ドローンは必ず機体登録しないといけない?

こんにちは、行政書士の奥本です。
今日は、部屋でトイドローンを飛ばしながらお送りしています。

トイドローンって何?という方のために少しご説明します。
トイは英語でおもちゃですので、「おもちゃのドローン=小さなドローン」ということで重さが100g未満のドローンをこう呼びます。

僕が今飛ばしている物は掌に載るぐらいの小さなもので、重さわずか28g、価格は2000円ちょっとです。

こんなに小さくて安価なマシンなのに、思い通りに空を飛び回らせることができるのですから科学の進歩には驚かされます。

さて、重さ100g未満のものをトイドローンと呼ぶのは100g以上のものと区別をするためなのですが、100g以上のドローンと何が違うのかというと、屋外で飛行させる場合に機体登録をすることが義務付けられているという点です。
(車のナンバープレートみたいな物だと思っていただければいいと思います)

かつては200g以上のドローンに対して登録義務があったのですが、航空法改正により2022年6月20日から100g以上の機体について登録することが必要になりました。

登録申請は、オンラインまたは郵送で行います。申請書に身分証明書、手数料を添えて手続きをすると、国土交通省での審査を経て固有の登録記号が発行されます。

登録された機体の所有者はドローンの飛行を開始するまでに、発行された番号を『機体に表示する事』が義務付けられています。

機体への表示は、アラビア数字またはアルファベットの大文字により、耐久性のある方法(印字したシールを貼付する、油性ペンでの記載、スプレーでの塗装、刻印など)を用いて行わなければなりません。

僕はビニールテープに手書きして貼り付けました

また数字および文字の高さは、25kg未満の機体は3mm以上、25kg以上の機体は25mm以上で、表示する場所の地色と鮮明に区別できる色で表示しなければならない、という規定が定められています。

表示する位置は、胴体部の表面で外部から容易に確認ができ、ドライバーなどの工具を用いず容易に取り外すことができる部分(バッテリーの蓋など)以外の場所を選ばなければなりません。
これは、ドローンを拾得した者が登録記号を容易に確認することができ、墜落時に飛散する可能性が低い場所に表示させる必要があるためです。

実は、ドローンは思っている以上に風に弱く(トイドローンを室内で飛ばしている時も、エアコン程度の風でコントロールを失います)、墜落のリスクが決して低いとは言えないため、このような規定が設けられていると思われます。

万が一の事故が起こった時に所有者を特定するためにも大切なことですので、機体登録を忘れないようにお願いします。

←前の記事 ↑ページの先頭へ

行政書士奥本雅史事務所
http://okumoto.tribute-mj.net

令和6年度介護報酬改定情報

こんにちは
行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川です。

少しずつ暖かくなってきましたが、まだまだ寒暖の差が激しい今日この頃です。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。


春に近づき嬉しく思う反面、同時に花粉症の季節も近づいてきて何とも複雑な気持ちで
す。
季節の変わり目では、体調をこわしやすいのでどうかお気を付けてお過ごしください。

さて、介護業界では令和 6 年4月からの介護報酬改定を控え、対応に追われる日々が続
いているのではないでしょうか。

この度の介護報酬改定の改定率は、「+1,59%」になることが公表されました。
内訳としては、介護職員処遇改善分が「+0,98%」その他の改定率が「+0,61%」
となっています。

マイナス改定ではなかったので、ひとまずホッとしている面はありますが、介護職の
方々の給料にどのくらい反映されるのかしっかり注視していく必要があると思います。


また、物価高が続いて介護事業所の経営も大変になっています。
この改定によって、少しでも介護業界が安定して事業者と従業者が共に安心して仕事に取り組めるようになることを願っています。

