離婚相談。その前に…。まず心の整理を。

行政書士 若林かずみ

初めまして。奈良県王寺町で開業しています。
行政書士の若林かずみです。
今回は離婚相談について書いてみようと思います。

【はじめに】
私が法律の勉強を始めてから多く受けた相談。
それは「女性からの離婚相談」
多いんですよね~。(*_ _)
離婚を考えているご本人からの相談もあれば、
その身内の方からのご相談もあり。
学生の頃は恋愛相談だったのが、年を重ねるにつれ離婚相談に…
ただ、専門家に相談する前に、
「ご自身の心の整理」
これだけはやっておいて欲しいんです。(^_-)-☆

【心の整理をせずに相談すると、こんなことに…】
ある日のこと(以下の物語はフィクションです)。
ご無沙汰している知人からの電話。
何かあったのかな??と思いつつ出ると
「あの…。うちの息子が…」
何かありましたか??
「うちの息子の嫁が、子供を連れて出て行ってしまったのよお~」
えーー。それは大変なことに…。
「大体、あの嫁は、結婚当初から変だったのよ!」
そうですか…。
「あんな嫁とは離婚よ!」
離婚の相談かな???子供を連れて出たんやもんなー。取返したいんやろ。お孫さん。
「最近、その嫁なんやけど、子供を連れて一度帰ってきてね!
今後は、子供を置いて出て行ってしまったんよ!
ありえへんでしょ??」
あれ?子供を取り返したいわけではない…。
「嫁の親とも話をしたけど、もーーー。アカン。自分の子供かわいいやから
話が通じへんのよ!」
家族ぐるみで話がこじれているわけですね。
「大体、うちの息子も煮え切らへんから!嫁にちゃんと言えばいいのに!
ほんと!あの嫁はアカン!そもそも……(嫁姑トラブルのような話に展開)」

むむむ…。
ちょ、ちょっと待って下さい。
話を整理しましょう!

お母様としては離婚させたいみたいですが、
ご子息は離婚の意思を嫁に伝えているのでしょうか?
「それを言わないのよーーー」
言わないだけで離婚するかどうかは決めているのでしょうか?
「息子は離婚するつもりだと思うのよ」
思うって…、お母さんがそう思っているだけで違うかもしれませんね…。
子供さんは手元にいらっしゃるわけですよね。
お金の要求をされているとか、何かそういうこと、ありますか?
「……。どうやろ?」

ご子息様としてはどうされたいのでしょう?
「……」

こういうこと。よくあります。
ご相談をいただいたときに、
法律的に解決する方法をこちらとしても模索はするのですが、
そもそも、離婚するかもしれない当事者夫婦の意思が決まっていないことには話は進まない。
とかく、女性は感情が先走りやすいので、
一度、自分自身の心を整理してから相談される方がいいですね。
(#^.^#)

【心の整理のポイント】
ポイントは大きく2つ。
Ⅰ.身分関係
Ⅱ.財産関係

身分関係というのは、
離婚するのかどうか、離婚するのであれば子供はどうするのか、など。

財産関係というのは、
結婚している間に二人で築いた財産をどうするのか、養育費、
相手に不貞行為(不倫など)があった場合の慰謝料請求、など

最終的には、こういった法律問題に乗せていくのですが、
まず、その前に…

【素朴な思いを紙に書きだそう!】
自分がどう思っているのか
自分がどうしたいのか
その素朴な思いを紙に書きだしていくことで心の整理をすることができます。

以下のような項目に沿って、もっと素朴な気持ちの整理をしましょう。

☆自分の気持ちの確認☆
〇離婚を考えている理由は何ですか?
①理由: ②いつ頃から: ③それは解決・解消できますか:
〇離婚を決意できない原因・迷う理由は何ですか?
①理由: ②それは解決・解消できますか?
〇結婚当初と現在の配偶者への率直な気持ちを書いてみましょう。
①プラス面  ②マイナス面
〇夫婦関係を再構築できる可能性はありますか?そのために必要なことは?
〇離婚について相談できる人はいますか?それは誰ですか?
〇(子供がいる場合には)子供にきちんと離婚の理由を話すことができますか?
どのような話をするのか具体的に書いてみましょう。

☆離婚後のライフプラン☆
〇当面の生活費は確保できていますか?金額も書いてみましょう
〇自分の一か月の生活費を把握できていますか?具体的に何にいくら必要か書いてみましょう。
〇離婚後のライフプランを具体的に書いてみましょう。
①住む場所 ②仕事と働き方  ③心の支えになること
〇(子供がいる場合は)離婚後の子供と生活を具体的に描けていますか?
①生活スタイル  ②必要な養育費と工面の方法

(参考:「イラストと図解でよくわかる!前向き離婚の教科書」 監修:森元みのり 「株式会社 日本文芸社」 出版)

【終わりに】
離婚というのは、人生の一大事です。
自分はどうしたいのか?
離婚相談をしてお話をしながら自分の思っていることを発見することもできますが、
その前に、一度、ゆっくりと時間をかけて
自分自身の心の声に向き合ってみるのが良いと思います。(#^.^#)

 

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