遺言書⑩ ~公正証書遺言 中編~

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

前回、公正証書遺言のメリットを自筆証書遺言と比較しながら見ていきました。
今回は、公正証書遺言のデメリットとは何かを考えてみたいと思います。

公正証書遺言を作成する際には『2名以上の証人』が必要です。
証人は、遺言書作成の当日に公証人役場へ一緒に行ってもらい、遺言書の作成に立会ってもらいます。

そのため、事前に証人となってくれる人を2名以上探し、依頼しておかなければなりません。
ところが民法には、以下の者は証人になることができないという規定があります。
➀未成年者
➁推定相続人および受遺者、これらの配偶者および直系血族
➂公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人

➁を見てもらえばわかるように、一番頼みやすい存在である、近しい親類に頼むことができないのです。

そして、信頼がおけない人物に頼むことも避けないといけません。
証人の役割は、遺言書の内容が遺言者の意思の通り正確に記載されているかを確認し証明することです。つまり、遺言の内容は全て証人に知られてしまうことになります。秘密を絶対に守ってくれる、信頼できる人物でなければ、証人を依頼することができないということです。

万一、遺言書の内容が誰かに漏れてしまえば、財産を狙ったトラブル等が起こる可能性も無いとは言い切れません。

ですので、証人は職務上の守秘義務がある行政書士等の専門家に依頼するのが適切でしょう。また、公証人役場でも証人を紹介してもらうことができます。(費用は別途必要)

それからもうひとつ、費用面の問題があります。
公証人役場で公正証書遺言を作成してもらう際には手数料が必要となります。

これは目的物の価額に応じて、以下の表のように定められています。

目的物の価額

手数料

100万円まで 

5000

200万円まで 

7000

500万円まで 

11000

1000万円まで 

17000

3000万円まで 

23000

5000万円まで 

29000

1億円まで 

43000

1億円を超えて3億円まで

43000円+超過額5000万円まで毎に13000円加算

3億円を超えて10億円まで

95000円+超過額5000万円まで毎に11000円加算

10億円を超える場合

249000円+超過額5000万円まで毎に8000円加算

この手数料は、相続人あるいは受遺者一人あたりのものです。相続人、受遺者が複数人いる場合には、それぞれの人について手数料を算出し合算します。

例えば、妻に2000万円、二人の子供に1000万円ずつの財産を相続させる遺言を作成する場合、

23000円+17000円+17000円=57000円

となります。
これに加えて、目的の価額の総額が1億円以下の場合には、遺言加算といって11000円が加算されます。

上記の例では総額が1億円以下ですので、先程計算した57000円に11000円を加えた68000円が手数料の額となります。

なお、遺言者が病気や高齢等の理由で公証人役場に行くことが出来ない場合には、公証人が自宅や病院に赴き遺言書を作成することもできますが、この場合には手数料は50%加算となり、公証人の旅費や日当も必要になります。

さらに公正証書遺言は、公証人役場で保管される「原本」、遺言者に交付される「正本」と「謄本」の3部が作成されますが原本は3枚を超えた場合1枚毎に250円が加算され、正本、謄本については1枚につき250円が必要です。

以上が、公証人役場に支払う手数料です。

遺言者ご自身で公証人役場とやりとりをする場合には、この手数料で作成できるのですが、実際には行政書士等の専門家に相談して間に入ってもらう方のほうが多いでしょう。
専門家に依頼することで、推定相続人や財産についての調査、必要な書類の準備、遺言書の原案の作成、公証人との打ち合わせ等を任せることができます。
ただし、専門家への報酬は発生します。(当事務所の場合、報酬額は5万円です。また信頼のおける証人も一名1万円でご紹介させていただきます。)

これらの費用(公証人役場の手数料、専門家の報酬、証人の謝礼 等)の総額が公正証書遺言の作成費用となります。

このように費用が高額となってしまうため、『気軽に何度も作り直す』というわけにはいかないのが公正証書遺言のデメリットではあるのですが、遺言書としての確実性、安全性、信頼性においては、現在のところ公正証書遺言が一番優れていると言えます。

しかし、この度の民法改正によって、自筆証書遺言に対する公正証書遺言の優位性が“絶対”とまでは言えなくなるかもしれません。

次回は、それについて触れてみたいと思います。

 

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遺言書⑨ 〜公正証書遺言 前編〜

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

先週の日曜、平成31年3月3日から、奈良市の各証明書が大手コンビニエンスストアなどで取得できるようになりました。(ただしマイナンバーカードが必要です。)
取得できる証明書は以下のものです。