なお、介護報酬改定の施行日は、サービス種別によって、令和 6 年 4 月と6月に分か
れます。

多くのサービスは 4 月から施行されますが、訪問看護・訪問リハビリテーショ
ン・通所リハビリテーション・居宅療養管理指導は 6 月施行とされています。

介護職員の処遇改善も現行の各加算・各区分の要件や加算率を組み合わせて新しく 1 本
化されます。こちらの施行時期も 6 月提供分からとなっておりますが、移行に必要な準
備期間を設けるようです。詳細は厚生労働省のホームページなどでチェックしていただ
ければと思います。

介護報酬が変わるということは、ご利用者への説明が必要です。
契約時に用いる重要事項説明書や契約書を見直して現行に合わせていかなければなり
ません。また、事業所ごとに改正に合わせた運営規程の見直しも必要です。

ただでさえ忙しい中で、このような作業に取り掛かる時間を捻出するのは大変なことで
す。人手不足も改善の兆しが見えないところではありますが、今回の報酬改定が介護業
界で働く方にとってプラスになることを切に願っています。

前の記事  ページの先頭↑

介護保険制度改正について

こんにちは。
行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川です。

年末に近づき、気忙しい日が続いています。また、強烈な寒波で凍える寒さですね。
インフルエンザやコロナもまだまだ油断できない状況ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

これからのシーズンは一段と外出の機会が増えると思いますので、お気を付けてお過ごしください。

さて、前回に引き続き令和 6 年度介護保険制度改正の情報です。
前コラムで BCP(業務継続計画)の策定が全ての施設・事業所に義務付けられた点に触れました。

これまでは経過措置の期間が設けられていましたが、令和 6 年 4 月からは必ず策定しなければなりません。そこで、厚生労働省は BCP(業務継続計画)を策定していない施設・事業所に基本報酬の“減算”を導入するようです。

ただし、この減算についても、一定の経過措置を設ける方針とのことです。
令和8年度末までの概ね 3 年間に限り、「感染症の予防・まん延防止の指針」と「非常災害対策計画」を整備していれば減算を免除するとなっています。
(厚生労働省ホームページ 第 232 回社会保障審議会介護給付費分科会資料より)

BCP 未策定減算は、細部の規定や単位数など具体的な検討はこれからのようですが、いずれは必ず策定しなければなりません。まだ BCP を策定されていない場合は、お忙しいとは思いますが少しずつ進められることをおすすめします。

一方で、明るいニュースもありました。

先日、来年度の介護報酬改定における全体の改定率が発表され、1・59%引き上げる方針が決定しました。「介護報酬」は介護職員の給料の原資となります。

これがプラス改定されることとなりました。

日頃から頑張っている介護職員の方にとって、どの程度給料がアップするのか期待が高
まりますね。

厚生労働省の調査では、2022 年の厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、賞与込みの給与で介護職員は月 29 万 3000 円。
そして、全産業の平均が月 36 万 1000 円。
比較すると、介護職員は全産業の平均よりも 6 万 8000 円低くなっています。
まだまだ、追いつくには遠い感じがしますが、この差が少しでもなくなることを願います。

他業種の賃上げが進み、介護職員の給料が相対的に低くなっているため、他の業界に人材が流出しています。人手不足がより深刻になってきている状況で、今回の報酬アップが少しでも歯止めになればいいのですが・・・
このままでは人手不足で介護保険のサービス自体が維持できなくなるのではないかと危惧しています。

依然としてコロナやインフルエンザ等の感染症への警戒が続き、地震や水害などの大規模災害の対策も急務となっています。年々介護事業所の運営は厳しさを増しているように感じます。

介護サービスは、要介護者、そのご家族等の生活を支える上で欠かせないものです。

だからこそ、事業者の皆様はどんな時でも利用者に必要なサービスを継続的に提供できる体制を構築すべく、不断の努力をされていることと思います。

慢性的な人材不足という大きな課題を抱えながら施設・事業所を運営されている介護業界の皆様にとって、報酬アップが少しでも明るいニュースとなり、今後も明るいニュースが少しでも増えることを切に願っています。

