外国人が日本で会社設立(起業)する場合のやり方とは?~奈良の行政書士より~

奈良県行政書士

奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所の木村友紀です。

これまで何度かにわたって、会社設立など起業支援に関する手続きについてお伝えしてきましたが、今回は「外国人の会社設立」をテーマにお伝えしたいと思います。最近では、日本にいらっしゃる外国人の方の数も増えるばかりで、今後外国人による会社設立は伸びていくのではないかと個人的には考えています。

さて、外国人の方が日本で会社設立をする際に、どのような点に気を付けなければいけないのでしょうか?

1.資本金入金の取り扱い

海外在住の発起人予定者が日本で法人を設立する場合には、日本での銀行口座を開設しなければなりません。なぜなら、資本金を払い込むための証明は、日本の銀行口座による通帳にてなされるためです。

しかしながら、当然に海外在住なわけですから日本の銀行口座を有していない場合もあるわけです。そのような場合に対応するために、現在では法改正が行われてこの問題への対応もなされています。また、日本在住の役員に委任状を用いて、資本金入金の委託をさせることも可能です。

2.印鑑証明書

会社設立をするには、法務局に設立申請書および添付書類を提出する必要があるのですが、ここに提出する添付書類には、設立時役員の実印を押印する必要があります。そして、それを証明するために、印鑑証明書を添付しなければなりません。

ところが、です。日本に住んでいれば、印鑑文化は当たり前のように思いますが、残念ながら海外には日本のような印鑑文化はそもそも存在しないのです。では、代わりにどうしたらよいのでしょうか?海外では、印鑑の代替手段として、「サイン」が用いられます。外国人が日本で書類上の本人確認をする方法として、そのサインが本人のものであるかを確認すればよいことになります。この証明書類を、「サイン証明」と言います。サイン証明は、現地の言語で在外公館にて取得する手続きを取らなければいけません。

更に、サイン証明は当然日本語ではなく、現地の国の言葉で書かれているわけですから、例えば、定款認証の際には、公証人にも読解できるように日本語に翻訳された訳書を添付しなければなりません。

サイン証明につきましては、2017年に別のブログで執筆しておりましたので、参考までにご興味のある方はぜひこちらもお読みいただければと思います。

「行政書士ユウ法務事務所のブログ」

3.ビザ

外国人が日本で会社を設立するためには、経営・管理のビザを取得しなければならない場合があります。外国人のビザの種類によっては、日本において活動を制限されている場合があります。そのような場合には、会社設立をするための資格としてのビザの取得が要求されるわけです。

ビザについては、ややこしいのでまた別の機会にでもお伝えしようと考えています。

それぞれについてより詳細なご説明は次回以降に譲るとして、今回は外国人の会社設立の手続きが緩和されつつあるトレンドをご紹介させていただきました。何かご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。

奈良県の行政書士

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事務所名 行政書士ユウ法務事務所
所在地 【〒630-8131 奈良県奈良市大森町43-2 ホワイトパレス21 401号】
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任意後見契約の3つの類型について

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

引き続き、今回も任意後見をテーマにお伝えします。

前回は、将来、判断能力が低下したときの備えとして「任意後見契約」の概要をお伝えしました。

その任意後見契約には

「将来型」 「移行型」 「即効型」の3種類があります。

今回は、この3種類の契約の内容とポイントをまとめました。

 

では、順番に説明していきましょう。

  • 将来型

「将来型」とは、本人の判断能力が低下した後における代理権を任意後見人に授与する“任意後見契約のみ”を締結します。任意後見契約の基本型といってよいでしょう。

本人が任意後見契約を締結する時点では十分な判断能力を有しており、本人の判断能力が「不十分」という状況になってはじめて任意後見人の支援を受けることになります。

この契約形態では、任意後見契約を締結してから効力が開始するまでに相当の年月を経る場合、あるいは、判断能力が低下せず、支援の必要性がなく契約の効力が開始せずに終了することも考えられます。

効力が開始するまでの期間は、いわば待機期間となるわけですが、本人と任意後見受任者が接触しないまま長い年月が経つと、色んな不具合が出てきます。

例えば、本人の判断能力が低下したことに気付かず任意後見が始まらないことが考えられます。また判断能力が低下した本人は、任意後見契約を締結したことを忘れてしまい、突然現れた任意後見人に対して不信感を持ってしまう恐れもあります。

本人にとってみれば、いつ認知症になるかもしれないのに、そのことを誰もチェックしてくれないという不安な状態に置かれます。

その不安を解決する方法として、「自分を見守って、もし任意後見開始の時期が来たら速やかに手続きを取ってほしい」ということを依頼する契約を任意後見受任者と結んでおく方法があります。

この契約は「継続的見守り契約」といい、例えば毎月1回は会って話をして本人の生活状況や健康状態を確認するといった内容が考えられます。将来型の任意後見契約の公正証書の中に記載してもよいですし、公正証書によらないことも可能です。

 

  • 移行型

「移行型」とは、任意後見契約を結ぶと同時に、同じ当事者の間で、別途、現時点から任意後見契約がスタートするまでの間も財産管理や本人の身上監護に関する民法上の委任契約(以下、財産管理等委任契約)を結びます。

このような形態は、財産管理等委任契約から任意後見契約に移行することになるため「移行型」と呼ばれます。

本人の判断能力はしっかりしているものの、寝たきりなどで身体的に日常生活で支援が必要な場合には、財産管理等委任契約により支援してもらうことができます。

一般的に言えることは、人はまず、身体的に不自由になりそれからだんだんと判断能力が衰えていくケースが多いです。

例えば、銀行に行くべきだという判断能力はあるが、身体的に行くのがつらくなる段階。これが「財産管理等委任契約」が必要な段階で、銀行に行くべきだという判断能力がなくなったときが、任意後見がスタートするときになります。

