入管は偏見の塊・国際結婚その1

奈良県王寺町で開業しています。

特定行政書士&申請取次行政書士の若林かずみです。

今回からは、外国関連のコラムを書いていこうと思っています。

 

1.はじめに

 

私が学生時代を過ごした京都は、昔から比較的外国人の多い街でした。

一方で、奈良県は…というと、観光地の割に、そんなに外国人を見かけないな~という印象でしたが…、

最近は、奈良も、外国からいらしてる方もなんだか多いですよね。

世界遺産の春日大社に参拝に行くと、

「ここは、中国ですか?」と思うぐらい中国語が飛び交っているときもあります。

変われば変わるものです。

 

そして、

今後は、観光客以外に、

外国人の技能実習生(※)と言われる人が増えることも予想されます。

 


※外国人技能実習制度とは、どのようなものかといいますと…。

 

これは法務省と厚生労働省が両方で管轄している制度で、両省の説明によると、以下のようなものということになりますが、

簡単に言うと、外国人が日本に来て、日本で技能を学び習得して、自国へ帰り、その技能を自国で活かしていくための制度ということになります。

 

『技能実習制度は、開発途上地域等への技能等の移転を図り、その経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とする制度として、我が国の国際貢献において重要な役割を果たしています。技能実習法は、技能実習に関し、技能実習計画の認定及び監理団体の許可の制度を設け、これらに関する事務を行う外国人技能実習機構を設けること等により、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るものです。技能実習法は、平成28年11月28日に公布されました。』(厚生労働省HP:「パンフレット・技能実習法が成立しました!」

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000167113_5.pdf

 

ただし、どのような職種であっても外国人の技能実習が認められているというわけではなく、一定の職種に制限されています。そして、その対象職種として、昨年、介護職種が追加されました。

これにより、今後、介護職種での外国人技能実習生の増加が予想されています。

 


 

技能実習生に関して、次のようなホットなニュースがあります(^^♪。

 

 

先日、平成30年7月1日、介護職種では初の外国人技能実習生となる中国人女性2人が、中国大連から福岡に到着しました。今後、5年間に亘って、宮崎県内の施設で勤務する予定となっています。今回の受け入れを端緒として、今後、全国各地での実習生の受け入れが続くことが予想されています。

 

こうして、今後、外国人の入国が増えることが予想されます。それによって増えるものの一つに「国際結婚」が考えられます。

どこに行っても、男と女。

ですよね~。(^_-)-☆

 

では、次に、国際結婚の手続きについて簡単に説明します。

 

2.国際結婚の手続き

 

さて、国際結婚となりますと、日本人同士が結婚する場合のように

市区町村役場でサクッと手続きが終わるわけではありません。

 

国際結婚の手続きには、2つの側面があります。

①    結婚する二人の国別に行う「婚姻手続」

②    外国人配偶者が日本で滞在するための資格である「在留資格(ビザ)」を取得する手続

 

①    ②ですが、それぞれ、手続きをする役所が異なります。

 

①    は、主に、市区町村役場、法務局、大使館・領事館。

②    は、入国管理局、大使館・領事館。

 

このように役所の管轄が異なることから、①で婚姻手続きがオッケーとなっても、②がオッケーとなるとは限らず…。

仮に婚姻が有効に成立したとしても、適法に在留資格を取得できなければ、婚姻をした二人が日本に住むことはできないという事態も生じかねないのです。

 

婚姻手続きについては、自分自身で行って、在留資格の申請のみ行政書士に依頼するという方も多いのですが、

婚姻手続きは国によって異なり、自分で書類を揃えた!と思っていても、改正などもあって書類不備ということも起こりかねません…。

ですので、ご自身で婚姻手続きをされる場合には、

相手の国の日本大使館・領事館や市区町村役場に確認しながら進めるようにして下さい。

 

3.配偶者ビザについて

 

配偶者ビザとは、上記の国際結婚の手続の2つ目、外国人配偶者が日本で滞在するための資格である「在留資格(ビザ)」のことです。

 

配偶者ビザの申請では、二人の出会いから交際の経緯まで、全て聞かれると思ってください。とはいえ、それを面接されるのではなく、あくまで「書面」審査。

あくまでも書面で証明できていることが必要なんです。

つまり、正真正銘、交際している二人でも、書面上、「これ、偽装結婚じゃないの?」と疑われるような記載があれば、申請は許可されないことがあります。

最近の偽装結婚増加により、審査が厳しくなっていますので、きっちりと書面を揃えることが必要となります。入管は偏見の塊。疑われていると考えて対応するぐらいで丁度良いと思っておいてください。

 

そういう意味では、やはり、配偶者ビザに関しては、専門家である申請取次行政書士にお任せいただくのが安心です。

 

特に、不許可になりやすいのは、以下の案件です。

〇夫婦の年齢差がかなり大きい場合

〇結婚紹介所のお見合いによる結婚の場合

〇出会い系サイトで知り合った場合

〇日本人の配偶者側の収入が低い場合(アルバイト・フリーター・無職など)

〇日本人の配偶者側に過去外国人との離婚歴が複数ある場合、又はその逆のパターンの場合

〇出会いがスナック、キャバクラなどの水商売のお店の場合

〇交際期間がかなり短い場合

〇交際期間を証明できる写真をほとんど撮ってきていなかったので写真がほとんどない場合

〇結婚式を行っていない場合

(引用元;「必ず取れる 日本人の配偶者ビザ!国際結婚手続きガイド」83頁、小島健太郎著・セルバ出版)

 

上記のように不許可になりやすい場合は、特に専門家である申請取次行政書士にお任せ下さい。

 

4.出会いから何回目の結婚なら正真正銘のカップルなの??

 

上記の「不許可になりやすい案件」の中に、「交際期間がかなり短い場合」というのがあります。

これが絶対…とか、そういうことはないのですが…。

やはり、実際に会って2回目で結婚というのは、基本的に申請は許可されないと思っていただいていいと思います。

そういう場合は、あと1回なり、数回、会ったという実績を作ってもらってから申請するという形にしていただいた方が良いかと思います。

 

会って2回目でも、「偽装じゃないんです!愛し合って結婚するんです!」

そりゃ、そういう方もいるでしょう。

でも、「入管は偏見の塊」なんです。基本的に疑われている。色眼鏡で見られている。

そう考えて対応してください。

だから、疑われないだけの書面上の実績が必要となるのです。

 

5.終わりに

 

国際結婚の案件に数件あたっていると、

SNSでの出会いでの結婚って、結構あるんだな~と、

そして、昭和人間の私からすると、

「結婚までに2~3回しか会ってないなんて、あり得ない!そら、怪しすぎるやろ~」というのが正直なところでした。

 

ところが…。

最近、知り合った30代男性。

昨年、20代の女性と結婚されたとのこと。

馴れ初めを伺うと…、

な、な、なんと!SNSでの出会い。そして、会う前にSNS上でのプロポーズ!

そして、初めて会ったときには、結婚を決めた…。。。。。

 

時代は平成。いやいや、平成も来年で終わり。

さらに時代は進んでるんだ…と思った昭和な私でした…。(^^♪

 

和(やわらぎ)行政書士事務所

特定行政書士・申請取次行政書士・AFP・法務博士

若林 かずみ

←前の記事   ページの先頭へ↑        次の記事→