前の記事  ページの先頭↑  次の記事→

介護事業所の書類についての電子申請化

こんにちは。行政書士の武村直治です。

ここ数年、仕事柄電子申請についての話題をよく耳にします。ただ扱う書類については国で統一された雛形でなく県や各市町村ごとの様式による書類も多いため、「ほんとに実現する日は来るのかな?」なんて考えていました。 同じ業種の案件でも市町村によって記載の方法や揃える書類、求められる内容や基準なども違うため、今でも他府県からの依頼などがあった場合は、たとえそれが常に受任している業務でも期限内に完了できるかという点で怖さを感じることがあるのですが、その辺が電子申請化を阻む大きな要因の一つになっています。

今回は行政書士ではなく社会保険労務士の業務範囲のお話しではありますが、今年は介護事業所の電子申請化に向けて進展がありました。

上記介護事業所と自治体の書類のやりとりについては、すでに2022年より「電子申請・届出システム」というものが存在しています。しかしながらまだまだ運用している自治体は少なく、実際には約1700ある市町村のうち数十程度しか利用されていないようでした。

これに対し今年、厚労省は「介護事業者と自治体との書類のやりとりについては電子申請・届出システムを利用すること」を原則化する方針を示し全国の自治体に向けて早急の利用開始を要請するとともに、2025年までに全ての自治体に導入してもらう計画を立てました。

また、国が定める各書類の標準様式を手続きに用いることも原則化するようです。これはすごく羨ましい、、、。

我々が扱う書類はボリュームがあるものも多く補正などもあるため、実は「電子申請=ただただ便利」という訳でもありません。実務上は直接提出に行った方が軽微な補正がすぐ済んだりして便利な場合もあります。

しかし電子申請が進み、同時に国が定める書類の標準様式でも対応可能という状況になれば、遠方の依頼でも1件の申請書の提出だけで往復時間も含めて半日ちかく時間を要することもなくなります。僕は奈良県で活動していますが、遠方の依頼の場合は提出作業だけで丸1日かかったこともありました。また、自信をもって提出に行ったのにその地域では要件や必要な書類が違って書類を持ち帰るなんてことも経験しています。個人的にはこの状況g亜改善されるとすごく嬉しい。

各業界で少しずつ進展がみられる電子申請ですが、こんな感じで早く当たり前になっていけばよいなと思います。

任意後見契約解除の道のり

奈良県王寺町で開業しています。

特定行政書士&申請取次行政書士&AFPの若林かずみです。

今回は、任意後見契約を解除した際に困ったことについて書きたいと思います。

私は、開業後の早い段階で任意後見契約を締結することになりましたが、

この度、その契約を解除することになりました。

実質的には、当事者双方の合意による解除ですが、

合意解除で手続を進めようとすると、

被後見人予定者である方も公証人役場に出向く必要があります。

被後見人予定者は、出向くのが難しい状況でしたので、

私一人だけで手続を進めるために、

私からの一方的解除ということにしました。

一方的解除として、公証人役場で公証をいただくまではスムーズだったのですが、

この後に、思いがけない落とし穴がありました。

任意後見契約が終了した登記をする際のことです。

今回は、任意後見契約を締結しただけで、被後見人予定者が認知症などになる前、

すなわち、契約が発動前、

「任意後見監督人選任前」ということになります。

この任意後見監督人選任前の一方的解除の場合、

終了登記するためには、登記申請書の添付資料として

◎「『解除の意思表示が記載され公証人の認証を受けた書面』(←公証人役場で公証された書類のこと)を配達証明付内容証明郵便として被後見人予定者に送付した謄本」

◎配達証明付内容証明郵便が被後見人予定に配達されたことを証明する「配達証明書」

上記の2つが必要となります。

これら2つがあって初めて、被後見人予定者が契約解除されたことを認識したことになるわけです。

というのも、合意解除と違って、被後見人予定者は公証人役場で公証人と面談していないので、このような書類が必要となります。

さて、この「配達証明付内容証明郵便」。

これを取得するときに、困ったことになりました。

そもそも、配達証明付内容証明郵便は、できる郵便局と、できない郵便局があり、

これについては、郵便局のHPで簡単に調べることができます。

そこで、配達証明付内容証明郵便ができる郵便局において、

『解除の意思表示が記載され公証人の認証を受けた書面』を配達証明付内容証明郵便で発送したいと伝えたところ、公証人の認証を受けた書面を配達証明付内容証明郵便では送れないと言われてしまったんです。。。