したがって、移行型は、この2つの段階に対応できるため、都合のよいものになっています。

このようなことから、財産管理等委任契約と任意後見契約を連結した「移行型」が優れているということで、多くの任意後見契約の希望者から支持されています。

注意点として、財産管理等委任契約は任意後見契約とは別の制度であり、任意後見監督人による監督はありません。

したがって、本人自らが受任者を監督する必要があります。実際に、本人の判断能力が低下しているにもかかわらず、任意後見受任者が、任意後見監督人に監督されることを嫌って任意後見監督人の申立てを行わないまま、財産管理等委任契約による受任者としての権限を乱用するケースも報告されています。

そのため、的確な移行のための措置として受任者の契約の中に義務規定を設けるなどの工夫がされています。

 

  • 即効型

「即効型」とは、判断能力が不十分な状況で任意後見契約を締結し、直ちに家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをすることで、任意後見契約を発効させるものです。

即効型を利用するメリットとしては、本人が特にその任意後見人を信頼している場合等、法定後見よりも任意後見による支援を選択できることが考えられます。

ただし、本人が任意後見契約の締結に必要な判断能力を有していたか否かが事後的に争われるおそれがあるとの問題が指摘されることがあります。

また、本人に、任意後見契約の内容を十分に理解して締結するだけの判断能力が必要です。

任意後見契約の内容自体は一般的には難しい内容になりますから、例外的に利用されるべき類型と思われます。

 

任意後見契約の3つのタイプについてお伝えしてきましたが、いかがでしょうか。

任意後見は、自分の将来の「もしも」に備えるものです。いざという時に頼れる人が身近にいない、あるいは身近な人に負担をかけたくない、自分のことは最期まで自分で決めたいという人には欠かせないものだと思います。

 

弊所では、任意後見契約についてのご相談をお受けしております。

ご不明な点があれば、お気軽にご相談下さい。

 

 

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建設業許可 取得要件5 営業所について

こんにちは。
武村直治行政書士事務所の武村です。

これまでに経営業務の管理責任者、専任技術者、欠格要件、財産的要件についてお伝えしてきましたが、
今日は建設業許可取得の5つ目の要件である「営業所要件」についてお伝えしたいと思います。

建設業許可を取得するには「営業所」が必要になります。
営業所とは「請負契約の見積もり、入札、請負契約などの実態的な業務を行っている事務所」のことです。
ですので、単なる登記上の本店や作業所、事務的な連絡所、建設業に無関係な本店や支店などは営業所と
しては認められないのでご注意ください。

そして、この営業所には「主たる営業所」と「従たる営業所」の2つがあります。

「主たる営業所」は名前の通りメインの営業所。
ですので必置です。
そして、以前のコラムでお伝えした
「経営業務の管理責任者」と
「専任技術者」
の双方が常勤であることが求められます。

「従たる営業所」は支店のようなイメージですので必ずしも設置しなくても構いませんが、設置する場合は
「従たる営業所の代表者 」(令3条の使用人という)と
「専任技術者」
の双方が常勤であることが求められます。

それでは次に、許可を申請する際にこれらをどうやって証明するかを見ていきます。

1.営業所の所有状況を示す資料
→営業所建物の登記簿謄本など。
ただし建物が賃貸の場合は、賃貸借契約書や貸主の使用承諾書など、
ケースによって必要となる証明書類は異なります。

2.営業所の写真
→これは複数枚必要になります。
・営業所の全景
・玄関口(屋号、商号が確認できるもの)
・事務所内部 (電話やFAX、机など)
※地域によって多少の違いがあります。

3.営業所付近の地図

以上です。
営業所の証明に関しては様々な権利関係があり、
それにより必要書類が異なりますので、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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「離婚は計画的に⑥。~離婚後の手続・その1~」

奈良県王寺町で開業しています。

特定行政書士の若林かずみです。

今回は、離婚後の諸手続について書いてみようと思います。

 

【はじめに】

 

「別れたい…別れたい…」

と思っていて、別れることができると、

「やったーーーーーーー!!」

とスッキリ~(^^

となる気持ち。

離婚したことがない私でも分かります。

付き合っていた人と「別れたい…」と思って別れた時の

あのスッキリとした爽快感!(思い出を回想中…)

ましてや、結婚していた人との別れとなれば、

半端なくスッキリするだろうな~というのは、容易に想像できるところ。

とはいえ、離婚の場合は、別れることが決まった後も

やることが、たーーーくさん、あります!

急いでやらないといけないこともありますので、ここで一度整理してみようと思います。

 

【離婚が決まったら、まずすること~離婚届の提出~】

 

離婚が決まったら、まず、

「離婚届の提出」

これが必要です。

 

現在、日本における離婚の約9割が協議離婚です。

協議離婚というのは、夫婦が自分達で話し合い、離婚することを合意した場合の離婚のことです。この場合に、離婚届を出すのはイメージしやすいと思います。

 

ただ、離婚の方法は、協議離婚だけではなく、その他に、調停離婚、審判離婚、和解離婚、認諾離婚、裁判離婚と、色々あります。

これらのうち、協議離婚以外によく行われる調停離婚や裁判離婚のように裁判所の手続を利用した場合は、裁判所で離婚が決まれば、それだけで離婚が成立するようにも思われます。

ですが、このように裁判所の手続を経た場合であっても、離婚届の提出が必要となります。

 

要するに、

離婚の方法を問わず、離婚届の提出は必ず必要!

ということになります。

 

離婚届を提出して、晴れて、離婚成立!

