「離婚は計画的に④。~相手に不貞行為がある場合の証拠集め~」

初めまして。奈良県王寺町で開業しています。

行政書士の若林かずみです。

今回は、相手に不貞行為がある場合の証拠集めについて書いてみようと思います。

 

【はじめに】

それにしても、最近、思うに…。

世の中は乱れとる…。”(-“”-)”

世の中に娯楽は溢れているというのに、

なぜ、そんなに性が乱れるのだろうか…。

乱れていると、裁判上の離婚原因である「不貞な行為」(民法770条1項1号)に該当しますよ。。。((+_+))

 

【どんな場合が「不貞な行為」に該当するの?】

ある、晴れた日の午後の出来事(以下の話はフィクションです)

40代専業主婦&主夫の4人組。

スポーツクラブ帰りに、呑気にカフェでランチ中~。

A子「M男さんって、素敵よね~」

B子「わかる~。あの胸板がいいわ~。」

A子、D男、頷く。

C子「でもさ。あの男。許せない!

あの男、この間、ビルの陰でS子とキスしてたのよ!

あんな奴!別れてやる!!!」

A子、B子、D男「別れる??」

C子「みんなにはずっと黙ってたけど、私、半年前からM男と付き合ってたの。

まだ、一線は超えてないけどさ。」

A子「一線は超えてないって。じゃ、ご飯とか行く程度?」

C子「そうね。ま、家庭もあるし…。キスぐらいはするけど。」

A子「そうなんや。実は、私、M男と一回やっちゃった」

B子、C子、D男「エーーーーーーっ!」

B子「あの~。実は、私、二年前から、M男と付き合ってて。。。

もちろん、セックスもしてる…

ただ、私は主人とは5年以上家庭内別居で…。ま、色々とあってさ。」

A子「それにしても…これ、どうなってんの??

D男!同じ男として、M男のこと、どう思うのよ!!」

D男「え…。実は、僕もM男と関係がありまして…ハハハ…」

A子、B子、C子「えーーーーーーっ!M男って、バイ!!!??」

 

いやはや。乱れてますね。

この4人、みんな結婚していますが、誰が「不貞な行為」をしたといえるでしょうか?

 

A子:配偶者以外と一度だけ性的関係を持った

B子:配偶者以外と2年間継続的に性的関係を持った。

C子:配偶者以外と半年間食事だけのデートやキスをした。

D男:配偶者以外の同性と性的関係を持った。

 

A子の場合→一度でも意図的に配偶者以外と性的関係を持てば不貞行為に該当します。

不貞行為に該当するかどうかは、A子側に愛情がなくても関係なく、また、性的関係を何回結んだかどうかも関係ありません。

 

B子の場合→意図的に配偶者以外と性的関係を持っているので、不貞行為に該当します。

ただし、B子夫妻の夫婦関係が破綻していると認められた場合には、不貞行為には該当しません。

 

C子の場合→配偶者以外との食事だけのデートやキスは、性的関係を持ったといえず、不貞行為には該当しません。

 

D男の場合→配偶者以外の同性と性的関係を持った場合には、不貞行為には該当しません。

 

ただし、「不貞な行為」(民法77011号)に該当しない場合でも、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(民法77015号)に該当すれば、裁判上の離婚事由となりますので、ご注意下さい。

 

では、配偶者の不貞行為を理由に離婚したい場合、どのような証拠を集めておけば、離婚を有利に進めることができるでしょうか。

 

【不貞行為による離婚の証拠集め】

ひとえに証拠と言っても、証拠としての価値は様々です。

証拠としての価値が高いものを沢山集めることができれば、それだけ、自身の離婚を有利に進めることができます。

 

では、具体的に、どのようなものを集めていけばいいのでしょうか。

 

例えば、以下のようなものがあります。

(以下、「イラストと図解でよくわかる!前向き離婚の教科書」 監修:弁護士 森元みのり 「株式会社 日本文芸社」から引用)

・ラブホテルや相手の自宅へ出入りしている写真・動画

・性行為やそれに近いことをしている写真・動画

・性的関係があることが推測できるメール・手紙・メモ・日記

・性的関係があることを認める言葉が入った録音データ

・電話、ETCGPSなどの履歴

・ラブホテルの領収書

 

【終わりに】

 

いざ、離婚!と決めたのであれば、やはり有利に、そしてスムーズに事を進めたいもの。

そのためには、やはり、準備が必要。

集められる証拠を、きっちり集めるのと集めないのとでは、やはり違ってきます。

調査会社を利用して証拠を集めるということもできますが、調査費用は高額ですので、

一度、手元の資料だけでも有利に進めることができないか、

当方に一度、ご相談下さい。(^^

 

 和(やわらぎ)行政書士事務所 

           特定行政書士 AFP 法務博士  若林 かずみ

 