これは困った…と思い、法務局に問い合わせたところ、

「よくあるんですよ…。とにかく、できる郵便局を探して下さい」

ええーーーーっ!

そんな…。

1つ1つ郵便局を当たっていくの??

考えた末、

県庁内の郵便局なら、色々な文書も発送しているだろうし、できるのでは?

と思い、県庁の郵便局に問い合わせたところ、「できる」とのことでした。

というわけで、無事に、配達証明付内容証明郵便を送ることができ、登記まで完了することができました。

というわけで、できない郵便局もありますが、探せばなんとかなるということも分かりました。やれやれ。

特定行政書士、申請取次行政書士(immigration lawyer)

AFP、法務博士、コスモス成年後見サポートセンター奈良県支部会員

若林かずみ(wakabayashi kazumi)

和(yawaragi)行政書士事務所

http://kazumi-wakabayashi-nara.com/

tel; <a href=”tel:0745277711″>0745-27-7711</a>

fax:0745-32-7869

←前の記事    ページの先頭へ↑

ドローン関連の申請サイトの変遷

こんにちは、行政書士の奥本です。
徐々に私達の身近な存在になりつつあるドローン。
テレビ番組でもドローンによる空撮映像を頻繁に見かけるようになってきました。
今回はそんなドローンに関する申請サイトの変遷について書いてみたいと思います。


もしあなたがドローンを買ったとしても、『さっそく飛ばしてみよう!』と早まってはいけません。
空中を飛行するドローンには、墜落のリスクや航空機との接触など様々な危険が伴うために、各種の法律で厳しく規制がなされており、実際飛ばすまでに、それらドローンに関する法律について十分に理解しておく必要があるからです。

2015 年 4 月に首相官邸の屋根にドローンが墜落した事件をきっかけにして航空法が改正れ、それまで航空法の規制対象外だったラジコンの飛行機やヘリコプターまでも含めた『無人航空機』のルールが定められることとなりまし た。

その後、次第に制度が整えられていくのですが、つい最近まで各種の申請手続きを行うためのサイトがバラバラだったせいで随分不便でした。

では、各サイトの開設時期を順に並べて見ていきましょう。

2018年4月

【DIPS】=飛行許可等の申請を行うサイト(航空法の改正により、無人航空機を飛行させるために一部空域で許可・承認が必要となったことに伴い開設)

2019年4月

【FISS】=飛行計画を通知して共有するサイト(「飛行計画の通知義務化」に 伴い開設)


2021年12月

【DRS】=機体情報を登録するサイト(ドローン登録制度創設に伴い開設)

このようにドローンを飛ばすためには、3つに分かれた別々のサイトで、それぞれ申請手続きを行われなければならなかったわけです。


しかし 2022 年 11 月に、これら3つのサイトが統合された【DIPS2.0】が開 設、窓口が一本化されて利便性が大きく向上しました。

ドローンに関する制度についてはまだまだ整備の途上で、法改正や制度の創設・変更などが頻繁に行われています。

ですので、我々行政書士も政府の動向を注意深く見守っているところです。
これからもドローンに関する情報をどんどんシェアしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。


←前の記事  ↑ページの先頭へ 次の記事→


行政書士奥本雅史事務所
http://okumoto.tribute-mj.net

介護保険最新情報の気になるポイント

こんにちは。行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川です。


少しずつ気温が下がってきて、そろそろ冬支度を始めようと思う今日この頃です。
日中は過ごしやすい気候で、お出かけにはとても良い季節ですね。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回のコラムでは、気になる情報がありましたのでご紹介したいと思います。