では、この後、どのような手続きを踏んでいけばいいのでしょうか。

 

【離婚成立後の諸手続】

 

1.夫婦の戸籍を分ける手続

 

離婚届を提出する際に、「夫婦の戸籍を出る人」が夫婦の戸籍を分ける手続をします。

「夫婦の戸籍を出る人」というのは、夫婦の戸籍筆頭者ではない人、つまり、夫婦となったときに姓を変えた人のことのことです。

 

では、夫婦の戸籍を分けるために、どのような手続をするのでしょうか。

 

    夫婦の戸籍を出る人が、結婚前の戸籍(親の戸籍)に戻る

    夫婦の戸籍を出る人が、自分自身を筆頭者とする戸籍を新たに作成する

 

このいずれかを選ぶことになります。

 

    のように、結婚前の戸籍に戻る場合には、旧姓に戻ることになります。

他方、②のように新たに戸籍を作成する場合には、旧姓に戻るか、あるいは、結婚当時の姓を名乗り続けるのかを選ぶことができます。

 

結婚当時の姓を名乗り続けたい場合には、「離婚の際に称していた氏を称する届」を本籍地がある市町村役場に提出する必要があります。

また、この届出は、離婚した日から3ケ月以内にしなければならないことになっていますので、注意が必要です。離婚した場合は、原則として、旧姓に戻りますので、この届出がなければ、原則通り、旧姓に戻ることになります。

では、離婚した日から3ケ月以内に上記の届出をしなかったら、今後、絶対に、結婚当時の姓を名乗ることができないのか?というと、必ずしもそうではありません。

ただ、一度、姓を決めると、その後に変更するのは容易ではないため、離婚後の姓をどうするのかについては、慎重な判断が必要となります。

 

2.子供の戸籍に関する手続

 

両親が離婚した場合、子供の戸籍や姓はどうなるのでしょうか。

 

両親が離婚をしたとしても、子供の戸籍と姓は変わりません。

 

ですので、子供の戸籍や姓を変える場合には、なんらかの手続を経る必要があります。

 

夫婦の戸籍筆頭者である者(夫の場合が多い)が子供を引き取る場合は、

子供の姓に変更がなく、特に問題となることはありません。

問題となるのは、夫婦の戸籍筆頭者でない者(妻の場合が多い)が子供を引き取る場合です。

では、ここで、いくつかのパターンに分けて考えてみましょう。

 

以下のような家族を想像してみて下さい。

夫:鈴木一男(戸籍筆頭者)

妻:鈴木(旧姓;佐藤)京子(離婚後の親権者)

子:鈴木太郎

この夫婦が離婚した場合の問題です。

 

    夫が子を引き取る場合

 →夫と子が同じ戸籍(鈴木一男、鈴木太郎)

 →妻のみ夫の戸籍を抜ける。

   ※これが最も単純な事例です。

 

    妻が子を引き取る場合(妻と子が同居)

ⅰ)妻のみが夫の戸籍を抜ける場合。

   →夫と子が同じ戸籍(鈴木一男、鈴木太郎)

   →妻のみ夫の戸籍を抜ける(妻が原則通り、旧姓に戻る=佐藤京子)

     ※子の戸籍は、何らかの手続をしなければ、今まで通り。子の戸籍が親権者の戸籍に自動的に移動するようなことはないので注意して下さい。また、この事例のように、母の姓が佐藤、子の姓が鈴木というように、親と子の氏が異なる場合に、子はその親の戸籍に入ることはできないのです。

 

※この場合、妻と子は、同居して生活を共にしているにも関わらず、

親子で姓が異なってしまうということになります。

 

  ⅱ)妻が親の戸籍に戻る場合

     →夫と子が同じ戸籍(鈴木一男、鈴木太郎)

     →妻のみ夫の戸籍を抜けて、妻は自分の親の戸籍に戻る(佐藤京子)

     ※上記の事例では、妻と子の姓が異なるので、そもそも、子が妻と同じ戸籍に入ることはできません。もっとも、仮に妻の子がその氏を変更して妻の旧姓を名乗るとしても、妻の子は、妻の親(子から見ると、祖父又は祖母)の戸籍に入ることはできません。戸籍は、夫婦及び夫婦と氏を同じくする子供ごとに作られる(戸籍法6条)ことになっているので、親・子・孫という三世代の戸籍は戸籍法に反するためです(三代戸籍禁止の原則)。

  ⅲ)妻を筆頭者とする新しい戸籍を作成。妻と子は、ともに妻の旧姓を名乗る

     →夫のみが結婚当時の戸籍に残る(鈴木一男)

     →新しい戸籍に妻と子が入る(佐藤京子、佐藤太郎)

     ※妻を筆頭者とする新しい戸籍ができたら、

家庭裁判所に「子の氏の変更許可(民法791条)」を申し立てる必要があります。

家庭裁判所の許可がおりたら、「許可審判書」が交付されます。

その後、子の本籍地又は、子・親権者の住所地の市区町村役場に、

「許可審判書」を添付して、子の「入籍届」を提出することで

子を妻の新しい戸籍に入籍することになります

     

  ⅳ)妻を筆頭者とする新しい戸籍を作成。妻と子は、ともに結婚当時の姓を名乗る

     →夫のみが結婚当時の戸籍に残る(鈴木一男)

     →新しい戸籍に妻と子が入る(鈴木京子、鈴木太郎)

     ※妻を筆頭者とする新しい戸籍ができたら、

家庭裁判所に「子の氏の変更許可(民法791条)」を申し立てる必要があります。

家庭裁判所の許可がおりたら、「許可審判書」が交付されます。

その後、子の本籍地又は、子・親権者の住所地の市区町村役場に、

「許可審判書」を添付して、子の「入籍届」を提出することで

子を妻の新しい戸籍に入籍することになります

 

