介護が必要になったときの手続きについて

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

今回は、よく相談を受ける介護サービスについて、お伝えしようと思います。

ご自身やご家族が病気やケガで介護が必要になった場合、介護保険の介護サービスを利用することになります。

突然介護が必要になったとき、どこに何を聞いたらいいのか、どんな手続きが必要なのか、分からないことも多いと思います。

今では役所のホームページをはじめ、インターネットで検索すれば、ある程度の疑問は解決できるかと思います。

ただ、あまりにも情報が多すぎて、結局何をしたらいいのか分からなくなると聞いたこともありますので、まず知っておいた方がいい情報をまとめました。

ポイントとしては、お住いの地域にある地域包括支援センターに相談することです。

ここで介護保険サービスを利用するまでの様々な手続きについて丁寧に教えてくれます。そして、介護にまつわる不安や悩みの相談にも対応してくれます。

もし、

もの忘れがひどくなった

転倒して寝たきりになった

高齢で体力が落ちて介護が必要になった

など、

自宅で介護が必要になりそうなときは、まずは最寄りの地域包括支援センターへご相談に行かれることをお勧めします。

お住まいの地域を担当している地域包括支援センターは役所でも教えてくれますし、インターネットでも検索できます。まずは、お電話にて問い合わせてみるとよいでしょう。

例えば、脳梗塞などで入院した場合、治療やリハビリが済んでも介護が必要になるケースがあります。退院日が決まったとしても、ご家族は不安でいっぱいになるでしょう。

このような時は、病院内に退院後の自宅での介護について相談に乗ってくれる部署があります。地域医療連携室と呼ばれることが多いこの部署では、お住まいの地域包括支援センターや診療所、ケアマネージャーと連携し、退院後の生活が困らないように相談に乗ってくれます。

要介護認定など介護保険の介護サービスを利用するまでに必要な手続きは様々です。専門機関でサポートを受けましょう。

そして、実際に介護サービスを受けることになれば、「ケアマネージャー」と契約し、「ケアプラン」を作成してもらいます。

  • ケアマネージャーは居宅介護支援事業所という事務所に所属しています。この事務所は地域にいくつかあると思います。その中から選んで契約することになります。
  • ケアプランとは、どのような介護サービスをいつ、どれだけ利用するかを決める計画のことです。また、ご本人の望む暮らしへ向けて目標を立てます。

介護サービスを利用するときは、まず、介護や支援の必要性に応じてサービスを組み合わせたケアプランを作成します。

訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなどたくさんのサービスがあり、ケアマネージャーが専門的な知識を持って考えてくれます。

そうして完成したケアプランに基づき、介護サービス事業所と契約を結び、サービスを利用するという流れになります。

介護サービス開始後もケアマネージャーが各種相談にのります。

利用している介護サービス事業所と連絡を取り合い、ケアプランに記載された目標が達成できるように調整を行います。

日頃から介護サービス事業所と密に連絡を取り合ってくれますので、ご本人やご家族の困りごとや、体調などの情報を共有し、困りごとを解決するための取り組みや、体調不良時の迅速な対応もしてくれます。

このように、身近でサポートしてくれるケアマネージャーですが、ケアマネージャーとして仕事するには、試験に合格し、研修を受けることが必須になっています。

その試験を受けるためには「介護・医療・福祉分野の資格を持ち、5年以上の実務経験」が必要となっています。

介護・医療・福祉分野の資格を持ち、5年以上の実務経験ということは、ケアマネージャーは、実務経験を積んだ分野が人それぞれということです。

すなわち、代表的な資格の例をあげると

介護分野では、介護福祉士

医療分野では、医師、看護師、理学療法士など

福祉分野では、社会福祉士、精神保健福祉士

その他にも複数の国家資格が指定されています。

このように同じケアマネージャーでも経験した実務内容や得意分野が異なります。

ケアマネージャーを選ぶ際には、どのような専門知識(強み)を持つ人が望ましいのかといった点も検討されるとよいかと思います。

なにより、きちんと話を聞いてくれる誠実な人がいいですよね。

しかし、人間同士なので相性もあります。ケアマネージャーも色んな人がいますので、馬が合わないといったことも考えられます。

一度ケアマネージャーと契約したら、変更ができないと勘違いされる方もいらっしゃいますが、どうしても関係がうまくいかない時は変更できることも知っておいていただければと思います。

介護サービスも同様で、事業者によって色んな特色がありますので、利用する際は、事前に情報を集めてじっくり検討し、万が一うまく合わない場合でも変更することができます。