10月4日に、厚生労働省から介護保険最新情報 Vol.1174 が出されました。
こちらの内容は、多くの介護事業者に関係があり、対応が必要なものです。

令和3年度の介護報酬改定の時に義務化された事項について、準備期間として経過措置が取られていたものがいくつかあります。それが、今年度末で終了し、来年度から完全義務化となります。

義務化される事項について、以下に厚生労働省ホームページから引用します。

1.感染症対策の強化
委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施などを義務化。

2.業務継続に向けた取り組み
業務継続計画の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション) の実施などを義務化。

3.認知症介護基礎研修の義務化
無資格の介護職員に認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置を講じること。

4.高齢者虐待の防止
委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めること。

5.口腔衛生管理の強化
口腔衛生の管理体制を整備し、入所者ごとの状態に応じた口腔衛生の管理を行うこと。

6.栄養ケア・マネジメントの充実
入所者の状態に応じた栄養管理を計画的に行うことを運営基準に規定。

7.事業所医師が診療しない場合の減算
事業所外の医師に求められる「適切な研修の修了等」について、適用猶予措置期間を延長。

引用:介護保険最新情報 Vol.1174
「令和5年度末で経過措置を終了する介護報酬の改定事項について」

上記1~4は介護保険の全サービスが対象です。5及び6は施設系サービス、7は訪問リハビリが対象になっています。

特に、2の「業務継続に向けた取り組み」については、業務継続計画(BCP)の作成が必要となっており、最近 BCP という言葉がよく聞かれるようになりました。

しかし、聞き慣れないBCPという言葉に対し、現場職員さんの中では何の話?という声も聞かれます。

簡単に言うと、感染症や自然災害が発生した場合であっても、介護サービスが安定的・継続的に提供できるように、介護施設・事業所で計画的に備えておくということです。


これを業務継続計画(BCP)作成として、事業者に義務化されました。

近年のコロナウイルスの流行や自然災害の増加で、BCPの必要性が言われるようになったのでしょう。

万が一の時でも必要なサービスを維持できるよう、事業者は可能な範囲で備える努力をしていかなければなりません。

なぜなら、介護サービスは多くの人が利用する欠かせな
い社会インフラになっているからです。

サービスが止まれば、利用者の体力低下や認知症の進行にもつながります。また、家族にも重い負担がのしかかり、仕事に行けないことも起こるでしょう。介護離職となれば、生活に大きな影響が及びます。

このような状況が想定されるからには、介護事業者には有事への備えをしておく大きな責任が課せられているということになります。

厚生労働省のホームページには、BCPのガイドラインや、動画付きの研修資料が準備されています。ひな形もありますので、ぜひご確認いただき、作成を始めてみてはいかがでしょうか。

BCP以外にも、来年度(令和6年4月1日)から義務化される事項をご確認いただき、早目に準備をすすめていただければと思います。

前の記事  ページの先頭↑ 次の記事→

相続登記の義務化

こんにちは。奈良で活動している行政書士 武村直治です。                  今回は2024年4月1日より開始される【相続登記の義務化】についてお伝え致します。

実は私はラジオ番組もやっていてその中でもお話ししているテーマなんですが、よく考えると私の番組は多分誰も聞いてない気がするのでブログでもお伝えしてみようかなと思います。

今までは土地等の相続登記を行わなくても罰則はありませんでした。手間や費用もかかるため放置する方も多いとのことでした。                          しかしそのために所有者が特定できず、土地の活用について手続等が進まないことが国レベルでの大きな問題となっていました。                           平成28年データでは九州全体の面積(367万㏊)を超える410万㏊が所有者不明土地となっています。ちなみにこのまま放置すれば約20年後には北海道1つ分くらいの土地が所有者不明となるようです。、、、なんかすごいですね。                      ちなみに私も業務において所有者不明でコンタクトが取れず困った経験が何度かあります。   この場合は郵送で文書案内を送ったりするのですが、登記情報があまりに古いと住所も近隣なのに聞いたことがなかったり、時代劇でしか聞かないような名前が記載されていたりするため「返却されるだろうな」と思いながら郵送しますが、やっぱり尋ね当たらず返却されて困ります。

この対策として相続登記が義務化されましたが、どんな内容なのでしょうか?