参考文献①「これだけは知っておきたい 離婚のための準備と手続き」監修:弁護士 鈴木幸子/柳沢里美 「新星出版社」

参考文献②「イラストと図解でよくわかる!前向き離婚の教科書」 監修:弁護士 森元みのり 「株式会社 日本文芸社」

参考文献③「少しでも有利に離婚したいならきっちり証拠を集めなさいー幸せになるための別れ方」 弁護士西村隆志・山岡慎二・福光真紀「星雲社」

参考文献④「ぜったい離婚!?と思った時に読む本」金盛浦子「佼成出版社」

←前の記事     ページの先頭へ↑         次の記事→ 

相続⑥ ~少ないほど揉める?~

こんにちは、相続手続き・遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

それでは今回は遺産分割協議のお話をしたいと思います。

ですがその前に、相続手続きの3つの期限の内の2つ目、【4ヶ月】について少しだけ触れておきます。

1つ目の期限は、相続の放棄や承認を決める3ヶ月という期限でした。次の期限は、相続の開始から4ヶ月以内に準確定申告をするという期限です。生前に確定申告が必要だった方、例えば自営業をされていた方や、亡くなった年の給与所得が2000万円以上だった方、年金受給者であれば一年間の受給額が400万円以上の方(400万円未満であっても、それ以外の収入が20万円以上あった方)は準確定申告をする必要があります。

準確定申告のためには、収入の金額を確定しないといけませんし、申告書は相続人の連名で提出しなければいけませんので、相続人の確定も必要です。

ここまで順を追って手続きをしていれば、財産と相続人の確定はできていますので、準確定申告への備えも整っているはずです。
(準確定申告は税理士さんの業務範囲ですので、説明はこの辺にいたします)

それでは、遺産分割協議の話に戻りましょう。遺産分割協議とは、読んで字のごとく「遺産の分け方を決めるための話し合い」です。

この話し合いは、相続人全員で行います。

遺産の分け方は、遺言書が無い場合は『法定相続分』という割合によって分けると民法で定められています。

相続人には順位があり、法定相続分は順位によって取得できる割合が決まっています。その相続人となるのは、まず配偶者と第1順位の方、第1順位の方が誰も(代襲相続者も含めて)いなければ、配偶者と第2順位の方、第2順位の方も誰もいなければ、配偶者と第3順位の方へと順位が移っていきます。
各順位の法定相続分の割合は以下のようになります。


配偶者は2分の1、残りは子(すでに亡くなっている方がいる場合等は孫、孫も亡くなっている場合等はひ孫)へ

 ※子(または代襲相続をする孫、ひ孫)が複数人いる場合は均等に分ける


配偶者は3分の2、残りは親(両親共に亡くなっている場合は、祖父母)へ

 ※父母(または祖父母)が複数人いる場合は均等に分ける


配偶者は4分の3、残りは兄弟姉妹(すでに亡くなっている方がいる場合等は甥、姪)へ

 ※兄弟姉妹(または代襲相続をする甥、姪)が複数人いる場合は均等に分ける


さて、法定相続分の割合が分かったところで、次は実際の分け方について考えてみたいと思います。

例えば一番上の図のように、夫婦と子ども二人のご家庭でご主人が亡くなった場合で、財産が1000万円の現金のみであったとします。

この場合、奥さんは2分の1の500万円、子ども二人が4分の1の250万円ずつを相続します。

これは簡単です。

では、同じく夫婦と子ども二人のご家庭で、今度は財産が評価額800万円の自宅と現金200万円だったらどうでしょう。合計金額は同じ1000万円になりますが・・・。

子どもがすでに独立しているとすれば、自宅は奥さんが住み続けて、現金を子ども二人で100万円ずつ・・・?

もちろん、全員がそれで納得すれば、その分け方でも構いません。

しかし、法定相続分としては、子どもに250万円を取得する権利があるのです。

もしも子どものうちの一人でもその権利を主張すれば、この遺産分割協議は簡単にまとまりません。

このような場合、奥さんご自身の財産から子どもに、さらに150万円ずつを上乗せして250万円にして支払う方法(代償分割)や、自宅を800万円で売却して現金1000万円としてから法定相続分通りに分ける(換価分割)という方法を取るなどの必要があります。

このように、遺産分割協議がまとまらないケースは、主な財産が自宅などの不動産で、分けやすい現金があまり無いという場合に起こりやすいと言えます。
裁判所が公表している司法統計では、平成28年に裁判所に持ち込まれた相続の争いは、財産額1000万円以下が33%、1000万円から5000万円までが42%となっており、財産額5000万円以下が実に全体の75%を占めています。

「うちは財産がないから関係ない」とは決して言えません。
むしろ、「少ないほど揉める」とも言えます。

ですが、この揉め事を防ぐために【遺言書】が非常に有効なのです。

(遺言書については、また後日このコラムで)

 

もちろん、「うちの家族は仲が良いので大丈夫!」という方もたくさんおられるでしょう。

穏便に話し合いが運べば、それに越したことはありません。

スムーズに遺産の分け方の話し合いがまとまれば、各自が相続することになった財産を記載して、そこに相続人全員の署名と実印を押した『遺産分割協議書』を作成します。遺産分割協議書は同じ物を相続人の人数分作成し、各自一通ずつ所持します。