健康が一番だとは思いますが、誰もが病気になる可能性ありますし、介護が必要になるかもしれません。

いざ介護が必要になったときの備えとして、この記事がお役に立てば幸いです。

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成年後見人の任期について

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

年末のせわしい時期ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

オミクロン株の市中感染が確認され、今後の感染状況が気になるこの頃です。

穏やかな新年を迎えられることを願うばかりです。

さて、今回は成年後見人の任期についてお伝えしたいと思います。

成年後見人、保佐人、補助人(以下、成年後見人等)に就任する際は、家庭裁判所より選任されます。(成年後見人制度の申立てから選任までの流れは以前のコラムでお伝えしておりますので、よろしければご参照ください。)

そして、選任された時には任期が定められることはなく、後見人等は原則として本人がお亡くなりになるまで、その責務を果たさなければなりません。

また、何年間続けなければならないといった決まりもなく、成年後見人等に選任された後に辞任する場合には、家庭裁判所の許可を得なければなりません。そのためには「正当な理由」が必要です。

例えば「海外への転勤」や「自分自身の体調が悪く、続けることが難しい」などの明確な理由があれば、「正当な理由」として認められるケースもあります。

ただし、「報酬が見込めない」とか「被後見人と性格が合わない」等の理由では正当な理由として認められません。

つまり、成年後見人等側の身勝手な理由での辞任は認められていないのです。

したがって、原則として、ご本人(被後見人等)が精神上の障がい等から回復し、判断能力を取り戻すか、もしくはお亡くなりになるまでの間、成年後見人等としての責務を担うことになります。

例えば、不動産の処分や相続などが必要で、そのために申立てをして、当初の目的を達したからと言って、任期が終了するものではありません。

成年後見人等に就任した人が勝手にやめてしまうことがあっては、ご本人(被後見人等)にとって不測の被害が発生しかねません。

そこで、成年後見人等の辞任については正当事由があるかどうかは家庭裁判所の判断に委ねられています。

一方、成年後見人等に一定の事情がある場合には、 家庭裁判所がその成年後見人を解任することができます。 解任の理由としては、 成年後見人等の不正行為、著しい不行跡、 その他後見の任務に適しない事由がある場合です。

成年後見人等にこのような事由がある場合には、 家庭裁判所は、成年後見監督人、 成年被後見人やその親族、 検察官の請求により、または家庭裁判所の職権で、 成年後見人の解任をすることができることになっています。

このように、成年後見制度では、ご本人の保護を最優先に考えられています。

ただ、ご本人の立場から見ても一旦成年後見制度を利用すると、やめたいからやめるということは原則できません。こちらも家庭裁判所に申し立てをして認めてもらう必要があります。

例えば、成年後見人等に不満がある、馬が合わないという理由だけでは、認められず、成年後見人等に不正行為や不適切な業務があるということを家庭裁判所に認めてもらわなければなりません。

成年後見制度を活用する際には、このようなルールも考慮して検討していただければと思います。

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法定後見と任意後見の違い

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

ようやく緊急事態宣言が解除されましたが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

私は先月の中旬に2回目のコロナワクチン接種が済みました。

その日から副反応で熱が出たり、全身に倦怠感や痛みが出て大変でした。

でも、万が一感染した場合は重度化を防げると言われていますし、大切な家族や周囲の人のためにも接種してよかったかなと思っています。

引き続き予防対策をしっかり行っていきたいと思います。

はやく以前のような日常が戻るといいですね。

さて、今回は成年後見制度について書きたいと思います。

というのも、よく質問を受けることがあり、改めてお伝えしたいと思いました。

その内容は、「法定後見と任意後見の違い」についてです。

まず、成年後見制度には大きく2つの制度があるということをご説明いたします。

成年後見制度そのものについては、なんとなくご存知の方も多くいらっしゃいます。

しかしながら、後見人がついてくれれば身寄りのない人の保証人になってもらえるなど、誤った認識の方が少なからずいらっしゃいます。

また、身寄りのない方の家族のような役割をしてもらえるとの誤解もあります。

このあたりの内容につきましては、私の以前のコラムをご参考にしていただければ幸いです。

今回のテーマである「法定後見と任意後見の違い」は成年後見制度の入り口の話でありますが、この入り口の話をご存じない方が多いと感じましたので、主な違いを図と表を使い整理してみました。

下の図は、法定後見と任意後見の関係になります。

左側が「法定後見制度」で、利用できる方は、認知症や障がいなどによって判断能力が低下した方です。

管轄は家庭裁判所になり、後見人の選任は家庭裁判所が行う点が大きな特徴です。

そして、右側が「任意後見制度」になります。

こちらは判断能力があるうちに、自分の意思で将来の後見人になる人を選んで契約します。老後の備えとして考えられることも多いため、老い支度や転ばぬ先の杖と言ったりもします。

法定後見制度の後見、保佐、補助の内容や、任意後見制度の契約手続き、任意後見監督人についての解説は、以前のコラムでお伝えしておりますのでよろしければご参照ください。