1.法律の施行は上記のとおり2024年4月1日から。

2.遺産分割が成立した日から3年以内に完了させる。

3.完了しない場合、10万円以下の過料が科される。                   令和8年からは氏名や住所などの変更も義務化。こちらは2年以内で罰則は5万円。

4.2024年4月1日以前のものも対象となる。(3年の猶予あり)

このように罰則付きの法改正となります。期日も迫っていますので早めの対応をお勧め致します。                                          

遺言執行者④

こんにちは、相続関連の手続きを中心に活動しております行政書士の奥本です。

今回は、遺言執行者についての最終回となります。
遺言執行者の指定は、遺言書の記載事項の中でも比較的重要な項目と言えます。

遺言執行者の指定は、必ず遺言でしなければなりません。
遺言執行者とは文字通り『遺言の内容を執行する者』ですが、以前も書いた通り未成年者と破産者はなることができません。令和4年4月1日より成人となる年齢が18歳に引き下げられましたので、18歳以上で破産者でなければ誰でも遺言執行者になることができるということになります。

ですが遺言の執行には、法律的な専門知識が必要とされるケースも多々あるため、弁護士・司法書士・行政書士等の専門家を遺言執行者に指定する場合も見受けられます。

しかしながら、たとえ専門家を遺言執行者に指定してあったとしても、自分よりも先にその者が亡くなった場合には、その指定自体が無効となってしまう点に注意が必要です。
このような事態に対応するためには遺言書に『指定した遺言執行者(例:弁護士)が死亡している時には、新たな遺言執行者の指定を○○弁護士会の会長に委託し、同会長の指定した弁護士を新たな遺言執行者とする』という文言を記載しておくことで、必ず弁護士が遺言執行者に就任してくれることになります。

このコラムをお読みの方で、もしも「すでに自筆証書遺言を作成したが、遺言執行者を指定していない・・・」と思ってらっしゃる方がおられたら、どうぞご心配なく。

後から遺言執行者に関する遺言のみを行うこともできます。
また、「遺言執行者になってくれそうな人に心当たりがない・・・」という場合には、『遺言執行者への就任』ではなく『遺言執行者の指定だけを委託する』という方法もあります。

では、自筆証書遺言を一旦作成した後に、遺言執行者の指定を友人に委託したいと思った場合の文例を挙げてみましょう。

                 遺言書

   遺言者 〇山〇夫は、令和〇年〇月〇日付けで作成した自筆証書遺言の
  遺言執行者の指定を、次の者に委託します。

   〇県〇市〇町〇丁目〇番
    会社員 ×野×朗
    昭和〇年〇月〇日生

     令和○年〇月〇日
      遺言者 ○山○夫 ㊞

この場合、遺言執行者の指定やその委託が、どの遺言書に関するものであるかを特定するために、遺言書を作成した日付等を明示することが必要ですのでご注意ください。

また、誰でも遺言執行者になれる、とは言うものの、遺言執行者に指定された者が就任するかどうか(指定の委託を受けた者が受託をするかどうか)は、本人の自由意志によるとされており、就任や受託を強制することはできません。

そのため、遺言執行者の就任や指定の受託についてお願いしたい方には事前に相談しておき、内諾を得ておくといったことも大切です。

遺言執行者は複数名指定することもできますので、それぞれに職務を振り分けることも可能です。

例えば法律的な知識が必要な部分は専門家に、それ以外を長男に任せるといったようなケースが考えられます。簡単な例文を挙げます。

 遺言者は、遺言執行者△川△男、及び□田□人の職務の執行方法を次の通り定める。
1.△川△男は、推定相続人廃除請求に関する一切の権限。
2.□田□人は、その余の一切の執行行為。