    ※上記ⅲ)ⅳ)のように、妻が新しい戸籍を作って、その戸籍に子を入れるため

には、同様の手続を踏む必要があります。

ここで、ⅳ)の場合、妻は離婚後も結婚当時の姓を名乗るのだから、妻の姓は

「鈴木」。子の姓も「鈴木」なのだから、子の氏を変更するための許可を得る必

要があるのだろうか?という疑問を感じる方がいらっしゃると思います。

    とっても、分かりにくいのですが、「婚姻中の氏」である鈴木と、「続称の手続

をとった氏(離婚後も、引き続き婚姻中の氏を使う旨の手続をした氏のこと)」

である鈴木とは、法律上別の氏とされています。ですので、妻と子の氏の呼び

方は「鈴木」と同じであったとしても、この妻と子の氏は、法律上異なる氏と

いうことになります。ですので、ⅳ)の場合であっても、「子の氏の変更許可」

を経る必要があるということになるのです。

 

【終わりに】

 

今回は、離婚が成立した後の手続として、「離婚届の提出」、夫婦や子の戸籍の手続きについて説明しましたが、離婚後にする手続きは、まだまだ沢山あります。

この続きは、また、次回のコラムで説明させていただきます。

 

 和(やわらぎ)行政書士事務所 

           特定行政書士 AFP 法務博士  若林 かずみ

 

参考文献①「これだけは知っておきたい 離婚のための準備と手続き」監修:弁護士 鈴木幸子/柳沢里美 「新星出版社」

参考文献②「イラストと図解でよくわかる!前向き離婚の教科書」 監修:弁護士 森元みのり 「株式会社 日本文芸社」

 

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相続⑧ ~相続 まとめ~

こんにちは、相続手続きと遺言書作成を専門にしている行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

これまで7回に渡って相続についてのお話をしてきました。今回はここまでをおさらいし、相続手続きのまとめをしてみたいと思います。

まず最初に「相続は、人がお亡くなりになれば必ず発生するものである」ということです。
財産がたくさんあるお金持ちの人だけに起こるものではなく、誰にも等しく関係があります。(詳しくは~相続①~で)
そして、相続の手続きに入るまでには、葬儀はもちろん、たくさんの届け出や手続きがあります。(詳しくは~相続②~で)

ここで特に忘れないでいただきたい点は、『死亡届』は提出する前に、必ずコピーをとっておくということです。提出した死亡届は原則として非公開となり、特別な事由がなければ写しの交付を請求することができません。死亡届は様々な手続きで必要となりますので十分ご注意ください。

次に、相続の『3つの締め切り』についてお話ししました。
一つ目の締め切りは”3ヶ月以内”で、相続放棄あるいは限定承認の申述を行う期限です。(詳しくは~相続③~で)
相続の放棄または限定承認を決めるためには『遺言書の調査』『相続人の調査』『財産の調査』の3つの調査が必要です。

まずは被相続人が遺された遺言書があるかどうかを調べます。

次に相続人を調査するために、被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍を取得します。(詳しくは~相続④~で)

そして財産の調査を行いますが、その際には正の財産はもとより、借金などの負の財産にも気をつけなければなりません。(詳しくは~相続⑤~で)

3つの調査が完了すれば、放棄するか承認するかを判断することができます。
またこの調査により二つ目の締め切り、”4ヶ月以内”に行わなければならない『準確定申告』をする準備も概ね整います。

財産を相続することにした場合は、相続人全員で遺産分割協議という話し合いを行い、相続分を決めます。遺産は民法で定められた法定相続分に従って分けられることになりますが、相続人全員の同意があれば異なる割合で自由に分けることもできます。

しかしここでは、「財産が少ないほど揉める」ということもお話ししました。財産の多い少ないに関わらず、”相続の準備は必要“ということを覚えておいてください。(詳しくは~相続⑥~で)

三つ目の締め切りは”10ヶ月以内”です。これは相続税の申告と納税をする期限です。遺産分割協議はこの期限内に完了することが望ましいです。(詳しくは~相続⑦~で)

相続の手続きは、このようにとても複雑です。
さらには、それぞれご家庭の事情も違うため、100人おられれば100種類の相続の形があります。

相続の際には、ぜひお早めにご相談ください。

できるだけ早い段階から伴走させていただくことで、争いなどを未然に防ぐことにつながります。

また、相続は発生する前の準備や対策も大切です。

なにか心配ごとがありましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。

 

行政書士奥本雅史事務所 ホームページ
http://okumoto.tribute-mj.net

 

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法人の事業形態の決め方について~奈良の行政書士より~

奈良県行政書士

こんにちは。奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所の木村友紀です。

さて、今回は2017年12月29日に執筆致しました

5分で分かる!奈良で株式会社をつくるときに必要な手続きとは?

のところで

 

起業する形態として、大きく「個人事業」か「法人」かの2種類に分かれるのですが、このうち、「法人」の中でもいくつもの事業形態が分かれているのです。

この法人の事業形態の検討についてもまた触れさせていただこうと思いますので楽しみにしていてくださいね。

ということで、前置きをしておいたのですが皆様覚えていらっしゃいますでしょうか?

法人の形態とは

さて今回は、法人の中でもどの法人にすればよいかについて解説していきたいと思います。

あまりややこしいことを申し上げるのは恐縮なのですが、実は法人といいましても多くの形態が存在します。

例えば、一番有名な「株式会社」をはじめとして、「合同会社」や「一般財団法人」、そして「NPO法人」なんかもありますね。名前くらいは聞いたことあるけれど、実際その違いについてよくわからないという方も少なくないのではないでしょうか?