次の表は、法定後見と任意後見の特徴を整理した表になります。

今回は、法定後見と任意後見の違いについて改めてお伝えしました。

具体的な手続きや利用した場合のイメージなどわかりにくい点が多くあると思います。

成年後見制度についてご質問があれば遠慮なくお問い合わせ下さい。

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【介護職種】技能実習評価試験について

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

暖かい日が多くなってきました。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

前回のコラムでは、特定技能の在留資格を取得するために必要な試験についてお伝えしました。

その後、技能実習生が受ける試験ついてのお問い合わせもいただきましたので、今回は技能実習生の試験についてお伝えします。

以前のコラムでご説明したとおり、技能実習生の区分は入国1年目が技能実習1号、2~3年目が技能実習2号、4~5年目が技能実習3号とされています。

1号から2号へ移行する場合には、技能実習生が実技試験と学科試験に合格する必要があり、2号から3号へ移行する場合にも実技試験の合格が必要です。

最初の試験は、技能実習1号の開始後7か月目か8か月目あたりでの介護技能実習評価試験(初級試験)となります。

この試験は、実技と学科があり、試験時間はそれぞれ60分です。

試験会場は、技能実習生が勤務している事業所や施設で行われます。そのため、実習実施者(受入企業)は、学科試験と実技試験の会場となる部屋の準備や、実技試験に協力してもらう介護サービス利用者の手配等をしなければなりません。

試験当日は、外部の「試験評価者」という試験官の役割を担う人が訪問してくれます。この試験評価者の指示に従いながら試験が進められます。

初級試験における実技試験では、技能実習生を日ごろから指導している技能実習指導員が技能実習生に指示を出し、その指示どおりに介護ができるかが判定されます。

実技試験の試験課題や評価項目はシルバーサービス振興会のホームページに詳しく掲載されていますので、試験前に確認いただくことをお勧めします。

参考:シルバーサービス振興会のホームページ(http://www.espa.or.jp/internship/)

では、実技試験の評価基準を見てみましょう。

「体調の確認」という項目で評価されるポイントは、利用者に体調の確認を行い、技能実習指導員に報告しているか(利用者の特性に合わせコミュニケーションを取り、反応や表情等も見ている)となっています。

また、

「介助の説明と同意」という項目であれば、これから行う介助について説明をして、同意を得て、その結果を技能実習指導員に報告しているかどうかがポイントになります。

このように、評価の基準が示されています。初級試験は介護の基本的な部分ばかりですね。

技能実習生としては、最初に指導を受ける内容であり、この基本は必ず身に付けているはずです。したがって、試験も普段通りに行えば、問題なく合格できるレベルですし、入念に準備して臨めば大丈夫ではないかと思います。

一方、学科試験は○×方式で、初級試験は20問出題され、65%(13問)以上の正答で合格です。

参考に1つ過去問題を見てみましょう。

介護(かいご)(しょく)看護(かんご)(しょく)リハビリ(りはびり)(しょく)(など)協力(きょうりょく)をして、利用者(りようしゃ)生活(せいかつ)支援(しえん)します。

Kaigoshoku wa kangoshoku ya rihabiri shoku nado to kyōryoku o shite riyōsha no seikatsu o shien shimasu.

正答:○

難易度としては、当たり前のことを聞かれていますので、真面目に実習をしていれば、難しくない問題だと思います。過去問題が同ホームページで公開されていますので、試験対策として活用できます。

特定技能の試験との違いとして、実習している施設で試験が行われます。したがって、試験を実施するまでには、施設の担当者、監理団体、試験実施機関、技能実習機構との連携が不可欠です。

技能実習の段階に応じて、初級試験、専門級試験、上級試験が設定されています。

実習実施者(受入企業)の方は、まず監理団体に試験の申し込みや流れについてご確認いただければと思います。

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【特定技能】介護分野の技能試験と日本語試験

こんにちは。

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

コロナウィルスの感染者が減少傾向になってきましたね。

ワクチン接種がもうじき始まりそうです。

少しだけ希望がわいてきました。

早く元の暮らしに戻れるようにと祈りながら生活を送っている今日この頃です。

今回のコラムは、引き続き特定技能の話題です。

特定技能1号の在留資格を取得するためには、技能試験及び日本語試験に合格する必要があります。

この試験はどんな問題が出るのか?