その遺産分割協議書を持参することで、不動産の登記や、銀行口座や自動車などの名義変更の手続きを行うことができます。

なお、遺産分割協議は10ヶ月以内にすることが望ましいです。

次回は、その理由についてお話ししたいと思います。

 

相続⑦につづく、、、

←前の記事   ページの先頭へ↑  次の記事→

観光分野における創業支援の実態ー奈良県斑鳩町の事例を通じてー~奈良の行政書士より~

奈良県行政書士

こんにちは、奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所の木村友紀と申します。

第二回プチレポート

さて、今回は第一回でお伝えしました「プチレポート」として久しぶりにレポート第二弾を実施したいと思っております。

開業者の属性に関するプチレポート

前回は、日本政策金融公庫の資料を基に、最近どういう属性の方が起業される傾向にあるのかデータを基に分析しましたよね。

今回は、私が先日参加しまして大変興味深いと感じました、奈良県の斑鳩町の観光業等における起業支援セミナーを参考にお伝えしたいと思います。

 

奈良県の観光業の実態とは?

皆様、最近奈良県は観光業に力を入れているのをご存知でしょうか?現在日本はインバウンド政策により、外国人観光客が多く来日されるようになっていますよね。私の事務所は奈良市のJR奈良駅付近にありますので、奈良公園や三条通り付近には外国人の観光客の方々を多くお見かけします。

(参考までに ↑ 「奈良県行ったことないです」という方、こんな感じです)

 

平成28年における京都府のデータによりますと、年間で観光客数が8,741万人で消費額は1兆1,447億円となっております。

これに対して、平成28年における奈良県のデータでは、年間で観光客数が4,407万人で消費額は1,614億円となっております。

つまり、この二つの数字から、①奈良県の観光客数は京都府の2分の1、②奈良県の観光消費額は京都府の10分の1ということがわかります。

 

奈良県の観光客は2分の1はいいとしても、消費額は10分の1にまで下がってしまっているというのは少し悲しくなってしまいますね・・・。

 

そこで本セミナーでは、この観光客のうちいくらかを奈良県の斑鳩町に呼び込むことができないかという定量的視点からのアプローチより発表がなされました。

 

もし「奈良県で何かビジネスをしたいと思っているけれど、具体的に何をしようかはまだ悩んでいるんです」という人がいらっしゃいましたら、

これらの資料を基に、観光業界に着目すれば面白いビジネスが生まれるかもしれませんよ!?

 

ちなみに、ビジネスアイディアが少しでも出てきましたら、行政書士ユウ法務事務所で起業支援サポートを提供させて頂くこともできますので、何か自分に使えそうなサービスはないかとアンテナを張ってみてくださいね。

行政書士ユウ法務事務所起業支援業務のページへ↑

観光業のビジネスの始め方について

ところで、今回のセミナーで印象に残ったことがあります。それは、(ざっくり申し上げていますが)観光業界のビジネスは様々な当事者がいて多くの人がつながっている。そこで成功するためには多くの人のことを考えて、自分たち以外も儲かる仕組みを考えていかなければならない、ということでした(ただし、勘違いしていただきたくないのが、ここではビジネスの美徳について言っているではなく、観光業界という(一企業のことではなく)業界全体についての話をされていらっしゃいました)。

 

これを聞いて観光業界のビジネスモデルについて考えさせられたのと同時に、自分のビジネスについても考えさせられました。異分野の業界の話を聞くことは面白いですね。とても有意義なセミナーでした。

 

実は、これとは別の機会にまた面白い観光業界におけるニーズをお聞きしたのですが、それはまた別の機会にご期待ください。

ご案内

確か、前回のプチレポートの最後には、高校生ビジコンが奈良県斑鳩町にて開催されますとご案内させていただいたかと思います。

今回は、「通常の」といいますか、一般の「ビジネスコンテスト2018」がもうすぐ終盤に近付いてきておりますことをお伝えさせていただきたいと思います。こちらは、奈良県奈良市で開かれるとのことです。

個人的にもすごく楽しみにしていますので、もし少しでもご興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか??

 

以上につき、ご不明な点等ございましたら、お気軽に奈良県奈良市の行政書士ユウ法務事務所までご連絡いただければと思います。

gyouhoum.com

————————————————————————————————–
事務所名 行政書士ユウ法務事務所
所在地 【〒630-8131 奈良県奈良市大森町43-2 ホワイトパレス21 401号】
電話番号 【050-3698-1344】
FAX  【0742-90-1344】
営業時間 【9:30~18:30】
定休日 【土日祝】
E-mail 【info@gyouhoum.com】
URL  【http://gyouhoum.com/】
———————————————————————————————–

 

←前の記事  ページの先頭↑  次の記事→

後見人が決まるまでの流れ ~法定後見~

こんにちは。 行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

 

今回のコラムは法定後見の申し立てから後見人が決まるまでの流れについてお伝えしたいと思います。

 

まず、申立てについて、大まかな流れは次の通りです。

  • 申立て
  • 家庭裁判所で審理
  • 審判
  • 審判確定
  • 後見人が活動を開始

 