それらを一気にまとめるのは文章の量も多くなり、少々読みづらいかと思いますので、今回はその中でも株式会社や合同会社などの「『会社法』と呼ばれる法律の中に記載のある法人」について説明させて頂こうと思います。

法人の形態の名称及び概要について

それでは、以下について、それぞれの特徴について記載していきます。

  1. 株式会社:有限責任。社会的信用が高い。設立費用が割高。
  2. 合同会社:有限責任。持分会社。相対的に社会的信用が高いわけではない。設立費用が安い。
  3. 合資会社:有限責任+無限責任。持分会社。相対的に社会的信用が高いわけではない。設立費用が安い
  4. 合名会社:無限責任。持分会社。相対的に社会的信用が高いわけではない。設立費用が安い。

 

大きく分けると、株式会社(1)か持分会社(2~4)かに分けることができます。

株式会社と持分会社の違いは、「所有と経営の分離」にあります。「所有と経営の分離」については、以前にどこかで書いた記憶があったので、調べてみましたところ、関連しそうなNPOのコラムがありましたのでこちらも共有しておきますね。

NPOは利益をあげてはいけないか?

つまり、持分会社の場合、出資者(会社法上は「社員」と称します)がそのまま

経営者として経営に参画することとなります。

 

また、設立費用の観点からみても、株式会社は持分会社と比べて、高いです。株式会社の場合には、

5分で分かる!奈良で株式会社をつくるときに必要な手続きとは?

でみましたように多くの手続きを踏むために、それだけ厳格なものになってきます。ということで、費用がかかる代わりに、信用性が一定程度担保されるということになります。

 

そして、責任の限度についてみますと、有限責任(1~3)か無限責任(3~4)かにも分けられます。

※ここで「有限責任」というのは、出資者は会社の債務を出資額を超える範囲については責任は負わなくてもよいということを意味します。

一方で、「無限責任」というのは、その逆で、出資(ここでいう出資には金銭だけではなく「労務」や「信用」も含まれます)の範囲以上に(無限に)会社の債務について責任を負わなければいけないことを意味します。

⇒それゆえ、無限責任のほうが有限責任よりも出資者にとってリスクが大きくこれが無限責任の法人形態に人気がない理由の一つです。

どの法人形態を選択すればよいか?

 

ここまで、会社法上の法人についてみてきましたが、どの法人を選択すればよいか分かりましたでしょうか?

もし、それでもわからないという方がいらっしゃったら、まずは会社をつくる目的を振り返ってみましょう。

奈良の創業(起業)入門セミナー

こちらの記事を参考にしていただいてもいいかもしれません。

あなたはどうして創業しようと思われたのですか?

仮に法人設立を前提にすると、小規模でまずは始めてみたいという軽い気持ちであれば、株式会社よりも合同会社等の持分会社の方が「設立費用」の観点からお得ですよね?

 

それぞれの法人形態にメリット・デメリットがあります。

「何が何でも株式会社をたててやる!」と頑なになるのではなくて、きちんと

適切なものを判断するようにしましょう!

 

とはいえ、そこまで単純に判断できるわけでもありませんので、もしもう少し相談してみたいなという方がいらっしゃいましたら、お気軽に奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所までお問い合わせいただければと思います。

奈良県の行政書士

 

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「任意後見」ってどんな制度?

こんにちは。
行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

今回から「任意後見」 について詳しくお伝えしていこうと思います。

まずは、任意後見制度の概要をみていきましょう。

認知症などで自分の判断能力が低下した場合の備えとして、あらかじめ、そういう状態になったときに自分に代わって、財産を管理してもらったり、介護その他の必要な契約を結んでもらったりすることを「信頼できる人に頼んでおく」ということが考えられます。

任意後見制度は、このような、将来判断能力が低下した場合における財産管理や介護に関する契約などを信頼できる人にお願いし、これを引き受けてもらう契約(任意後見契約)を締結します。そして、本人の判断能力が不十分となった場合に、任意後見人が契約に基づいて本人の生活を守るという制度です。

任意後見制度には次のような特徴があります。

① 契約は公正証書による必要があります。
② 家庭裁判所により、任意後見監督人が選任された時点から任意後見契約が効力を生じます。(任意後見契約を締結した段階では、引き受けた人は「任意後見受任者」、任意後見契約の効力が生じた後は「任意後見人」と呼ばれます。)
③ 任意後見人は、任意後見監督人の監督を受けながら任意後見契約に基づく事務を遂行します。
④ 任意後見契約を締結したことや、任意後見監督人が選任されて契約の効力が生じたことは、法務局で登記されます。
⑤ 任意後見人に不正行為など、その任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は任意後見監督人などの請求により、任意後見人を解任することができます。

任意後見契約は、適法かつ有効な契約が結ばれることを確実にする必要があるため、公証人の作成する公正証書によってしなければなりません。契約に際しては、公証人が本人の判断能力と契約する意思があるかどうかを確認します。

そして、任意後見契約の公正証書が作成されると、その契約は法務局に登記されます。将来任意後見人が本人に代わって銀行預金を引き出したり、介護施設との契約を締結しようとするときに、この登記事項証明書により権限を証明することで、手続きがスムーズにできます。

また、任意後見契約を結ぶときには、本人の判断能力が備わっていても、実際に支援(後見)を受ける時点では、本人の判断能力が不十分な状況にあるというのがこの制度の特徴です。任意後見人が契約の内容どおりに動いているか本人がチェックすることは極めて困難です。

したがって、この契約は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することによって、はじめて効力を生ずることとされ、任意後見監督人が本人に代わって任意後見人の監督をすることによって任意後見人の権限乱用を防止し、本人の保護を図る仕組みとなっています。

任意後見制度を利用するに当たっての留意点として、判断能力が低下した後には原則として、利用できないという点があります。任意後見契約を結ぶためには、契約である以上、本人に判断能力が備わっている必要があります。したがって、判断能力が低下してしまった後においては、任意後見制度を利用することがむずかしくなります。

もう一つは、本人の判断能力が低下する以前において任意後見は開始しません。当然のことではありますが、しかし高齢になると、判断能力はしっかりしていても身体的な機能が低下し、日常生活に支援が必要な場合があります。

例えば、寝たきりに近い状況であれば銀行へ行くこともままならないでしょう。このような場合は、任意後見契約ではカバーできませんので、任意後見契約とは別に財産管理や身上監護等についての委任契約を結ぶことになります。