採用する側にとっても、その外国人がどの程度の知識を持っているのか気になりますよね。

そこで、介護分野の技能試験及び日本語試験の問題や難易度についてご紹介したいと思います。

試験は、

①技能試験

②2種類の日本語試験

があります。

①技能試験

介護分野の技能試験のことを「介護技能評価試験」といいます。

問題は学科試験40問と実技試験5問の合計45問あり、試験時間は60分です。

学科試験40問の試験内容は以下の科目から出題されます。

・介護の基本(10問)

・こころとからだのしくみ(6問)

・コミュニケーション技術(4問)

・生活支援技術(20問)

実技試験5問は、判断等の形式による実技試験課題が出題されます。

厚生労働省のホームページで公表されている例題を見てみましょう。

【問題】

自己決定を支援する上で把握すべき内容として、適切なものを1つ選びなさい。

1 家族の意向

2 介護を必要とする人の希望

3 医師の判断

4 経済状況

自己決定に関する問題です。

介護職にとって基本中の基本ですね。

この問題は日本語の意味がわかれば簡単に解けそうです。

正答は2です。

ではもう一つ見てみましょう。

【問題】

老化にともなう高齢者のからだの変化に関して、正しいものを1つ選びなさい。

1 個人差は少ない。

2 低い音は、聞こえにくくなる。

3 暑さ寒さを、感じやすくなる。

4 視野が狭くなる。

この問題も基本であり、必須の知識です。

高齢者の特徴を理解したうえで、個別の状態に合わせて介護を提供します。

正答は4ですね。

問題1、2、3の記述はすべて逆のことを言っています。

他の問題も見てみましたが、介護技能評価試験は、現場で必須の基本的な知識を問う問題のようです。

次に日本語試験を見てみましょう。

②2種類の日本語試験

2種類の日本語試験とは、

1.国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上

及び

2.介護日本語評価試験

です。これらに合格することが必要です。

介護の仕事は、高齢者とのコミュニケーションがとれないと話になりません。

最低限の日常会話と介護に関する日本語を理解することが求められます。

試験は全15問を30分で答える試験です。

15問の試験内容は以下の科目から出題されます。

・介護のことば(5問)

・介護の会話・声かけ(5問)

・介護の文書(5問)

では、介護日本語評価試験の例題を見てみましょう。

【問題】

したのきいろの文字の ことばと だいたい おなじ いみのものは どれですか。

いちばん いいものを 1・2・3・4から ひとつ えらんで ください。

タンさん、この箱(はこ)を更衣室(こういしつ)に持(も)って行(い)ってください。

1 着替(きが)えをするところ

2 会議(かいぎ)をするところ

3 食事(しょくじ)をするところ

4 運動(うんどう)をするところ

正答:1

いかがでしたか?

介護の仕事をしている方であれば、当たり前のことを聞かれているように感じるかもしれませんね。日本語の問題は簡単に見えますが、この程度の日本語が理解できないと仕事はできませんよね。

公表されている最新の試験結果のデータでは、国によってバラつきがありますが、60%~90%の合格率のようです。ネパールでは90%以上の合格率が続いています。

試験では基本的な知識が問われています。難易度は決して高くないため、合格することはできるかもしれません。

しかし、実際に介護現場で働くことになれば、試験の知識だけで職責を果たすことは難しいと思います。

つまり、特定技能1号で外国人を雇用する際は、教育体制を十分に整えておくことが肝要だということです。介護の指導はもとより日本語教育や日本での生活サポートも欠かせません。

新たな在留資格「特定技能」が創設され、介護分野での受け入れが始まってからもうすぐ2年が経とうとしています。今後、特定技能 1 号の本格的な受入れが始まる見込みです。

人材不足でお悩みの際は、特定技能による外国人の雇用も選択肢の一つとして検討できるのではないかと思います。

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特定技能による外国人雇用の流れ

こんにちは。
行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。


新型コロナウイルス感染症の”第 3 波”が猛威を振るっています。
第 2 波と比べると、高齢者が感染され割合も増え、重症化するリスクが高くなっています。

介護施設でのクラスターも多数発生しているようです。全国の重症者数や新規感染者数は連日増加しています。

年末の忘年会やクリスマスは例年と違った形になりそうですね。

みなさんもコロナ疲れがでないよう、ご自愛ください。
改めて感染対策を徹底して、なんとかこの波を乗り越えましょう。

さて、今回のコラムは前回に続き、特定技能についてお伝えしたいと思います。


特定技能の対象となる外国人は、技能水準・日本語能力水準を試験等で確認された上で「特定技能 1 号」の在留資格によって介護事業所で最大5年間を上限に雇用することができます。

ただし、介護福祉士の国家資格が取得できれば、在留資格「介護」に変更して、永続的に働くことができるようになります。

また、3年目まで修了した技能実習生は、「特定技能1号」に必要な試験が免除され、在留資格を特定技能に変更することも可能です。この情報は前回のコラムでお伝えした通りです。

それでは、「特定技能1号」をもつ外国人介護人材の雇用の流れについてみていきましょう。


介護事業所(以下、受入れ機関といいます。)は、以下の流れを経て特定技能外国人を雇用することになります。

すでに日本国内に在留している外国人を雇用する場合と、海外から特定技能の在留資格を持って日本へ働きにくる外国人を雇用する場合では流れが違います。

日本国内に在留している外国人を雇用する場合
① 外国人が試験に合格又は技能実習2号を修了したことの確認
② 特定技能外国人と雇用契約を結ぶ。
③ 特定技能外国人の支援計画を策定する。
④ 在留資格変更許可申請を地方出入国在留管理局へ行う。
⑤ 「特定技能1号」へ在留資格変更
⑥ 就労開始