・住民票の写し
・戸籍全部(個人)事項証明書
・戸籍の附票
・印鑑登録証明書
・課税(非課税)証明書

手数料は窓口と同額ですが、土日祝でも取得することが可能なうえ、利用時間も午前6時半から午後11時までとなっていますので「平日の日中、市役所に足を運ぶ時間がなかなか取れない」という方には嬉しいサービスだと思います。

テクノロジーの進歩が、行政サービスの向上にも繋がって、暮らしがますます便利になっていきますね。

インターネットの普及により、行政手続きの電子化もどんどん進んできました。我々、行政書士も時代の変化に対応できるよう、常に努力をしていかなくてはなりません。

 

さて、それでは遺言書に話を戻したいと思います。今回は、普通方式の中の『公正証書遺言』についてです。

公正証書遺言とは、公証役場公証人が公正証書により作成する遺言のことです。

公証役場という場所は一般の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、公証人(裁判官や検察官を長く務めた者で、公募に応じた者の中から法務大臣が任命する公務員)が公正証書の作成や、株式会社などの定款の認証を行う役場で、奈良県の場合、奈良市と大和高田市にあります。

では、公正証書遺言のメリットとはなんでしょうか?前回ご説明した、自筆証書遺言と比べて見ていきましょう。

まず、自筆証書遺言は自分自身で保管をしなくてはならないため紛失・汚損・災害等による滅失などの恐れ、また第三者によって隠匿・破棄・改ざんなどをされる可能性があります。
それに対して公正証書遺言は、公証役場で遺言書の原本を保管するためその心配がありません。(原則20年間保管、奈良市の公証役場では本人が120歳になるまで保管します。)

次に、自筆証書遺言を自分で作成した場合には、法律で定められた要件を欠いていることにより無効となってしまったり、相続人の遺留分に対する考慮が無かったためにかえって紛争の元となってしまう危険性などがあります。
公正証書遺言は、公証人が内容の確認を十分行った上で作成するため、要件を満たさず無効となる心配や、遺留分その他への配慮も万全です。

さらに、自筆証書遺言は相続が発生した時(つまり遺言者が亡くなられた時)に、相続人が遺言書を裁判所に提出し、検認の手続きをしなければなりません。

しかし公正証書遺言は、裁判所での検認の手続きが不要です。したがって、相続発生と同時にその遺言書は有効となり、相続財産の処分をただちに開始することができます。

なお公正証書遺言の検認手続きが不要なのは、遺言書の原本が公証役場で保管されているため改ざんされる恐れが無いこと、また公証人が公正証書を作成するにあたっては、公証人法による厳格な職務規定がおかれているため、遺言の内容をあらためて検証する必要が無いから、という理由です。

最後に、自筆証書遺言は全文自筆(財産目録を除いて)が要件ですので字が書けない方は作成することができませんが、公正証書遺言は公証人に内容を口授することで作成できますので、字が書けない方でも作成が可能です。(もしお話しもすることが出来ない場合には通訳者による通訳(手話通訳等)により作成することも可能です。)

自筆証書遺言と比べてこのようなメリットを持っている公正証書遺言ですが、デメリットはないのでしょうか。

これについては次回見ていきたいと思います。

 

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遺言書⑧ 〜自筆証書遺言 後編〜

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

今回も引き続き、自筆証書遺言についてお話しをいたします。
まずは簡単におさらいをしておきたいと思います。

自筆証書遺言とは読んで字のごとく、全文を自筆により作成する遺言書のことでした。
本文の内容はもちろん、日付と氏名を自書して、押印をすることが必要です。

《自筆証書遺言の作成例》

また自筆証書遺言は相続開始後、遅滞なく家庭裁判所で検認を受けなければなりません。(封印されていた時は開封せずに家庭裁判所へ提出します)
違反した場合は五万円の過料が科されます。

前回はこの検認手続きまでご説明をいたしました。

さて、自筆証書遺言には変更や誤りがあった場合の訂正の方法にも厳格な要件が求められています。ここでもう一度要件を見てみましょう。

《要件》
①遺言者が全文、日付、氏名を自書し、印を押す。
②加除その他の変更は、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記してこれに署名し、かつその変更の場所に印を押す。

要件の②、言葉を書き加えたり削除したりする場合には、その場所を指示して押印をし、変更した旨を付記してさらに署名をしなければなりません。

《加除その他の変更の例》

この例のように、訂正した行の欄外に「本行2字加入」と記載し署名をする方法や、遺言書の末尾に『付記』として「本遺言書◯行目中 ◯◯を△△と訂正した」等と記載し署名をする方法などがあります。
いずれの場合でも、署名が無ければ加除訂正は無効となってしまうため注意が必要です。

このように、自筆証書遺言は費用がかからないというメリットがある一方で、作成には厳格な要件が求められているため要件を欠いて遺言書が無効になってしまうというケースを招く恐れがありました。