このように任意後見制度を補完する制度もありますので、次回以降のコラムの中でお伝えしたいと思います。

最近は、人生100年時代という言葉をよく耳にします。老後がますます長くなってきます。誰もが心にゆとりをもって、安心して老後の生活を送りたいと願うでしょう。

任意後見契約は将来の老いの不安に備える「老い支度」や「老後の安心設計」と呼ばれることもあります。
例え、何らかの原因で判断能力が低下してしまっても、自分の生活スタイルや、老後の願いを誰にどう託すのか自由に決めておくことができるのは任意後見制度の一番のメリットです。

安心して老後を迎えるためにも、認知症等により、判断能力が低下する前に、自分の財産や収入をどのように活用するか、誰にどのようなことを頼むのかなど考える機会を持つことは大切ではないかと思います。高齢社会の進展とともに、将来への備えとして「任意後見制度」への関心が高まっています。

弊所では、任意後見制度に関するご相談をお受けしております。
ぜひ、気軽にご相談ください。

次回は、任意後見契約の3つの類型について、その特徴や留意点などをご紹介したいと思います。

 

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建設業許可  取得要件4 財産的基礎とは

 

こんにちは。奈良で開業しています行政書士の武村です。

 

今日は建設業許可の要件のうち、財産的基礎(財産の証明)について

見ていきたいと思いますが、そもそもなぜ建設業許可を取得する

ために財産の証明が必要なのでしょうか?

 

それは建設業を営むにはお金がかかるからです。

建設業は原則として工事の完成に対して報酬をもらう請負契約であり、

仕事の性質上、資材の購入や労働力の確保などに多大な費用が

かかる事も多いため、行政側も許可を取得する事業者の方には

ある程度の資金を確保していることを求めているのです。

 

では一体どれくらいの資金を求められているかですが、

これも一般建設業許可と特定建設業許可で要件が違います。

今日は一般建設業許可を中心に話を進めていきたいと思います。

 

一般建設業許可の財産要件ですが

①資本金が500万円以上あること

②500万円以上の資金調達能力があること

 

となっています。

・・・「500万円以上」という金額がポイントですね。

①に関しては、直前期の決算書の純資産が500万円以上あれば

クリアできます。

②に関してですが、これは少しややこしいかと思います。

具体的には、「500万円以上の残高証明書を発行してもらう」

又は「500万円以上の融資可能証明書を発行してもらう」という

方法があります。

 

ちなみに②に関しては残高証明書を入手し、財産の証明書類と

するのが一般的で、ほとんどの方がこの方法をとっていると

思われます。

融資可能証明書の発行という方法は私自身も未だ経験がありません。

 

どの方法をとるにしろ、いずれも500万円以上という高額な

資金が必要となります。

ですので許可を取得したいとお考えの事業者の方は事前に

資金調達の方法を考えて準備しておくことが大切になります。

 

ちなみに建設業許可は5年で更新となりその更新の際にも

それぞれの要件を改めて証明する必要があるのですが、

財産要件に関しては建設業許可の取得から更新までの5年間

継続して営業した実績があれば、更新時に500万円以上の

財産要件は満たしているとみなされます。

つまり、改めて金融機関から残高証明書などを発行してもらう

必要はありません。

 

最後に、建設業許可を取得するためには残高証明書のような

添付書類が多く必要となります。

それぞれに有効期限があるため、それらを計算して書類を作成

する必要があります。

 

当事務所にお任せいただければ、書類の作成から添付書類の取得

まで全てサポート致しております。

 

建設業許可の取得についてお困りの方がおられましたらお気軽に

ご相談ください。

 

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「離婚は計画的に⑤。~DV被害に遭っている場合の対応~」

奈良県王寺町で開業しています。

行政書士の若林かずみです。

今回は、DV被害に遭っている場合の対応について書いてみようと思います。

 

【はじめに】

 

離婚のコラムを書くにつれ、思い出す知人がいます。

もう何年も音信不通になっていますが、どうしているのやら…。

当時、彼女は、付き合っている彼氏からのDV被害に遭っていました。

私からすれば、

「そんな奴なら別れてしまえ!」

の一言で終わりなのですが、

「でも…」と、彼女はDVの彼氏を別れようとしない。

その後、彼女は別の男性と結婚し、子宝にも恵まれているというのは知っていますが、

さて、平穏な家庭を築けているのだろうか?

果てしない疑問があるのです。

 

DV被害者は、被害の自覚が薄い???】

 

なぜ、その彼女が平和な家庭を築けているか疑問を感じるのかというと、

それは、今までの、こんな経緯があるからなんです。。。

 

私も彼女も若かりし頃、

彼女の彼氏に何度も会ったことがあります。

なぜなら、女同士のお茶会などにも、その彼は参加してくるから。

お話も上手で、とても人当りの良い彼は、

「ザ、良い人」という感じで、好印象。

でも、その裏では、暴力があったんですよね…。

女同士のお茶会にやってくるのも、実は、彼女を監視するため。

男性も混じる飲み会に至っては、呼んでもないのに、

気づいたら、お店に来て、遠巻きに彼女を見つめている。

まるでドラマのような恐怖の世界。。。”(-“”-)”

結局、その彼とは、10年近く付き合っていたはず。

別れてから、DV被害に遭っていたことを聴いてビックリ。

とはいえ、新しく進みだしたんだから、

「次は、良い人を見つけたらいいやん!」

というノリでいたんですよね。

 

ほどなく、彼女には新しい彼氏ができて…。

ある日のこと。

「今日、お茶の約束してたけど、行けなくなった」と彼女から電話。

どうしたん?

と聞くと、

「ちょっと、肋骨を骨折してん」

な、なぜ??