慎重な手続きを要しますので、後見人が決まるまでには平均して3~4か月かかります。すぐにでも後見人が必要な状況だと、長い間待たなければなりませんので注意が必要です。

 

では、順番に詳しく見ていきましょう。

 

① 申立て

家庭裁判所に対して後見(保佐・補助)開始の審判の申立てをすることになります。この手続きをする人は申立人となります。

 

法律で申立人になれるのは、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見 監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官、市町村長、任意後見受任者、 任意後見人、任意後見監督人と決められています。保佐や補助の場合はサポートを受けながら自分で申し立てる方もおられます。

 

申立ての手続きでは、色んな書類を作成しなければなりません。どんな書類が必要になるかは、本人の住民票住所を管轄する家庭裁判所で必要書類一式をもらえますので確認できます。

 

ちなみに奈良家庭裁判所では、「成年後見申立セット」をもらうことができます。必要書類の様式や内容は裁判所によって異なる場合もありますので管轄の家庭裁判所に相談してください。「申立ての手引き」が準備されている場合があります。

 

そして、申立てには色んな書類をそろえる必要があります。

例えば

・申立書(事実関係や事情を説明する書類)

・診断書(本人の判断能力を証明するもの)

・本人の戸籍謄本、住民票

・後見人候補者の住民票

・登記されていないことの証明書

・財産目録及び財産を証明する資料

・収支報告書

・親族同意書

・親族関係図

 

申立て手続きは親族が行うケースが多いですが、これだけの書類をそろえるのは大変な作業です。仕事で時間がとれなかったり、やり方がわからなくて困ってしまうこともあるでしょう。このような場合は弁護士、司法書士といった専門家に手続きを依頼することが可能です。

 

また、これらの提出書類のうち、本人の判断能力を証明する診断書は医師に作成を依頼する必要がありますので、早めに普段の様子をわかってくれている主治医などに依頼しておきましょう。手続きをスムーズに進めるポイントです。この診断書をもとに、成年後見・ 保佐・補助のうち、どの類型で手続きをするのかが決まります。

 

それから、後見人の候補になる人について親族や専門家でお願いしたい人が決まっていれば、申立書に候補者情報を記載出来ます。

 

提出する書類が一通りそろったら、家庭裁判所に申立てをする日時を予約します。 申立ては、申立人、候補者、本人(保佐・補助の場合)で家庭裁判所に出向きます。 提出書類をもとに、家庭裁判所の担当者と面談しながら本人の状況など必要に応じて確認が行われます。本人が高齢や病気などの理由で裁判所に出向けない場合は、担当者が来てくれることもありますので、相談してみてください。

 

家庭裁判所で審理

続いて、提出した書類に基づいて家庭裁判所の中で審理されます。

・申立書類の審査

・調査官による調査

・親族への照会

・必要に応じて精神鑑定

 

家庭裁判所は成年後見人等を選任するにあたり、本人の心身の状態や生活状況、財産の状況をはじめ、後見人候補者のことや、候補者と本人の利害関係の有無などを踏まえて総合的に判断します。

もちろん本人の意向もしっかり確認し、慎重に判断しています。

 

審判

審理が終われば、家庭裁判所は後見(保佐・補助)開始の審判をし、あわせて成年後見人(保佐人・補助人)を選任します。(裁判官が判断します。)

そして、申立てからおよそ1~2か月で「後見(保佐・補助)開始の審判」という審判書が届きます。

 

審判確定

審判書を受け取ってから、結果に不満がある場合は2週間以内に不服申立てをします。ただし、希望した後見人候補者でない人が後見人になったという理由での不服申立てはできません。また、この2週間の不服申立て期間中は、後見人は活動を始めることはできません。

 

⑤ 後見人が活動を開始

不服申立て期間が終わると、ようやく後見人が正式に決定します。

後見が開始されると、法定後見の種類、後見人の氏名、被後見人の氏名などの情報が東京法務局へ登記されます。この登記された内容を証明するのが、登記事項証明書であり、後見人であることの証明書になります。後見人として、銀行や役所の手続きの際にはこの証明書が必要になります。

 

このようにして、後見人が決まり、活動が始まります。 後見人の仕事内容については、また別の機会にお伝えしたいと思います。

また、成年後見制度を利用する際に、かかる費用についても次回以降にお伝えしますね。

 

成年後見制度の利用にあたり、申立てから、後見人が決定するまでの大まかな流れをお伝えしてきましたが、多くの手間と時間がかかる印象を持たれたのではないでしょうか。

身近な人が、認知症などで判断能力が低下した場合、銀行の手続きなどで「後見人をつけてください」と突然言われるかもしれません。このような状況は誰にでも起こりうることです。

 

このような時は、まず落ち着いて、身近な相談窓口へ行ってください。親切に教えてくれるはずです。

地域包括支援センターや社会福祉協議会の後見センターなど、各地域に設置されている相談窓口がありますし、弁護士、司法書士、社会福祉士、行政書士などの専門職団体にも相談できます。また、法テラスも相談にのってくれます。

 

よしかわ事務所でも無料相談を受けておりますので、遠慮なくご連絡ください。

 