その点も踏まえ、昨年の民法改正では自筆証書遺言の要件が緩和されることとなりました。(施行は平成31年1月13日から)

これまでは全文自筆であることが求められていたため、財産の目録も当然すべて自筆で書かなければなりませんでした。

しかし不動産を多数所有している場合などは、そのすべてについて所在や地番等を細かく記入する必要があり、大変な労力がかかるとともに、誤記が発生する可能性などもありました。

そこで今回の改正では、財産目録を添付する場合には、ワープロで作成したものや、第三者によって代筆されたもの、また不動産登記事項証明書や銀行の預金通帳等の写し(コピー)でも良いとされました。

ただし、その目録が複数枚に渡る場合はそのそれぞれに署名押印をしなければなりません。また目録が両面になる場合は、裏表とも署名押印が必要です。

なお、財産目録の加除訂正に関しても変更箇所の指定と押印、変更した旨の付記と署名が必要となります。

このように、自筆証書遺言はその要件によく注意をすれば、ご自分で作成することもできます。

しかし、将来的な争いを招かないようによく検討された遺言書を作るためには、やはりプロのアドバイスが必要となります。

当事務所では自筆証書遺言の作成についてのご相談もお受けしておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

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遺言書⑦ 〜自筆証書遺言 前編〜

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

2018年も残すところあと10日ほどとなりました。
年末年始となれば、普段は離れて暮らしているご家族が実家で集まるという方も多くおられるのではないでしょうか。

せっかく家族が顔を合わせる機会ですので『相続や遺言書の話なんて縁起が悪い』などと言わず、一度じっくりそんな話をされてみてはいかがでしょう。

とは言え、、、現実にはなかなか話しづらいものですよね。

でも例えば、「親父は株をやってないの?」とか「自分が(存在を)聞かされてない土地とか無いよね?」などという財産に関する話題をそれとなく切り出してみたり、親戚で相続が起こった場合には相続人の関係はどのようになるのかをみんなで一緒に考えてみるといったことが、話の良いきっかけになるかもしれません。
また、エンディングノートを持参して記入を(あえて)手伝ってもらうというのも一つの手です。

自然な話の流れの中で、自分達の相続について客観的に見つめることができれば大変有意義だと思いますし、そこまで話が進まなかったとしても何か知らなかった新事実が一つ確認できただけで大成功です。

昨今、相続や遺言書に対する意識は徐々に高まりつつありますが、一般的にはまだまだ敬遠されがちな話題でしょう。相続の時に必要な財産などの情報について、一度に全部を聞くことは無理だったとしても、少しずつでもいいので確認をしていくことが大事だと思います。
この年末年始にはぜひ試してみてください。

さて、今回からは『普通方式』の遺言書についてお話しします。遺言書には、死を覚悟した時になってから書くものだけではなく、ある『思い』が生まれた時に書くものもあります。
例えば相続の時に家族が揉めるのを防ぎたい、自分の死後には財産をこう使って欲しい、そういった思いが生まれた時にそれを実現するため『早いうちから』準備をしておくのが普通方式の遺言書です。

普通方式の遺言書には、「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3つがあります。

まずは自筆証書遺言についてです。
この自筆証書遺言は、この度改正される民法で要件が緩和されることになりました。しかし、改正民法が施行されるまでの間に作成された遺言書に関しては現行の民法の規定が適用されますので、今回は執筆時点(2018年12月21日)の現行の民法に則ってお話しをいたします。

自筆証書遺言は、文字通り遺言者本人が全文を自筆により作成するものです。

自分で書いて自分で保管するため、費用も特にかからず一番手軽に作成できるのですが、作成に当たっては法律で要件が厳格に定められており、その要件を満たしていなければせっかく書いた遺言書が無効になってしまう場合があります。民法第968条で定められている自筆証書遺言の要件は以下の通りです。

《要件》
①遺言者が全文、日付、氏名を自書し、印を押す。
②加除その他の変更は、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記してこれに署名し、かつその変更の場所に印を押す。

全てを自筆で作成するのは、遺言者の最終意思、真意を尊重し、偽造や変造を防止するためです。
したがって、パソコン、ワープロ、タイプライター等により作成することや、他人に代筆させることはできません。

また日付についても遺言者の自書が必要とされています。これは、遺言作成時の遺言者の遺言能力の有無(遺言能力が無い場合の例: 遺言作成時に15歳に達していない、認知症や精神疾患により意思能力がないと判断される場合)や、内容が異なる複数の遺言がある場合に、その先後を明らかにするためです。日付が無い遺言は無効となります。

日付は年月日を明らかにして記します。西暦、元号はどちらでも構いません。日付は遺言の成立の日が確定できれば問題ないので「平成○○年の私の誕生日」「還暦の日」などという記載でも構いません。