海外から来日する外国人を雇用する場合
① 外国人が現地で試験に合格又は技能実習2号を修了して帰国していることの確認。
② 特定技能外国人と雇用契約を結ぶ。
③ 特定技能外国人の支援計画を策定する。
④ 在留資格認定証明書交付申請を地方出入国在留管理局へ行う。
⑤ 在留資格認定証明書受領
⑥ 在外公館に査証(ビザ)申請
⑦ 査証(ビザ)受領
⑧ 入国
⑨ 就労開始

特定技能制度では、技能実習制度のような監理団体や送出機関を設けていないため、受入れ機関は直接採用活動を行うか、国内外の職業紹介機関を活用して採用活動を行うことになります。

国内での募集であれば、ハローワーク等を通じて採用することも可能です。


特定技能外国人を雇用するためには、省令等で定められた様々な基準を満たす必要がありますし、上記の流れを見ていただいてもわかるように、入国管理局への手続きや外国人とのやり取りを必要とする場面があったりして、複雑でわかりにくいことが多いですね。

そのため、特定技能外国人の雇用を検討する際には少しハードルが高く感じるかもしれません。

ただ、現在は就労開始まで丁寧にサポートしてくれる民間の職業紹介会社が増えていますので、介護分野に強いサポート機関を探すことも一つの方法かと思います。

特定技能制度の特徴として、受入れ機関は、雇用した特定技能外国人に対して日本で生活するためにいろんな支援を実施する義務があります。

具体的には、職業生活、日常生活そして社会生活の上において、支援の実施に関する計画(1号特定技能外国人支援計画)というものを作成し、この計画に基づいて支援を行わなければなりません。

支援内容としては、
① 事前ガイダンス
② 出入国する際の送迎
③ 住居確保・生活に必要な契約支援
④ 生活オリエンテーション
⑤ 日本語学習の機会の提供
⑥ 相談・苦情への対応
⑦ 日本人との交流促進
⑧ 転職支援(人員整理等の場合)
⑨ 定期的な面談・行政機関への通報
があります。

しかしながら、多岐にわたる支援業務を受入れ機関自らが行うことは難しいケースが多いと思います。

ですので、支援業務については、「登録支援機関」という出入国在留管理庁長官の登録を受けたサポート機関に委託することができるようになっています。

今回お伝えした内容の他にも、特定技能外国人を雇用するための条件がたくさんあります。

これからの時代、ますます人材不足が加速していきます。介護業界でも外国人の介護人材を雇用することが当たり前になってくるのではないかと思います。

引き続き、役立つ情報を発信していきたいと思います。

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在留資格「特定技能」による外国人介護人材の雇用

こんにちは。
介護・福祉の専門オフィス行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

今月は、出張で東京と福岡へ行ってきました。
新幹線で移動したのですが、車内や駅には大勢の人が密集していました。
みんなマスクはつけていましたが、それ以外はコロナが発生する前の光景と変わらない感じに見えました。

私も含め、世間ではコロナ禍での新しい生活様式にもだいぶ慣れてきたようですね。
ただ、これからはインフルエンザの流行が心配な季節です。
どうか、みなさまも万全の対策をとって、予防しましょう。

さて、今回は、外国人介護人材の 4 つ目のテーマとして、「特定技能」を取り上げたいと思います。


特定技能の外国人制度は、2018 年 12 月公布の「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」において創設され、新たに在留資格「特定技能」が 2019 年 4 月から施行されました。


在留資格「特定技能」は、深刻化する人手不足に対応するため、人材確保が困難な分野において、人手不足を補うために、一定水準以上の技能を持つ外国人を受入れるための制度になります。


人手不足が深刻な産業分野は 14 分野定められていて、「介護」もそのうちの 1つです。
前回のコラムでご紹介した「外国人技能実習制度」の目的が「技術移転」であったのに対し「特定技能」の目的は「専門性・技能を生かした業務に即戦力として従事する外国人を受け入れること」とされています。


この新しい在留資格には、「特定技能 1 号」と「特定技能 2 号」があります。特定技能 1 号は、期間の定めのある非高度人材として区分され、特定技能 2 号は、高度人材として永続的・長期的な定住の可能性のある人材として位置づけられています。


現状の介護分野においては、特定技能 1 号のみが認められています。2 号での適用はありません。そのため、特定技能の在留資格を有した外国人が働けるのは、5 年が上限となってしまいます。


