要となるため、自筆証書遺言のウィークポイントは大幅に縮小することになります。
(なお、施行前には法務局に保管の申請をすることはできませんのでご注意ください。)
前回の最後に「公正証書遺言の優位性が“絶対”とまでは言えなくなるかもしれない」とお話ししたのはこのためです。
では次回は、この制度についてもう少し詳しく見ていきたいと思います。
行政書士 奥本雅史事務所
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