←前の記事  ページの先頭↑  次の記事→

建設業許可 取得要件2 専任技術者について

こんにちは。武村です。

今回は許可取得のために必要な「専任技術者」について書きます。

 

イメージとしては、一定水準以上の知識や経験を持ったいわば技術的な

責任者のような役割をする人のことです。

建設工事はしっかりとした知識、技術の土台がないと命にかかわるような

重大な事故も起こりますからね。

 

さて、ではどうすればなれるのかを見ていきますが、

これは一般建設業許可や特定建設業許可などにより要件は変わります。

今日は主に私の周りに多い一般建設業における専任技術者の

要件を見ていきます。

 

■常勤であること

➡他の企業の従業員や常勤の役員などと兼務はできません。

 

■専任であること

➡営業所に常勤しており、工事の受注や発注の職務に従事すること。

つまり、現場の監督さんなどとは違い、営業所の中で知識や技術の

サポートをすることを想定されているという事です。

ただし、「専任であること」に関してですが、一人親方など、

営業所にずっといると工事ができない、というケースもあるでしょう。

そのため、以下の条件を全て満たした場合は、

主任技術者と兼務というカタチで現場に出ることが認められます。

 

〇専任技術者が専任となっている営業所において、請負契約が締結された

建設工事であること。

〇営業所と工事現場が近接しており、常時連絡がとれる体制にあること

〇専任であることが求められる工事でないこと

 

これで工事に出れます。ご安心を。

長い説明になりましたが、次の要件を見ていきましょう。

 

■①、②、③、のいずれかに該当すること

①実務経験

➡許可を受けようとする業種に関し、10年以上の実務経験があること

 

②学歴+実務経験

➡許可を受けようとする業種に関し指定の学科を修めて

卒業後、3年又は5年の実務経験があること

 

③資格

➡許可を受けようとする業種に関し、指定の資格を持っていること

 

これら①~③の部分に関しては、多くの方が解釈に迷うところです。

まず、単なる工事現場の雑務や事務の経験では実務経験としては

認められません。

そして、例えば塗装工事で5年の経験を積み、さらに防水工事で5年の経験を

積んだとしても、それぞれの経験が10年に満たないため、

専任技術者としは認めれません。

あくまで「許可を受けようとする」業種での経験が

必要ということですね。

 

さらに、たまに相談を受けるのですが、複数の業種の専任技術者に

なろうとすれば、10年×業種の数の分の実務経験が必要になります。

 

ただし、それでは要件を満たすためにあまりにも時間が

かかりすぎるという事で、現在は関連した業種同士

(建築一式工事と内装工事など11パターン)で合算が

できるなど、要件の緩和措置もとられています。

この辺はご相談いただければと思います。

 

 

要件を満たしていれば、これらを証明しなければなりません。

例えば営業所に専任であることの証明として、

健康保険証や住民票、場合によっては建物の賃貸借契約書や

公共料金の領収書などなど、、、いろんな書類で証明します。

 

これらの証明に関しては資格や学歴の証明ができれば簡単ですが、

実務経験だけで証明するとなると結構大変です。

必要期間の請求書や入金記録、注文書と請書、契約書、さらに

当時経験を積んだ企業に在籍していた事の証明資料が

必要となります。

 

 

こんな感じで手間と時間のかかる作業です。

手引きをみると必要書類は書いてありますが、

経験上、多くの方がだいたい同じポイントで迷われているようです。

 

要件や証明の作業でお困りでしたらぜひ当事務所に

ご相談ください。

←前の記事

「離婚は計画的に③。~離婚を決意!話し合いの進め方~」

初めまして。奈良県王寺町で開業しています。

行政書士の若林かずみです。

今回は、離婚を決意した後、話し合いの進め方について書いてみようと思います。

 

【はじめに】

離婚を決意した…と言っても、

もし、それが翻るのであれば、翻せる方が良い。

一緒に暮らしてきた家族なんですから…。

 

今回は、少し実話。

私の友人は、私と出会ったときには、離婚を決意し、離婚届もご主人に叩きつけた後…。

「早く別れて、すっきりしたい!」

これが口癖。

色々とあるとは思うけど…、

夫婦って言うのは、それぞれが人として成長するために丁度良い人の組み合わせ。

腹立つこともあると思いますけど、少し堪えて、文句を言うのを減らしてみては?

文句を言うから、相手も文句を言って言い争いになるわけで…。

だから、文句を減らして、「ありがとう」って言ってみる。

心がこもってなくてもいいから、やってみる。

どうですかねえ。。。(≧◇≦)

 

その約一年後。

彼女は実際に文句を減らして、「ありがとう」を増やしたようで。

「最近、主人がくっついてきて気持ち悪いわ~。」

と言いつつも、幸せそう。(^^

あの離婚届けも、眠っている模様。

 

離婚したい理由には、様々あれど、

ちょっとしたことで覆ることもあります。

だから、本当に離婚したいのか、それで良いのか、もう一度、考えてみて下さい。

そして、信頼できる人に相談してみて下さい。

 

それでも、「離婚やーーーー!!!」

というのであれば!

