こんにちは。奈良県で活動している行政書士の武村直治です。
私のコラムではここしばらく農地の転用についてお伝えしているのですが、今日はこれに関連する話題について書きたいと思います。
昨年末より奈良県内の大和川流域が特定都市河川に指定されました。
ちなみに特定都市河川とは、、、
- 都市部を流れる河川
- 流域において著しい浸水被害が発生、また発生するおそれがある
- 市街化の進展によりダムや河道などの浸水被害の防止が困難である
これらの3要件を全て満たした場合に指定される河川のことです。
(その河川の流れる流域を河川流域と呼びます。)
大和川が上記特定都市河川に指定されたことにより、下記要件を満たす場合には新たな許可が必要となります。
【令和3年12月24日に奈良県内の大和川流域が特定都市河川に指定されたことに伴い、特定都市河川流域内の宅地等以外の土地において、次に掲げる行為(以下「雨水浸透阻害行為」という。)であって雨水の浸透を著しく妨げるおそれのある1,000平方メートル以上の規模以上のものを行う場合、知事の許可が必要になります。
1.宅地等※にするために行う土地の形質の変更
2.土地の舗装(コンクリート等の不浸透性の材料で土地を覆う行為)
3.ゴルフ場、運動場その他これらに類する施設(雨水を排除するための排水施設を伴う ものに限る)を新設し、又は増設する行為
4.ローラーその他これに類する建設機械を用いて土地を締め固める行為(既に締め固められている土地において行われる行為を除く)
奈良市域での行為については、奈良市長の許可が必要になります。】
どういう趣旨かをごく簡単に説明すると、上記1~4が行われる場合にはその各土地において排水量が増加するおそれがあり、それが水路を通り川等に流れ込みます。結果として大和川やその流域の浸水被害の可能性の増大につながるため、貯水池を作るなど対策を行い排水量を抑えてくださいということです。
これについては少し困っています。
奈良県の多くの市町村がこの特定都市河川流域に指定されており、ほとんどの案件で上記1~4に該当するため、1000㎡を超える土地について毎回検討する必要があります。
また許可の要否について判断に迷うような微妙な場合、モデルケースが少ないため担当課もやや手探りで対応している状況のようであり、詳細な基準についてはもう少し時間を要する模様です。
これについてはまた新たな情報があればお伝え致します。