「いや…。彼に蹴られて…」

えーーーーーーーっ!!

なんなんそれ??

どうなってるん???

「ちょっと、言い合いのケンカになって、それで…」

なにそれ!!???傷害事件やんかーーー。

それどうすんの???

もう、別れーーーーー。

「でも、優しいし…」

いやいや、肋骨骨折させられといて、優しいも何もないやろうに。((+_+))

 

と、結局、その彼とも別れることなく付き合い続け…。

その後、私は彼女と疎遠になったため、その後のことは分からないのですが、

今は、結婚していると風の便りに聞いています。

 

DVをしていた彼らですが、

他の女性と付き合っているときには暴力を振るわなかったのに、

彼女のときには、その才能が引き出されてしまったようなんですよね。

 

となれば、今のご主人もどうなのやら…。

推して知るべし…。。。

 

DVには、以下のようなサイクルがあり、

いわゆるハネムーン期というのがあるため、

DV被害者も、そのサイクルから抜け出せないようなんです。

 

DVサイクル

 

1)蓄積期

 

この時期は、日々のイライラやストレスなどを蓄積していく時期になります。

日々のイライラやストレスを抱えるというのは、どんな人にでもあることだと思います。

それらを上手く解消するというのが大人の対処方法。

ですが、DV加害者は、これを上手く解消できず、抱え込んでしまいます。

そして、周囲の人やパートナーに気遣わせないように我慢してしまい、

その気遣いが、さらなるストレスとなって蓄積されていくのです。

 

2)爆発期

 

蓄積期で蓄積したイライラやストレスが、一気に暴力などになってしまう時期が爆発期。

蓄積期でのイライラにより、DV加害者は、かなり緊張した状態になっているのがピークに達し、ちょっとした出来事で、それが爆発します。

一度、爆発すると、コントロールが効かなくなっているので、

上記の友人の事例にあるように、傷害事件に発展するような暴力を振るったりします。

 

3)ハネムーン期

 

爆発期を過ぎると、突然、人が変わったように優しくなります。

結婚当初のような優しく気の利く伴侶に変化することからハネムーン期ともいわれます。

人によっては、暴力を振るったことについて、泣いて謝ってくることもあります。

DV被害者も、もともとはDV加害者のことを好きなのですから、

優しくなったパートナーを見て、許してしまう。

泣いて謝罪するパートナーを見て、「この人を救えるのは私しかいない」と思ってしまう。

 

ただ、こうしている間にも、また、じわじわとDV加害者は蓄積期に戻っています。

そして、この3つのサイクルが延々と繰り返されていくのです。

 

このように、DV加害者は自身を止めることができないのと同時に、

DV被害者も、その負のループから自分自身で抜け出せない状態に陥ります。

 

ですので、この二人の周囲の人が異変に気付いたときに、

何らかの対応をしていくということも必要となってきます。

とはいえ、最終は、本人が別れる気持ちにならないとどうにもならないんですが…。

 

DV被害に遭っている場合の対処方法】

 

1)第三者に相談する

   →各自治体や民間団体にDV専門の相談窓口があります。

   電話で気軽に相談できますので、まずは、第三者に相談してみましょう。

 

   ☆相談窓口☆

    ・配偶者暴力相談支援センター(各自治体)

    ・社会福祉事務所   など

    

                ※奈良県内の相談窓口の一覧は奈良市役所のサイトが参考になります。

     「DV(ドメスティックバイオレンス)に関する相談機関」

        →http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1232506927748/

        

                  ※緊急性が高い場合や、土日などは、警察に連絡するのも良いと思い

                 ます。

    ☆警察専用ダイヤル→#9110(短縮ダイヤル) 

                    携帯電話での使用も可能

     →警察専用ダイヤルに電話をすると、地域を管轄する警察本部などの

                  相談窓口に繋がりますので、緊急の場合には、警察専用ダイヤルを利

                  用するのも良いと思います。

 

2)証拠集め

   →DV被害による離婚を考えているのであれば、

自身に有利になる証拠を集めましょう。

 

   ☆集めるべき証拠の例☆

    ・怪我をした部分が分かる写真、診断書

    ・破壊された家や家具の状態が分かる写真

    ・暴力を振るわれたり、暴言を吐かれたことが分かる

                 録音データやビデオ録画

    ・暴言を吐かれたことが分かるようなメールやラインの記録   など

 

3)別居する

   →別居後の居住先は、パートナーに知られにくい場所にする。

   ※緊急時には、上記の警察専用ダイヤルに連絡して、配偶者暴力相談支援

            センターでの一時保護を求めるのも良いと思います。配偶者暴力相談支援

            センターの所在地は、被害者保護のため、公表されていません。また、民

            間のシェルターで一時保護を求めるということもできます。

 

4)保護命令の申し立てをする

           →配偶者から暴行罪又は傷害罪に当たるような暴行を受けたことがある

              か又は生命・身体に対して害を加える旨の脅迫を受けたことがあり、今

               後、配偶者からの身体に対する暴力によりその生命身体に危害を受ける

                おそれが大きいときに、その被害者は保護命令の申立てができます(配

                偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律参照)。

 

☆保護命令とは…。

 

                 →相手方(DV加害者)からの申立人(DV被害者)に対する身体への

                  暴力を防ぐため、裁判所が相手方に対し、申立人に近寄らないよう命

                  じる決定のことです。

 

具体的には、

・六か月間、申立人(DV被害者)の身辺につきまとったり、申立人(DV被害者)の住居(同居する住居は除く)や勤務先等の近辺をうろつくことを禁止する命令(接近禁止命令)や、

・申立人(DV被害者)と相手方(DV加害者)とが同居している場合で、申立人が同居する住居から引っ越しをする準備等のために、相手方に対して、二か月間家から出ていくことを命じ、かつ同期間その家の付近をうろつくことを禁止する命令(退去命令)

などがあり、

これらの命令に違反した場合には、相手方に懲役又は罰金が科されます。

 

以上の保護命令については、裁判所のサイトが参考になります。

http://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section09/dv/

 

【終わりに】

 

DV被害というと、とかくDV被害者側からのみ語られがちですが、

DV被害者だけでなく、DV加害者も広い意味では被害者だったりします。

DV加害者の大半が、幼少の頃に、虐待を受けており、その時の心的外傷により

DV加害者となってしまっています。

ですので、DV加害者がカウンセリングを受けることで心が癒されて

DVが納まるというケースもあります。

DVがあったことで離婚するかどうかは、二人の意思ですが、

負の連鎖を断ち切り、子供達に、それが連鎖していかないようにするためにも

周囲の者が気をつけていくということも必要ではないでしょうか?