じゃ、有利に進められるように考えましょう!

 

【離婚の話し合いを進めるときのポイント】

 

離婚のうち、約9割が協議離婚。夫婦二人の話し合いでの離婚です。

ですので、夫婦での離婚の話し合いを上手く進めていくことがまず大切になります。

 

(1)   話し合いをする内容は事前に考えて書き出しておく。

  

    離婚したい理由を伝えて、離婚するかどうか二人で決める

    離婚する場合には、「お金」と「子供」についてどうするか(※後述)

 自分の希望を書き出しておいて、その条件面を二人で話し合う。

 

(2)   話し合いをするときは、事前に書いたメモを見ながら話を進める。

 

どうしても感情的になったり、相手の意見に引きずられてしまったりすることがあるので、伝え忘れがないよう、メモを見ながら話をしましょう。

 

(3)   一回の話し合いで全てを解決しようとしない。

 

一回の話し合いで、全てを解決しようと思うと、焦ったり、感情的になってしまったりすることもあります。一回の話し合いで全てが解決できなくても良いので、じっくりと落ち着いて話し合いをしましょう。

 

(4)   状況によっては、第三者の立会の下、話し合いをする。

 

相手が暴力的になったり、一方的に話を進められて会話にならないよう     な場合、第三者の立会の下、話し合いをすることも考えましょう。

 

(5)   話し合いの内容は、証拠として残しておく。

 話し合いの様子を録音するか、録音できなくても、メモには残しておきましょう。今後の離婚を有利に進めていくためには、証拠の存在は、重要です。

 

【「お金」と「子供」について、どうするか。話し合いのポイント】

 

前述(1)②の「お金」と「子供」の点については、

自分がどういった希望があるのかについて、事前によく考えておく必要があります。

 

(1)   お金のこと

ア.婚姻費用(夫婦は、同程度の生活を続けるために、お互いを扶養する義務があります。離婚を決意した後も、離婚するまでは、婚姻費用として生活費用をお互いに分担しなければなりません。別居していても同様。)

→夫(妻)が妻(夫)に毎月〇万円支払う

イ.慰謝料(離婚の原因になった相手方の行為により被った精神的苦痛に対する損害賠償金)

→夫(妻)が妻(夫)に〇万円支払う。

※慰謝料は、必ず支払われるものではないことに注意しましょう。

 ウ. 財産分与(夫婦が結婚生活の中で協力して築き上げた財産を分けること)

→「共有財産リスト」を作成し、財産ごとに、どのように分けるか(金額・割合) 

 

(2)子供のこと

 ア.親権→夫又は妻のどちらが取るか

 イ.養育費

   →①夫(妻)が②毎月△日に③(金額)〇万円

   ④(期間)□まで(例;高校卒業まで、成人まで、大学卒業まで等)支払う

 ウ.面会交流

   →①面会日(毎週〇曜日、毎月△日など)②宿泊を可とするかどうか

    ③電話を可とするかどうか④メールを可とするかどうかなど。

  

  ※養育費・婚姻費用については、下記の裁判所の資料が参考になります。

   http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf

 

【話し合いで決まったことは公正証書に】

 

話し合いで決まったことは、必ず、離婚協議書として書面にまとめておきましょう。

同じものを2通作成し、2人が署名捺印の上、各自で保管して下さい。

口約束は、今後のトラブルの元になります。

 

また、話し合いで決めた慰謝料や養育費などのお金が約束どおりに支払われなかった場合のために備えて、離婚協議書は、強制執行認諾約款付公正証書にしておくと安心です。

 

【終わりに】

 

いざ、離婚!と決めたのであれば、やはり有利に、そしてスムーズに事を進めたいもの。

そのためには、やはり、準備が必要。

集められる証拠を、きっちり集めるのと集めないのとでは、やはり違ってきます。

そういったことについて、次回は、書いていきたいと思います。

         

 和(やわらぎ)行政書士事務所 

           特定行政書士 AFP 法務博士  若林 かずみ

 

参考文献①「これだけは知っておきたい 離婚のための準備と手続き」監修:弁護士 鈴木幸子/柳沢里美 「新星出版社」

参考文献②「イラストと図解でよくわかる!前向き離婚の教科書」 監修:弁護士 森元みのり 「株式会社 日本文芸社」

参考文献③「少しでも有利に離婚したいならきっちり証拠を集めなさいー幸せになるための別れ方」 弁護士西村隆志・山岡慎二・福光真紀「星雲社」

参考文献④「ぜったい離婚!?と思った時に読む本」金盛浦子「佼成出版社」

 

←前の記事   ページの先頭へ   次の記事→ 

相続⑤ ~正も財産、負も財産~

新年あけましておめでとうございます。
皆様にとって2018年が素晴らしい年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

あらためまして、相続手続きと遺言書作成を専門としております行政書士奥本雅史事務所の奥本です。
昨年から相続についてのお話を連載してきましたが、ここで少しおさらいをしたいと思います。