介護分野の特定技能を申請する場合、ほかの産業分野と同様に、以下の 3 点が基本の条件です。
⚫ 18 歳以上であること
⚫ 規定の日本語能力試験を合格していること
⚫ 規定の技能評価試験に合格していること


そして、介護分野では通常の日本語能力試験に加えて、介護分野独自の日本語試験に合格する必要があります。
ただし、技能実習制度における「技能実習 2 号」を修了した実習生は、上記の試験が免除され、「特定技能 1 号」の在留資格を取得することができます。


「技能実習」では最大 5 年間だった在留期間を、「特定技能」を取得することで更に 5 年間延長することも可能になります。したがって、今後は「技能実習」から「特定技能」という流れが増えていくことも想定されます。


介護施設の中では、長期滞在に意欲を持った人材を技能実習生候補の段階から採用し、「特定技能」につなげようと考えるところも出てきています。
また、滞在中に介護福祉士の資格を取得できれば、永続的な就労という道も考えられるようになっています。


しかしながら、現実には技能実習期間終了とともに帰国する外国人技能実習生が多いようです。長期的に日本で就労してもらうためには、職場の魅力アップが必要ですね。
日本人と同様に、長期間就労したいと思える魅力的な職場づくりに取り組み、はたらきやすい環境整備が求められるようになると思います。


次回は、特定技能を持つ外国人の雇用の流れをお伝えしていきます。

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技能実習制度における介護人材特有の要件

こんにちは。
介護・福祉の専門オフィス、行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の𠮷川昇平です。

前回のコラムでは、技能実習制度の概要をお伝えしました。

介護現場で技能実習生を受け入れるためには、介護人材特有の要件が定められており、正しく理解しておく必要があります。
今回のコラムは、この介護職種の追加要件をご紹介したいと思います。

まずは、介護職種が技能実習制度に追加される際に議論されたポイントを見てみましょう。次のような考え方を基本として介護固有の要件等が検討されました。

【基本的考え方】

■ 外国人介護人材の受入れは、介護人材の確保を目的とするのではなく、技能移転という制度趣旨に沿って対応すること。
■ 職種追加に当たっては、介護サービスの特性に基づく様々な懸念に対応するため、以下の3つの要件に対応できることを担保した上で職種を追加すること。
① 介護が「外国人が担う単純な仕事」 というイメージにならないようにすること。
② 外国人について、日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇・労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること。
③ 介護サービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにすること。

このような考え方に基づき、介護分野における技能実習生の受入れに関する制度設計がなされています。

介護職種は高齢者へのサービス提供が仕事となりますので、他の技能実習と異なり、技能実習生、実習実施者、監理団体に対して追加要件が定められています。
以下、技能実習生と実習実施者の追加要件をご紹介します。

【技能実習生に関する要件】

①日本語習得レベルに関する追加要件
技能実習1号(1年目)
日本語能力試験のN4に合格している者。その他これと同等以上の能力を有すると認められる者であること。

技能実習2号(2年目)
日本語能力試験のN3に合格している者。その他これと同等以上の能力を有すると認められる者であること。

(参考)
日本語能力試験には、N1~N5の5つのレベルがあります。
いちばんやさしいレベルがN5で、一番難しいレベルがN1です。
「N4」:基本的な日本語を理解することができる。
「N3」:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる。

②同種業務従事経験(職歴要件)
 団体監理型技能実習の場合、技能実習生は「日本において従事しようとする業 務と同種の業務に外国において従事した経験があること」または「団体監理型技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること」を要件として満たすことが必要とされています。

職歴要件は、例えば以下の者が該当します。
■ 外国における高齢者もしくは障害者の介護施設または居宅等において、高齢者または障害者の日常生活上の世話、機能訓練または療養上の世話等に従事した経験を有する者。
■ 外国における看護課程を修了した者または看護師資格を有する者。
■ 外国政府による介護士認定等を受けた者。

【実習実施者・実習内容に関する要件】


①技能実習指導員
■ 技能実習指導員のうち1名以上は、介護福祉士の資格を有する者その他これと同等以上の専門的知識及び技術を有すると認められる者(※看護師等)であること。
■ 技能実習生5名につき1名以上の技能実習指導員を選任していること。

②事業所の体制
■ 技能実習を行わせる事業所が、介護等の業務を行うものであること。(訪問系のサービスについては適切な指導体制をとることが難しいため対象から除かれています)
■ 技能実習を行わせる事業所が、開設後3年以上経過していること。
■ 技能実習生に夜勤業務その他少人数の状況下での業務又は緊急時の対応が求められる業務を行わせる場合にあっては、利用者の安全の確保等のために必要な措置を講ずることとしていること。
■ 技能実習を行う事業所における技能実習生の数が一定数を超えないこと。
■ 入国後講習については、基本的な仕組みは技能実習法本体によるが、日本語学習と介護導入講習の受講のほか、講師を担う者にも一定の要件が設けられている。