ただし、「○月吉日」という記載は日付の特定を欠くものとして裁判では無効と判断されています。

押印も原則として遺言者自身がしなければなりません。印鑑については認印でも構いませんが、実印がより望ましいです。

また自筆証書遺言は、遺言の保管者がいる場合には保管者が、いない場合には遺言書を発見した相続人が相続の開始を知った後遅滞なく、家庭裁判所に『検認』を申し立てる必要があります。

検認は遺言の有効・無効を判断するものではなく、家庭裁判所が相続人に対して遺言の存在を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名などを確認してあとから偽造されたり変造されたりすることを防ぐためのものです。検認を経ないで遺言を執行した場合は5万円以下の過料が科されます。
もし遺言書が封印されている場合は、家庭裁判所で相続人またはその代理人の立会いのもとに開封しなければなりません。違反すると5万円以下の過料が科されます。

少し長くなりましたので、続きはまた後編で。

 

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遺言書⑥ 〜変わる!遺言書〜

こんにちは、なら100年会館と同じ奈良市三条宮前町にあります行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

先日、11月11日(日)に平成30年度の行政書士試験が実施されました。奈良の会場でもたくさんの方が試験を受けておられました。無事に受験を終えられた皆様、どうもお疲れ様でした。

自分が行政書士試験の勉強をしていた頃に一番苦労したのは何だったかを思い出してみると、それは「法律がどんどん変わってしまう」という事でした。

立法府である国会は、法律を制定することが仕事ですから、毎年何らかの法律が改正されたり、新しく作られたりしています。

ですので、昨年までは正解だった答えが今年は引っ掛け問題の間違いの選択肢として出題される、なんていうことも試験ではよくあることなのです。

法律の勉強の難しさは、まさにここにあるのではないかと思います。

ですがこれは、行政書士になって実際に業務を行っていく際も同じことです。

法律は目まぐるしく変わりますが、それを追いかけて、常に最新の内容を把握しておくことが法律の専門家としての責務であり、また真価だと思います。

インターネットの普及により、手続きについて調べることは簡単になり、必要な書類の様式などもダウンロードして入手できるようになりましたので、ご自分で申請や届出をされる方がどんどん増えていく時代とはなりましたが、専門分野に関する豊富な知識を持ち、変化にも素早く対応していけるということが我々行政書士の強みであることに変わりはありません。

しかし恥ずかしながら、自分が行政書士になる前の法改正については、まだまだ知らないこともあるのが現状です。

つい最近も定款変更のご依頼を受けたお客様から、株式会社の監査役の任期がこれまで【1年(昭和26年)→2年(昭和49年改正)→3年(平成5年改正)→4年(平成14年改正)→原則4年で10年まで伸長可能(平成18年から現在まで)】という変遷を辿ってきたことを教えていただきました。

法律が成立した背景や、改正の経緯など、法律の歴史についても学ぶ姿勢を持ち続けていなければいけないと改めて考えさせられる出来事でした。

さて、遺言書シリーズも今回で第6回目になりましたが、まだ最も一般的な『普通方式』の遺言書についてはほとんど触れていません。じつは一番最初に説明してもおかしくないほど重要な内容なのですが、触れなかったのには理由があります。

今年の国会で、民法の相続に関する規定が改正され、昭和55年以来じつに約40年ぶりとなる内容の大幅な見直しが図られました。そして、普通方式の中の『自筆証書遺言』に関しては、特に大きな変更がありました。

この最新の法律に基づいてお話しすることができればと考え、これまで普通方式について書くことを見合わせていたのですが、改正法の施行までにはもうしばらく時間があるようですので、ひとまず現行法の内容をお話しした上で、また新しい情報を順次お伝えしていくことにしたいと思います。

では次回から詳しく説明してまいりますので、よろしくお願いいたします。

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遺言書⑤ 〜遺言書で何ができる?〜

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

遺言書は、『書いておけばなんでもその通りになる』というものではありません。

今回のテーマは『遺言書で何ができるのか』についてです。

遺言書に書かれている内容で法的な拘束力を持つ事項は『法定遺言事項』と呼ばれます。

法定遺言事項は民法などの法律で、おおよそ以下のような事項が規定されています。

①相続に関する事項
・遺産分割方法の指定、又は指定の委託(民法908条)
→これが遺言書に書かれる最も一般的な内容ではないかと思います。遺産分割方法の指定とはつまり「財産の分け方を定める」ということです。
例えば「不動産は妻に、預金は娘に相続させる」といった形で指定する場合や、代償分割や換価分割(詳しくは~相続⑥~で)など分割の方法を定める場合などがあります。
そして指定の委託とは「特定の第三者に、財産の分け方を定めることを委ねる」ということです。