まず相続は、人がお亡くなりになれば”必ず”発生するものだということ、そして相続手続きの最初の締め切り『3ヶ月』というものがあることをお話ししました。それは「相続放棄」「限定承認」「単純承認」を決めなければならない締め切りで、葬儀や埋葬などの段取りにも慌しく追われる中、死亡届をはじめとする行政機関への手続きや、公共料金等の各種手続きなどを行い、さらにその準備を進めていかなければならない、ということでした。
また、放棄か承認かを決めるためには「遺言書」「相続人」「財産」の3つの調査を行わなければならず、まずは相続人を確定するために亡くなられた方(被相続人)の戸籍謄本を取得しなければならない、というところまでお話ししました。

被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍謄本を全て集めると、ようやく相続人を確定することができます。(本当はもう少し詳しく説明しなければならないのですが、また別の機会に改めてご説明させていただきます。)

次にしなければならないのは、相続財産を確定するための財産の調査です。

相続財産に含まれるものは、現金や預貯金、株券や国債などの有価証券、建物や土地等(田畑、森林なども含む)の不動産、ゴルフ会員権、絵画等の美術品、高級な家具類や骨董品、貴金属類、自動車、生命保険(生命保険が相続財産となるのは、亡くなられた方自身が契約者として保険料を支払っていて、死亡保険金の受取人が「被相続人自身」または「指定されていない」という場合です。被相続人以外の方が受取人として指定されている場合は、その方の固有の財産となりますので相続財産には含まれません。)などのほか著作権や特許権などもあります。

また、人に貸しているお金(貸付金)や、貸金庫に預けてある金品なども相続財産に含まれますので、忘れないように調査をしなければなりません。

最近では、ネット銀行を利用されている方もたくさんおられます。ネット銀行の場合には通帳が存在しないので、見落とさないよう十分な注意が必要です。

そして相続財産には、正の財産だけでなく、借金などの負の財産もあります。
ローン等の借入金、クレジットカードのリボ払いやキャッシングの残債、滞納されている税金なども相続財産に含まれます。
ほかにも要注意なケースとして、被相続人が誰かの借金の保証人になっていた、という場合も考えられます。知らずに相続をすると、保証人として返済する義務も引き継ぐことになります。

こうして全ての財産を調べ相続財産が確定できれば、ようやく相続をするのか、放棄するのかの判断をすることができます。

財産よりも借金が明らかに多い場合は、「相続放棄」の申述を家庭裁判所に行うことで、全ての財産を放棄することもできます。(相続放棄をした方は、この相続について最初から相続人ではなかったものとみなされます。)

また財産よりも借金の方が少ない場合は、「限定承認」をすることもできます。これは、~相続➂~で説明したように、財産から借金等を差し引いた残りの部分のみを相続するというものです。ただし、限定承認は相続人全員が共同して家庭裁判所に申述を行わなければなりません。相続人の中の一人でも単純承認をした場合は限定承認はできなくなります。

3ヶ月以内に相続放棄も限定承認も行わなかった場合は「単純承認」したものとみなされ、正の財産も負の財産も含めた、全ての財産を相続することになります。

なお、~相続➀~で”相続手続き完了までに現金や預貯金を使ってしまうと相続放棄ができなくなる場合がある”とお話ししましたが、相続人が相続財産の一部であっても処分した場合は単純承認したものとみなされ、その相続人は相続放棄ができなくなります。(例外として、一般的な額の葬儀費用の支出は認められます。)

いかがでしょう。

これだけの調査を、3ヶ月以内にしなければなりません。

時間的な制約がある中でこれだけの作業をしなければならないのは、物理的にも精神的にもかなりの負担となります。

私は、できるだけ早い段階で専門家にご相談されることをおすすめいたします。

私たち行政書士は、職権で戸籍の収集を行うことができます。
そして財産調査のお手伝いや、この次にお話しする遺産分割協議書も作成いたします。
まずはお気軽に行政書士にご相談ください。

それでは次回は、遺産分割協議書についてお話ししたいと思います。

相続➅へつづく、、、

 

←前の記事   ページの先頭へ↑   次の記事→

5分で分かる!奈良で株式会社をつくるときに必要な手続きとは?~奈良の行政書士より~

奈良県行政書士

株式会社設立手続きに関して・・・

奈良県奈良市のJR奈良駅すぐ近くで行政書士をしております、行政書士ユウ法務事務所の木村友紀と申します。

 

今回は、株式会社設立手続きについてご紹介させて頂こうと思います。

株式会社を設立するためにはどうすればよいのでしょうか?

初めから、「そんなの専門家に丸投げしたらいいんじゃないの?」

では勿体ないので、少しでもイメージをつけていただければ専門家とも話がしやすくなるのではないかと思っております。

 

基本的な株式会社設立の手続きの流れは、以下の様になっております。

①お客様からのお問い合わせ

②定款作成

③公証役場にて定款認証

④資本金の払い込み

⑤書類の署名・捺印

⑥登記申請

(この後、実はもうちょっとだけ手続きが続くのですが設立手続き自体はここでいったん終了します)

 


さて、これらの手続きを終えるのにだいたいどれくらいかかると思われますか?