参考:技能実習「介護」における固有要件について(厚生労働省社会・援護局)

いかがだったでしょうか。
今回は、介護職種の固有要件のうち、技能実習生と実習実施者に関する要件をご紹介しました。

介護の技能実習生を受け入れるためには、技能実習制度本体の要件に加えて、ご紹介した介護職種固有の要件をしっかり理解してクリアすることが必要です。

他にも様々なルールが存在しますので、介護技能実習生の雇用をご検討される際は弊所へお気軽にご相談ください。

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技能実習制度を活用した外国人(技能実習生)の雇用

こんにちは。

介護・福祉の専門オフィス

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

前回に引き続き、今回も日本で外国人介護職員を雇用するための制度をご紹介したいと思います。

今回お伝えするのは

「技能実習制度を活用した外国人(技能実習生)の雇用」です。

技能実習という言葉、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

外国人技能実習制度(以下、技能実習制度)は、日本から諸外国への技能移転を目的として、外国人を日本の産業現場に一定期間受け入れ、技能や技術等を学んでもらい、母国の経済発展に役立ててもらうことを目的とした制度です。

技能実習制度は、 企業が単独で技能実習生の受入れを行う 「企業単独型」と、協同組合や商工会等の団体が技能実習生をあっせんし、その責任と指導のもとで実習先の企業が技能実習生の受入れを行う 「団体監理型」の2つの形態に大別されます。

現在は、団体監理型が主流となっていますので、介護の技能実習生の受け入れにあたっても監理団体を通して手続きを進めることになります。

団体監理型による受け入れの概要は以下の図をご参照ください。

出典:「外国人技能実習制度について」法務省 出入国在留管理庁・厚生労働省人材開発統括官

団体監理型で技能実習生を受け入れる際には、たくさんの機関が登場します。

図を見てみると何とも複雑な感じでわかりにくいですね。

技能実習生の受け入れを検討される企業は、図で言うと受入企業(実習実施者)となります。

受入企業は監理団体に相談し、自社に外国人実習生を招き入れる計画を立てることになります。

外国人技能実習機構への実習計画申請や入国管理局への在留資格認定証明書の申請など、必要な手続きは監理団体が中心になって行ってくれるため、受入企業の手続きの負担は軽減されます。また、監理団体は受入企業に対し、実習計画の作成指導、支援も行います。

受入企業としては、雇用契約に基づいて技能実習生へ支払う費用以外に監理団体へ支払う費用も必要になってきますが、その分複雑で大変な手続きを行ってもらえますし、相談にものってくれます。

よく技能実習制度を人材派遣と混同される場合がありますが、監理団体は人材派遣会社ではありません。監理団体は、受入企業が実習実施者として適正な技能実習を行うためのサポートや助言を行ったり、技能実習生の保護を目的に監督、監査などを行うことがメインの仕事です。

一方、受入企業は、技能実習生に対し技能等を修得させる立場です。そのために、技能実習指導員や生活指導員を配置し、技能実習計画に沿って技能実習を実施するとともに、技能実習生の生活にも配慮しなければなりません。

したがって、受入企業には、実習実施者として実習生の雇用責任、技能実習を適正に行う責任、実習生の生活環境への配慮責任などがあることにはご留意いただきたいところです。

続いて、技能実習の流れは以下の図をご参照ください。

出典:「外国人技能実習制度について」法務省 出入国在留管理庁・厚生労働省人材開発統括官

技能実習の期間は最大で5年となっています。

図で見ていただくと分かるかと思いますが、技能実習生は技能実習2号及び技能実習3号の段階に進む際には実技や学科による技能検定があります。これは、技能実習によって目標とする技能を修得できたかどうか、成果を確認するものです。技能検定等に合格できない場合は、次の段階の技能実習に進むことができません。

5年間の技能実習を続けるためには、在留資格の変更や更新に加えて課せられた様々な要件をクリアしていくことが必要となります。

受入企業(実習実施者)においても、第3号技能実習(4年目、5年目)を行う条件として、外国人技能実習機構への技能実習計画の認定申請の際に「技能等の修得等をさせる能力につき高い水準を満たすものとして主務省令で定める基準」に適合している実習実施者として、外国人技能実習機構から優良認定を受ける必要があります。

つまり、技能実習生の実習を適切に行うための基準に照らして審査を受け、認めてもらう必要があります。

このように、技能実習生を受け入れる際には受入企業には、様々な要件を満たしたうえで、複雑な手続きを経ることになります。また、来日される外国人の方にも様々な要件が課されています。

以上が技能実習制度の概要となります。今回お伝えしたことは、技能実習制度のほんの一部にすぎません。技能実習生を受け入れるためには早めの準備と情報収集が欠かせません。