・相続分の指定、又は指定の委託(民法902条)
→相続分の指定とは『法定相続分とは異なる割合で相続させたい』場合に、その割合を定めることです。例えば「妻、長男、次男にそれぞれ3分の1ずつ財産を相続させる」
というような場合です。指定の委託とは「特定の第三者に、相続分を定めることを委ねる」ということです。

・特別受益者の相続分に関する指定(民法903条)
→特別受益(詳しくは〜相続⑦〜で)を受けた相続人について、特別受益の持ち戻しを免除したい場合などにその旨を記載します。

・遺産分割の禁止(民法908条)
→(相続の開始から5年以内に限り)遺産の分割を禁止することができます。

・推定相続人の廃除と取り消し(民法893条・894条)
→被相続人に虐待を行った場合や重大な侮辱を加えた場合、または推定相続人に著しい非行があった場合には、家庭裁判所に申し立てその推定相続人を相続人から『廃除』することができます。これは生前行為でもすることができますが、遺言により廃除をすることもできますし、逆に廃除を取り消すこともできます。

・共同相続人間の担保責任の定め(民法914条)
→相続した財産に問題(相続した建物が壊れていたなど)があったために損害を被った相続人がいる場合には、各相続人は相続分に応じて保証しなければなりません(担保責任を負う)。しかし遺言によって、例えば資力の少ない相続人の担保責任を免除するということを定めることもできます。

・遺贈の減殺方法の指定(民法1034条)
→遺留分減殺請求がなされた場合に、各遺贈に対してどの順番で減殺をするか順番を指定することができます。

②財産の処分に関する事項
・包括遺贈、及び特定遺贈(民法964条)
→包括遺贈は財産の『割合』を指定して贈ることです(”全財産の4分の1を○○に与える”など)。特定遺贈とは特定の財産(例えば土地などの不動産など)を特定の人に贈ることです。

・一般財団法人の設立(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律152条)
→遺言により一般財団法人を設立することができます。(遺言によらず、生前に設立することも可能です。)

・信託の設定(信託法3条)
→遺言により、信託銀行等に財産を託し、被相続人の目的を実現する(例えば、残された妻に毎月20万円ずつ給付するなど)ことができます。(遺言によらず、生前に設定することも可能です。)

③身分に関する事項
・認知(民法781条)
→婚姻関係にない者との間に生まれた子を遺言で認知することができます。(遺言によらず、生前に認知することも可能です。)

・未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定(民法839条)
→未成年者の親権を行う者は、その者が死亡すれば他に親権者がいなくなる場合に限り、遺言により未成年後見人を指定することができます。
また未成年後見人を指定できる者は、その未成年後見人を監督する未成年後見監督人を遺言により指定することができます。

④遺言執行に関する事項
・遺言執行者の指定、又は指定の委託(民法1006条)
→遺言書の内容を執行する遺言執行者を指定することができます。またその指定を第三者に委ねることも可能です。

⑤その他の事項
・祭祀承継者の指定(民法897条)
→祭祀財産(墓地、墓石、仏壇、仏具等)を承継し、祭祀を主宰する者を指定することができます。(遺言によらず、生前に指定することも可能です。)

・保険金受取人の指定、又は変更(保険法44条・73条)
→保険金の受取人の指定や変更を遺言で行うことができます。(遺言によらず、生前に指定または変更することも可能です。)

これ以外の事項、例えば葬儀の方法の希望、散骨や埋葬方法の希望などは、遺言書に記載したとしても法的拘束力がありません。
法定遺言事項以外の事項は『付言事項(ふげんじこう)』と呼ばれます。

付言事項にはたしかに強制力はありません。ですが、自分の願いを家族に伝えるために遺言書に付言事項を記載しておかれることは非常に大切だと思います。

また、法定相続分以外の分け方をする場合には、相続人の間で不公平感が生まれるのを防ぐために「何故、その分け方にするのか」という思いの部分を記すことも大事です。

遺言書作成で分からないことがありましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

 

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遺言書④ ~死ぬ前に書くもの?〜

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

遺言書は死ぬ前に書くもの、であることは間違いありません。

でも『死ぬ前=死の直前のこと』かというと、そうである場合とそうで無い場合があります。
今回は遺言の【方式】についてのお話です。

死ぬ直前に書く、と聞くと”遺書”をイメージされるかもしれません。では遺書と遺言書はどのように違うのでしょうか?

