こんにちは。
介護・福祉の専門オフィス
行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。
朝晩はだいぶ涼しくなってきましたね。
秋の気配が近づいています。
みなさん、本日からラグビーワールドカップが始まりますね!
日本でラグビーはメジャーなスポーツとは言えないかもしれませんが、このラグビーワールドカップは世界3大スポーツイベントとも言われるほど、世界的に注目度が高いようです。
前回、2015年に英国で開かれた大会では強豪の南アフリカに大金星をあげ、「史上最大の番狂わせ」なんて言われました。五郎丸ポーズも流行し、盛り上がりましたよね。
今回は日本で開催されます。
日本代表選手のみなさんは並々ならぬ気合いで試合に臨まれるでしょう。
ラグビーならではの激しいぶつかり合いは見ごたえ十分です。
楽しみですね~
きっと感動的な試合を見せてくれるに違いありません。
みんなで応援しましょう!
それでは、本題に移ります。
今回は成年後見制度を利用する際にかかる費用について書いてみようと思います。
というのも、成年後見制度に関するご相談を受ける中で、費用についてのご質問がけっこう多くあります。お金がないと利用できないと考えている方もいらっしゃいますし、不安に思っている方も多いです。
そこで、費用を公的に補助するための「成年後見制度利用支援事業」という制度についてまとめてみました。
まず、成年後見制度を利用するためにかかる費用として、
①申立てに伴う費用
②成年後見人等の事務の遂行に伴う経費としての費用および報酬
の2つがあります。
以前のコラムでも紹介しましたが、
① 申立てに伴う費用は、原則として申立人において負担すべきものとされています。
② 後見事務に関する費用および成年後見人等の報酬は、成年被後見人等の資産から支弁するものとされています。
(ただし、成年後見人等の報酬は、成年後見人等の「報酬付与の審判の申立て」に基づいて、家庭裁判所が成年後見人等および成年被後見人等の資力その他の事情を考慮して決定することになっています。)
つまり、報酬を支払うことで、成年被後見人等の生活ができなくなるということがないように家庭裁判所が考慮して決定します。
このように費用について法律で定められていますが、正確に理解していないと、
「後見人を頼めば毎月お金がかかる」
「お金がないと利用できない」
と考える方が非常に多いです。
様々な事情で申立費用や成年後見人等の報酬が負担できない方もいらっしゃいますが、成年後見制度を利用するための一つの方策として「成年後見制度利用支援事業」があります。
この事業は、成年後見制度の利用に伴う費用と後見報酬等の費用を公的に補助しようというもので、実施する市町村の予算に対し国が2分の1、都道府県が4分の1を助成するというものです。
国は助成を行う場合の上限の参考単価を次のように示しています。
- 経費:申立手数料800円、 登記手数料2600円、 鑑定費用 5~10万円、など
- 成年後見人等の報酬(上限)
:在宅 月額2万8000円
:施設入所 月額1万8000円
ただし、成年後見制度利用支援事業は市町村のメニュー事業であり、事業の実施は市町村の選択に委ねられています。平成30年10月1日時点で高齢者関係の申立費用及び報酬助成を実施している市町村は1,480(85%)となっています。
また、実施している市町村の場合でも、
・申立費用のみの市町村44(2.5%)
・成年後見人等の報酬のみの市町村126(7.2%)
というように、助成の内容に違いがあります。
(厚生労働省資料:成年後見制度利用促進施策に係る取組状況調査結果)
みなさまのお住いの市町村が事業を実施しているかどうかは、市町村の例規集やホームページで確認できるところもありますが、情報を出していない市町村もあるため、直接担当課へ問い合わせてみてください。
そして、まだ成年後見制度利用支援事業を実施していない市町村もあるようです。財源の確保などの課題もあると思いますが、全市町村において成年後見制度利用支援事業が実施される必要があります。
判断能力が低下すれば、お金があってもなくても「本人の権利を護る」ことは絶対に必要です。資力がないからといって成年後見制度が使えないということはあってはならないと思います。
成年後見制度が「お金のある人の財産管理のための制度」ではなく、誰でも利用できるようにするためには、資力のない人への公的財政支援は不可欠です。
これからは財産管理だけではなく、身上保護にも力を入れた後見活動が望まれます。成年後見制度が安心して使える制度になるためには、引き続き改善が必要ではないでしょうか。
成年後見制度をはじめ、介護・福祉に関するお悩みはよしかわ事務所へどうぞお気軽にご相談ください。