介護施設で技能実習生の受け入れをご検討される際は、介護職種に強い監理団体にご相談されることをお勧めします。また、弊所でもご相談をお受けできますので、お気軽にご連絡いただければと思います。

次回は、介護職種の技能実習生を受け入れる際に知っておくべき介護職種特有の要件をお伝えします。

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日本の介護福祉士養成校を卒業した在留資格「介護」を持つ外国人の雇用

こんにちは。

介護・福祉の専門オフィス

行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

全国で緊急事態宣言が解除されましたが、いかがお過ごしでしょうか。

経済が少しずつ動き始めていますが、一方で新たな感染者も確認されコロナ第2波への警戒も続いています。

かつての日常を取り戻せる日はまだまだ先になりそうですね。

テレビを見ていると、色んな人が新しいビジネスやライフスタイルを考案し実践されていることが紹介されています。

前向きに、今出来ることを頑張っていきたいですね。

          

さて、今回は、外国人介護職員の雇用に関するテーマの2つ目

「日本の介護福祉士養成校を卒業した在留資格「介護」を持つ外国人の雇用」

についてお伝えしたいと思います。

           

在留資格「介護」は、平成29年9月から始まった新しい在留資格です。

新しく創設された背景として、深刻な介護士不足がありました。

そんな中、「日本再興戦略」改訂2014(平成26年6月24日閣議決定)において、外国人留学生が介護福祉士を取得した場合に我が国での就労を認めることが検討され、出入国管理法の改正を経て、平成29年9月に在留資格に「介護」が創設されました。

介護の在留資格が創設されるまでは、外国人留学生が大学や専門学校等の介護福祉士養成施設(以下、養成校)で介護福祉士の国家資格を取得しても、日本では介護業務に就けませんでした。

しかし、在留資格「介護」が創設されたことで、現在では介護福祉士国家資格を取得すると、在留資格「介護」が取得でき、介護業務に従事することで長期間の日本滞在が可能となったのです。

  

介護の在留資格を取得するまでの典型的な流れは以下のとおりです。

まずは、外国人留学生として、在留資格「留学」で入国し、養成校で学びます。

  1. 外国人留学生として入国
  2. 介護福祉士養成施設で修学(2年以上)
  3. 介護福祉士の国家資格取得

卒業後、介護福祉士国家資格を取得した場合、在留資格「介護」に変更することができ、介護福祉士 として介護業務に従事することができるようになります。

  1. 在留資格変更「留学」→「介護」

一旦帰国した上で,「介護」の在留資格で新規入国することも可能です。

  1. 介護福祉士として業務従事

在留状況に問題がなければ、在留期間の更新が可能で、その更新回数に制限はありません。さらに、配偶者及び子が「家族滞在」の在留資格で在留することが可能となります。

   

この制度では、EPAや技能実習制度による受入の場合と異なり、受入調整機関がありません。そのため、採用活動は事業者が自主的に行う必要があります。

例えば、日本人学生と同様に養成校を卒業する外国人留学生にアプローチしたり、外国人留学生の就職支援をする団体や人材紹介会社、派遣会社の活用もあります。

事業者がよりよい人材を採用したい場合は、養成校との連携が必須です。

養成校側から就職先として紹介してもらえるようにするためには、普段からの連携がとても重要になります。連携の例としては、養成校の現場実習を受入れたり、留学生をアルバイトとして受け入れることがあります。普段から連携が取れていれば、信頼関係が構築されやすいですし、留学生からも安心できる就職先として認識してもらえるでしょう。

    

ただし、「留学」の在留資格ではアルバイトはできませんので、この場合は地方出入国在留管理局に資格外活動許可の申請をして、アルバイトをする許可を得ておく必要があります。

また、外国人留学生のアルバイトは原則週28時間 に規制(長期休暇期間中は1日8時間以内・週40時間以内)されていますので、事業者側もしっかりと認識したうえで、勤務時間の管理に注意が必要です。

留学生が在籍する養成校は、卒業生の就職先の情報を収集していますので、事業者として外国人を積極的に採用していることをPRしておくこともひとつです。

    

最後に外国人留学生の国籍についてみてみましょう。

国籍別上位5か国は以下のようになっています。

  1. ベトナム(44.7%)
  2. 中国(14.9%)
  3. ネパール(12.0%)
  4. フィリピン(7.9%)
  5. インドネシア(5.3%)

※厚生労働省 社会・援護局 補助事業「介護福祉士を目指す外国人留学生等に対する相談支援等の体制整備事業」(平成30年度)養成校へ所属する外国人留学生へのアンケート調査より

    

上記のように、近隣のアジア諸国からの留学生が多くなっています。

コロナウイルスの影響で今後はどうなるか分かりませんが、日本の介護業界を目指して多くの外国人に来ていただけるように、魅力のある職場環境や外国人が安心して生活できる環境を整備しておくことが大切ではないかと思います。

   

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