遺書は、例えば自分が死を覚悟したとき、これまでの思いを綴ったり、家族や友人に宛てたメッセージなどを記したもので、あくまで私信といえます。

一方、遺言書は民法という法律によって、書き方や作成の方法、遺言で実現できる内容などが細かく定められている法的な文書なのです。

遺書には法的な効力は一切ありませんが、遺言は遺言者の最終意思を尊重し実現するための制度ですので、遺言書に書かれた内容には法的な効力があります。

遺書に「誰々に財産を譲る」と書いてあったとしても、それは単なる本人の希望に過ぎずその通りに財産を処分する必要はありませんが、遺言書に書かれていた場合はその意思通りに財産処分が実現されます。(前回お話ししたように相続人の遺留分を侵害しない範囲で、ということになりますが)

このように遺書であればノートに走り書きで書いても、音声で録音しても、動画に撮るのもまったくの自由ですが、遺言書は民法で定められた方式で書くことが必要です。

民法が定める遺言書の方式には【特別方式】と【普通方式】という二つの方式があります。

普通方式というのは死期が近い遠いに関わらず将来の備えとして作成するものですので、いつでも作成することができます。

特別方式というのは普通方式で遺言書を作成することができない、特別の場合に認められているもので、死の直前に書くというイメージに近いと言えるでしょう。
特別方式で遺言書を作成することが認められるのは以下の4つの場合です。

(1)死亡危急の場合(民法 976条)
病気などで死亡の危急に迫った者が遺言をする場合は、証人が3人以上立会い、そのうちの1人に遺言者が遺言の趣旨を口頭で述べ、その証人が筆記した後に遺言者と他の証人に内容を読み聞かせ、または閲覧させ、各証人がその筆記が正確なことを承認して署名捺印をすることで成立する。(成立後20日以内に家庭裁判所の確認を受けなければ効力を生じない。)

(2)伝染病で隔離されている場合(民法 977条)
伝染病のため行政処分により隔離された場所にいる場合は、警察官1人と証人1人以上の立会いによって遺言書を作成することができる。なお遺言者、筆記者、立会人、証人は、各自遺言書に署名捺印しなければならない。

(3)在船者の場合(民法 978条)
航海中の船の中にいる場合は、船長または事務員1人と証人2人以上の立会いによって遺言書を作成することができる。なお遺言者、筆記者、立会人、証人は、各自遺言書に署名捺印しなければならない。

(4)船舶遭難の場合(民法 979条)
船舶が遭難し死の危険が迫った場合は、証人2人以上の立会いによって口頭で遺言をすることができる。船舶遭難の状況がやんだ後(証人が生還したとき)に証人が内容を筆記し、署名捺印し、かつ証人の1人または利害関係人から家庭裁判所に請求して確認を受けることによって効力が発生する。(この方式は、航空機の遭難の場合にも準用される。)

(※ 特別方式の遺言は普通方式で遺言書を作成することが出来ない場合の臨時的なものですので、遺言者が普通方式で遺言書を作成できるようになった時から6ヶ月間生きていたときは失効します。)

このような状況は頻繁に起こるというものではありませんが、遺言書とはこんな緊急の場合でも方式を守ることが厳格に求められているということはお分かりいただけたかと思います。

遺書と遺言書の違いを知ることで、『遺言書なんて縁起が悪い』という印象が変わり『将来の為に必要なもの』と思ってくだされば幸いです。

 

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遺言書③ ~遺留分について考える~

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

さて今回は、”遺留分(いりゅうぶん)”についてお話ししたいと思います。

亡くなられた方がもしも遺言書を作成していなかった場合、相続をすることになった人(相続人)は、亡くなった方(相続される側なので被相続人と言います)の財産から、法定相続分の財産をそれぞれ相続する権利を持つことになります。(法定相続分に関しては『相続⑥』をご覧ください)

しかし遺言書で財産の分け方を指定すれば、被相続人の意思が尊重され、法定相続分とは違う割合で分けることができます。

ですがもしも被相続人が『全財産を愛人の○○○○に譲る』という内容の遺言書を遺して亡くなられ、この遺言の通りに財産の処分が行われたとしたら、後に遺された家族の生活がおびやかされてしまう可能性があります。そこで民法では、相続人が一定の割合の相続財産を”遺留分”として確保できることと定めています。

ではどれだけの割合が遺留分となるのでしょうか。

まず相続財産(※)の2分の1が遺留分全体の額となります。(ただし相続人が直系尊属(父母または祖父母)のみである場合は3分の1。また相続人のうち、被相続人の兄弟姉妹には遺留分はありません。)

その遺留分全体に、各相続人の法定相続分の率をかけたものがそれぞれの相続人の遺留分となります。

それでは私の場合を例に考えてみます。

私の家族は父と母と弟で、祖父母はすでに他界しています。また、父は飲食店を経営しています。
財産は、店舗兼住宅の土地と建物、店舗の設備等をあわせて1500万円、現金資産が300万円の合計1800万円とします。
父が亡くなった場合の相続人は母・弟・私の三人です。