 

色々と難しい問題を含んでいますが、

一人で悩んでいるようであれば、お気軽に当方にご相談下さい。

 

 和(やわらぎ)行政書士事務所 

           特定行政書士 AFP 法務博士  若林 かずみ

 

参考文献①「これだけは知っておきたい 離婚のための準備と手続き」監修:弁護士 鈴木幸子/柳沢里美 「新星出版社」

参考文献②「イラストと図解でよくわかる!前向き離婚の教科書」 監修:弁護士 森元みのり 「株式会社 日本文芸社」

参考文献③「少しでも有利に離婚したいならきっちり証拠を集めなさいー幸せになるための別れ方」 弁護士西村隆志・山岡慎二・福光真紀「星雲社」

 

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相続⑦ 〜 最後の締め切り 〜

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

さて、前回のコラムで「遺産分割協議は10ヶ月以内にすることが望ましい」というお話しをしました。

それは相続の3つ目の締め切りである『相続税の申告と納付』の期限が10ヶ月以内だからです。

(税務申告は行政書士の業務ではありませんので、相続税については軽く触れます。)

じつは相続税には控除があり、財産の総額がその控除額以内であれば相続税額は「0」となり、相続税を払う必要はありませんし、申告もしなくて構いません。

では財産の総額が控除額以内の方は3つ目の締め切りは関係ないのか、というとそうとは言い切れません。税額が「0」でも申告をしなければならない場合があるからです。

そして相続税の申告のためには、遺産分割協議を済まさなければいけません。遺産の分け方が決まらなければ、相続税の計算ができないからです。

「でも、2つ目の締め切りからは半年も期間があるし、さすがに話し合いもまとまるのでは?」と思われるかもしれません。

しかし遺産分割協議は相続人全員で話し合うことが必要です。また遺産分割協議では『寄与分』と『特別受益』というものも考慮しないといけないのです。

寄与分とは、たとえば相続人の方が被相続人の事業を手伝ったり、被相続人を引き取って面倒をみたりして、被相続人の財産の増加に貢献したり財産の維持について特別の寄与があった場合に、法定相続分を超える財産を取得させるという制度です。(財産の増加、維持に『特別の寄与』をしたことが必要とされているため、単に身の回りの世話をした等では認められません。)

特別受益とは、相続人の方が被相続人から受けた資金援助や、遺贈(遺言により財産を受け取る)などによる特別な利益のことです。

被相続人から相続人に対して、大学や留学のための学費や住宅の購入資金などの援助があったとき、特別受益に当たる可能性があります。
特別受益を受けた相続人が、もし法定相続分通りに相続したとすると、他の相続人との間で不公平が生れます。

そこで、特別受益があった場合には『特別受益の持ち戻し』という計算を用いて相続分の調整を行います。特別受益を受けた相続人の法定相続分から、特別受益の金額を差し引くわけですが、以下のような計算をします。

①特別受益の金額と、相続財産の金額を合計します(『みなし相続財産』といいます)

②法定相続分で分割した金額を計算します

③特別受益があった相続人の相続分から特別受益の金額を差し引きます

※ ①に関して、特別受益のうち、遺贈については相続財産に含まれていますので加算はしません。


例)

相続財産1200万円を兄弟3人で分ける(法定相続分では平等に400万円ずつ。ただし長男が被相続人から300万円の資金援助を受けていた)

みなし相続財産(相続財産➕特別受益)=1500万円

一人当たりの法定相続分(みなし相続財産➗3人)=500万円

長男の取得分(一人当たりの相続分➖特別受益分)=200万円

相続分は、長男が200万円、弟2人が500万円ずつ


 

このような寄与分、特別受益については各相続人で主張が食い違うケースもしばしば見受けられ、遺産分割協議が長引いてしまう原因ともなっています。

他にも、親子や兄弟姉妹の間柄であっても感情的なもつれがある場合や、相続人が疎遠な親類である、または海外など遠方に住んでいる場合など、思った以上に時間がかかってしまう原因はたくさんあります。

ところが10ヶ月以内に相続税の申告をしないと、【配偶者の税額軽減】と【小規模宅地等の特例】という2つの特例を受けることができなくなるのです。

【配偶者の税額軽減】とは、配偶者は相続する財産が、法定相続分以下か1億6000万円までなら税額が控除されるという制度です。

【小規模宅地等の特例】は、被相続人が居住していた宅地を相続する際、一定の条件を満たした場合に評価額を80%減額するというものです。

どちらも非常にお得と言える制度ですが、適用を受けるためには相続税の額が「0」でも申告をしなければなりません。

「相続財産の総額は基礎控除の額を超えているけれど、この制度を適用すれば控除額以内におさまるから」と思われたとしても、相続税の申告はしなければなりませんのでご注意ください。

※ 相続税の基礎控除=3000万円➕600万円✖法定相続人の数(例えば相続人が、配偶者と子供2人の場合なら4800万円まで非課税)

次回は、相続についてのまとめをしてみたいと思います。

相続⑧につづく、、、

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