最後に、遺言執行者の報酬について。
遺言執行者への報酬についての定めは必ず遺言でなされなければなりません。
報酬の金額に関しては、『報酬の金額を○○円と定める』としたり、『遺言執行対象財産の○%とする』といった形で具体的に記載します。

報酬について、遺言に定めがなかった場合には家庭裁判所の審判によることになります。なお、報酬の支払いは、原則として受任事務が終了した後となります。(民法1018条)

ちなみに、専門家に遺言執行者を依頼、または銀行の遺言信託を利用した場合などの報酬の相場は、概ね30万円ぐらいが目安となっているようです。(執行した財産により変動します)

いかがでしたでしょうか?
自筆証書遺言をご自分で作成される場合には、ぜひ遺言執行者についても配慮していただくようにお願いをいたします。

←前の記事 ↑ページの先頭へ 次の記事→

行政書士奥本雅史事務所
http://okumoto.tribute-mj.net

介護現場の事務負担軽減に向けて

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川です。

毎日暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか?

もうすぐ甲子園で高校野球の全国大会が始まります。

毎年この時期は夏本番を感じながら、テレビ観戦を楽しんでいます。

   

     

さて、近年では、業務のデジタル化およびテレワーク普及の推進から、行政手続きにおいて押印(印鑑)廃止の動きが進んでいます。

      

また、紙で運用されていた文書・資料を電子化して、業務効率改善やコスト削減を図るペーパーレス化も進んでおり、この流れは今後ますます加速していくことが予想されます。

   

介護現場においても例外ではなく、厚生労働省は、介護施設・事業所と自治体との書類のやり取りを効率化する「電子申請・届出システム」の活用を、全ての事業者に原則として求めていく方針です。

   

「電子申請・届出システム」は、ペーパーワークを少なくして介護現場の事務負担を軽減する施策の一環として、国が主導して進めています。このシステムは、これまで活用されてきた「介護サービス情報公表システム」を改修して構築されました。

   

介護施設・事業所の指定申請、変更届出、更新申請、報酬請求などの手続きに必要な書類の提出を、PCからできるようにする仕組みです。

   

現在、介護報酬の請求は、ほとんどの事業所で電送されていると思いますが、その他の申請は、今でも面倒な紙の提出や郵送、FAXでのやりとりがほとんどです。

    

しかしながら、現状ではほとんどの自治体がまだ調整や準備の段階のようです。厚生労働省は段階的に普及を進める計画で、全国の自治体には、2026年3月までに必要な準備を完了させるよう指導しています。

   

この取り組みに先立って、令和3年度4月から施行された介護報酬改定では、業務負担の軽減を目的として「書面で説明、同意等を行うものについて、電磁的記録による対応を原則認めること」とされました。

   

つまり、紙媒体ではなく電子データでの契約等を認め、今まで必要とされてきた署名や捺印は原則不要となりました。

   

介護事業所は利用者にサービスを提供する際に、契約書やケアプランなど様々な文書に署名・捺印が必要です。そのため、署名と捺印をいただくには、紙媒体である書類を作成しなければなりませんでした。

   

そして、その書類をもって利用者と家族への説明を行い、同意を得て署名捺印をし、控えの交付や事業所での原本の保管、などなど・・・

必要とされる書類を作成する業務は大きな負担になっていましたので、この電子化の流れは大いに歓迎すべきですね。

   

電子データ、電子サインの活用といった新たな対応について、介護事業所としても新しいシステムやソフトを導入するなど準備が必要ではありますが、電子化が進むことで、介護事業所の負担軽減につながることを期待したいと思います。

   

前の記事  ページの先頭↑  次の記事→