もしも遺言書を書かずに父が他界した場合には、法定相続分通りの

母 900万円(2分の1)
弟 450万円(4分の1)
私 450万円(4分の1)

という財産をそれぞれ取得する権利が発生します。

しかしもし私が、父の事業を引き継ぐことになった場合、店舗物件は私が相続しなければ事業を続けられません。

ここで現金資産が豊富にあれば、母と弟で分け合ってもらえるのですが、現金資産は300万円しかありませんので、母と弟には私から足りない分の現金を支払うという『代償分割』をすることなどが考えられます。

代償金の額は、

900万円(母)+450万円(弟)=1350万円

となり、

1350万円一300万円(現金資産)=1050万円

で、1050万円が不足しています。これはポンと出せるような金額ではありません。

父の事業をスムーズに引き継いでいくためには、例えば受取人を私とした死亡保険金1000万円の生命保険に父に入っておいてもらい、その補填に当てるなどの事前対策も必要でしょう。

また事前対策という点では、遺言書も非常に有効です。

遺言書であれば、店舗物件を私に、母に現金200万円、弟に現金100万円をそれぞれ相続させるという指定をすることもできます。
ただここで問題になってくるのが遺留分です。遺言書で指定された財産の取り分が遺留分より少ない額だった場合、各相続人は遺留分を請求する権利『遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)』を行使することができます。

この例では、財産の2分の1の900万円が遺留分全体の額となり、それに法定相続分の率をかけた

母 450万円
弟 225万円
私 225万円

がそれぞれの遺留分となります。

この場合不足額は、

450万円(母)+225万円(弟)一300万円(現金資産)=375万円

となります。

ちなみに遺留分減殺請求権を行使するかどうかは相続人の自由です。

ですが不足分の手当てについては、やはり事前に考えておかないといけません。

このように遺言書で相続財産の分け方を指定する場合には、各相続人の遺留分以上をそれぞれに確保させることを考えなければ、後々争いを引き起こすことにもなりかねず、せっかく作った遺言書もムダになってしまう可能性があります。

相続対策のために必要なのは、まず相続についての正しい知識を持つこと、そして家族でよく話し合っておくことです。

相続について何か気にかかることがありましたら当事務所までお気軽にご相談ください。

(※)遺留分の場合、相続開始前の1年間に贈与された財産も含めて計算する

 

行政書士 奥本雅史事務所

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遺言書② 〜遺言書を書いたほうがいい人?~

こんにちは、なら100年会館と同じ奈良市三条宮前町にあります行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

今回は、『こういう方は、できるだけ早めに遺言書を書いておいたほうが良い』という3つのパターンについてお話しをいたします。

さて、そもそも遺言とはなんのためにするものでしょうか?

遺言は、自分が亡くなった後の自分の財産の処分の仕方を自分で決めるためにするものです。

(これ以外にも遺言で出来ることはあるのですが、それについてはまた機会を改めて。)

もしも亡くなった方が遺言書を書いていなかった場合には、相続人全員によって遺産分割協議が行われ、話し合いによって財産の分け方が決められますので、亡くなった方が分け方を決めることは出来ません。

しかし、遺言書を遺していれば、亡くなった方のご意思は尊重され、分け方を指定することができます。遺言書はこのように強い効力を持つため民法という法律で細かく方式が定められており、法に則って作成されていない遺言書は無効となってしまいます。

それではこれらを踏まえた上で、できるだけ早めに遺言書を書いておいた方が良い3つのパターンをご紹介しましょう。

①相続人の関係が複雑になりそうな方(子どもがいて離婚した後に再婚をされている方、または認知した子どもや養子縁組した子どもがいる方など)

②法定相続分ではない割合で財産を分けたい方(家業を継いでくれる長男に全財産を相続させたい、主な財産が自宅しかなくそれを特定の子どもに譲りたい場合など)

③相続人以外に財産を譲りたい方(自分の世話をしてくれた甥や姪や孫・内縁の妻などに財産を譲りたい、団体等へ寄付をしたい場合など)

まず①についてです。配偶者は常に相続人となりますが、離婚した場合は当然相続人にはなりません。一方、子どもはたとえ離婚した場合でも相続人となる権利があります。これは認知した子どもや養子として迎えた子どもでも同じです。また養子に出した場合は、相続人としての権利は失いません。(※ただし特別養子縁組の場合は相続人とはなりません。)
親子の関係は生涯続くということです。

離婚しただけならばそれほど複雑では無いのですが、再婚した際、もし新しい配偶者にも離婚歴がありなおかつ別れた相手が引き取っている子どもがいる場合などには、相続時にそれまで会ったこともない者同士で遺産分割についての話し合いをしなければならない、ということが起こり得ます。
遺言で自分の意思を示しておく事で、揉め事を回避出来る可能性もあります。

