介護事業所の書類についての電子申請化

こんにちは。行政書士の武村直治です。

ここ数年、仕事柄電子申請についての話題をよく耳にします。ただ扱う書類については国で統一された雛形でなく県や各市町村ごとの様式による書類も多いため、「ほんとに実現する日は来るのかな?」なんて考えていました。 同じ業種の案件でも市町村によって記載の方法や揃える書類、求められる内容や基準なども違うため、今でも他府県からの依頼などがあった場合は、たとえそれが常に受任している業務でも期限内に完了できるかという点で怖さを感じることがあるのですが、その辺が電子申請化を阻む大きな要因の一つになっています。

今回は行政書士ではなく社会保険労務士の業務範囲のお話しではありますが、今年は介護事業所の電子申請化に向けて進展がありました。

上記介護事業所と自治体の書類のやりとりについては、すでに2022年より「電子申請・届出システム」というものが存在しています。しかしながらまだまだ運用している自治体は少なく、実際には約1700ある市町村のうち数十程度しか利用されていないようでした。

これに対し今年、厚労省は「介護事業者と自治体との書類のやりとりについては電子申請・届出システムを利用すること」を原則化する方針を示し全国の自治体に向けて早急の利用開始を要請するとともに、2025年までに全ての自治体に導入してもらう計画を立てました。

また、国が定める各書類の標準様式を手続きに用いることも原則化するようです。これはすごく羨ましい、、、。

我々が扱う書類はボリュームがあるものも多く補正などもあるため、実は「電子申請=ただただ便利」という訳でもありません。実務上は直接提出に行った方が軽微な補正がすぐ済んだりして便利な場合もあります。

しかし電子申請が進み、同時に国が定める書類の標準様式でも対応可能という状況になれば、遠方の依頼でも1件の申請書の提出だけで往復時間も含めて半日ちかく時間を要することもなくなります。僕は奈良県で活動していますが、遠方の依頼の場合は提出作業だけで丸1日かかったこともありました。また、自信をもって提出に行ったのにその地域では要件や必要な書類が違って書類を持ち帰るなんてことも経験しています。個人的にはこの状況g亜改善されるとすごく嬉しい。

各業界で少しずつ進展がみられる電子申請ですが、こんな感じで早く当たり前になっていけばよいなと思います。