つぎに②ですが、先ほどもお話しした通り、遺言書が無ければ遺産分割協議によって財産は分けられます。
例のように家業を継いでくれる長男に全財産を相続させたい場合などは遺言書にその旨を記載することで遺産分割協議を行うことなく財産を承継することができます。
ただし、他の子ども達との間に不公平感が生まれることで揉めることも考えられます。こういう場合のために、遺言書にはご自分の思いを記載することもできます。(付言事項(ふげんじこう)と言います。これはまた別の回で。)

また財産が現金などのように簡単に分けられる物である場合は良いのですが、現金資産があまり無く自宅などの不動産しか無いという場合は分けるのが難しくなります。そこで例えば子どものうちの1人に自宅を相続させたい場合など、法定相続分とは違う割合で分けたいというケースも遺言書が必要です。

最後に③のように、相続人では無い方、例えば甥や姪や孫などに財産を譲りたい場合も、遺言書の無い一般的な相続手続きでは成し得ません。内縁の妻のように入籍していない配偶者も通常相続人にはなれないため、財産を譲るには遺言書があることが望ましいです。
また、慈善団体や財団等へ寄付をしたい場合なども、遺言書に記載しておけばご自分の意思通りに財産の使い道を決めることができます。

このようなパターンに当てはまる方はぜひ遺言書を書かれることをお勧めいたします。

ここまで説明を聞いて「ああ、そうか。遺言書に書いておけば財産を思い通りに分けることが出来るのか。」と思われたかもしれませんが、各相続人には『遺留分』というものがあります。

次回はこの遺留分についてお話しをします。

 

行政書士 奥本雅史事務所

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〜遺言書① 今さら聞けない遺言書〜

こんにちは、相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

今回からは、遺言書についてお話しをしていきたいと思います。

「遺言書」と聞くと、みなさんはどんなイメージを思い浮かべられますか?

「死ぬ前に書くもの」
「自分が死んだあと遺される家族に宛てて書くもの」
「自分の思いを書き残すもの」
「財産の分け方について書いておくもの」

こんなところでしょうか?
たしかに、このどれもが間違いではありません。

ですが、もう少し詳しく知っていくと、遺言書が誰にとっても必要なもので、いかに大切なものかが分かっていただけると思います。

 

さて、「誰にとっても必要」と書きましたが、本当に自分にも必要なのかな、と疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。

でも『人間、必ずいつかは死ぬ』ということが変えられない以上、誰にでも必要性はあると言えます。

実際のデータで見てみましょう。日本公証人連合会が発表している遺言公正証書の1年間の作成件数の数字を見ると、年々増加の一途を辿っていることが分かります。
10年前の平成20年には年間76,436件だったものが、平成29年には110,191件と約1.5倍にまで増えています。

そして、相続に関する法律においても、遺言書の重要性はさらに増していく方向で改正の議論が進んでいるため、今後もますます作成件数は増えていくものと思われます。
『遺言書は一人に一つずつ』という時代がいずれ訪れるかもしれません。

 

また、遺言書が必要なのはわかっているけど「自分には、まだまだ早いだろう」と思っている方もおられるでしょう。
では遺言書を作成する時期、というのはいつがいいのでしょう。

遺言書は15歳から作成することができます。
そして当然、生きている間にしか作成できません。
つまり遺言書を作成できる期間は、15歳から亡くなるまでの間ということになります。

ちなみに私は今46歳ですが、もちろん遺言書を作っています。
人間、明日どうなっているかは分からないですから、備えは大切です。

とは言え、いざ遺言書となると、なかなか書くきっかけが分からないかとも思います。
これは遺言書を書く最も一般的な理由であろう「財産の分け方について」記す場合ですが、一つの目安として「自分の財産が概ね確定した時」に書くのが良いと思います。

例えば、定年退職をしたタイミング。退職金で住宅ローンもなども完済し、自分の財産がもうあまり大きく変動することがないからです。

あまり若いうちに作成しても、今後どれだけ財産が増減するかが不確定ですし、状況が変化する幅も大きく遺言書の内容が実際の状況と合わなくなるかもしれません。

私個人のケースで考えてみると、まだ両親が健在であり、自分が相続で譲り受ける財産も確定していないので、数年後には新たに作成しなおさなければならない可能性があります。

このように遺言書を作成するのには、適切な時期というものがあります。

しかし、こういう場合はできるだけ早めに書いておくべきという3つのパターンも存在します。

次回はこの3つのパターンについてお話し致します。

 

行政書士 奥本雅史事務所
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