例えば、一人会社のケースで申しますと、最短2~3週間で終了します。

しかしながら、これが二人や家族で株式会社を作るとなると、

これがなかなか一筋縄ではいきません。

私も最近事業育成ゲームのイベントに参加したのですが、出資の比率の段階で結構もめたりするんですよね。。。

相続でも誰がどの遺産を受け継ぐかなかなか話し合いがまとまらないというのはよく聞く話だと思うのですが、実は会社を作る場合にも誰がどれだけお金を払うかどのように運営していくのかすぐに決まらないものなんです。

以前、経験したケースではなんと「半年間」

もかかったことがあります。

まぁこれは代表者となる方となかなか連絡が取れなくなったりと極端なレアケースなのですが、なるべくまとまりにくいと予想がされる場合、期間の目安についてもご相談いただければその点についても参考に手続きを進めていきますのでよろしければ参考にしていただきたいと思います。

 

ここまで簡単な株式会社設立手続きについてお話してきましたが、「法人」の設立方法はこれだけではありません。

以前にこちらのコラムでも少し述べましたが、

個人か?株式会社か?ー起業形態の選択についてー

起業する形態として、大きく「個人事業」か「法人」かの2種類に分かれるのですが、このうち、「法人」の中でもいくつもの事業形態が分かれているのです。

この法人の事業形態の検討についてもまた触れさせていただこうと思いますので楽しみにしていてくださいね。

 


さて、先日会社設立手続きについて「行政書士さんに依頼した場合の一般的な手続き費用はどのようになっているのですか?」とある個人事業主様よりご質問を頂きましたので、同じような疑問をお持ちの方のために一般的な報酬をお伝えさせていただこうと思います。

少し前の統計資料になるのですが、日本行政書士会連合会が公表していますデータによりますと、行政書士業務における「会社設立」手続きの報酬は

金10万円程度

が一番多いようです。

ちなみに、私の報酬額はこれとは異なりますのでご注意くださいね。

(私の場合は、個別の案件に応じて見積もり額は変動しますのでお問い合わせいただければ内容をヒアリングし、御見積書を提示させていただいております。)

 

また、本件について私の事務所ホームページで関連コラムもございますのでこちらもよろしければ併せてご覧いただけますと幸いです。

 

 

 

株式会社・合同会社設立の手続きについて ~奈良県行政書士会研修より~

 

さて、今回が2017年の最後のコラムになりました。

皆さんは今年一年はどのような一年でしたでしょうか?

私はいろんな方との出会いがあり、自分のビジネスについて考えさせられた実りある一年でした。来年には更にパワーアップ出来るように精進致します。

皆様、よいお年をお迎え下さいませ。

 

————————————————————————————————–
事務所名 行政書士ユウ法務事務所
所在地 【〒630-8131 奈良県奈良市大森町43-2 ホワイトパレス21 401号】
電話番号 【050-3698-1344】
FAX  【0742-90-1344】
営業時間 【9:30~18:30】
定休日 【土日祝】
E-mail 【info@gyouhoum.com】
URL  【http://gyouhoum.com/】
————————————————————————————————

←前の記事  ページの先頭↑  次の記事→

どんな人が後見人になるの?

こんにちは。行政書士・社会福祉士よしかわ事務所の吉川昇平です。

前回に引き続き「法定後見」についてお伝えしていきます。

今回は“どんな人が後見人になっているのか?”というテーマで進めていきますね。

認知症などで判断能力が低下してしまった場合、法定後見制度を利用すれば成年後見人、保佐人及び補助人(以下成年後見人等)が財産管理や身の回りの生活に必要な判断などを支援してくれることをお伝えしました。

ここで気になってくるのが、どんな人が成年後見人等になっているのだろう?ということですよね。

もし、自分や親族が法定後見制度を利用することになったら誰が成年後見人等になるのか、気になります。

最高裁判所事務総局家庭局が出している成年後見関係事件の概況(平成29年3月)の中には、成年後見人等と本人の関係についてのデータがあります。

まずは、親族(配偶者、親、子、兄妹姉妹及び※その他の親族)が成年後見人等に選任されたものが全体の約28.1%となっています。この数は毎年減ってきています。親族の成年後見人等は3割以下というのは少し意外に思われるかもしれません。(※その他の親族とは、配偶者、親、子及び兄妹姉妹を除く、四親等内の親族)

一方で、親族以外の第三者が成年後見人等に選任されたものは全体の71.9%です。

この数は年々増加しています。

件数の多い順から見てみると、司法書士、弁護士、社会福祉士の順になっています。

次いで、社会福祉協議会、行政書士です。

その他、市民後見人やNPO法人なども今後増えてくる可能性があります。

法定後見の場合は家庭裁判所が成年後見人等を選任する際、財産の状況、本人の状態など総合的に考慮します。申立て手続きの時に後見人候補者を記載できますが、必ずしも希望した人が後見人に選任されるとは限りません。この点が法定後見の特徴です。近年は、ご本人の権利をまもるために必要な知識や専門性を持った専門家が選ばれるようになってきました。

親族以外の第三者が増えているということは、つまり家族であっても成年後見人等に選ばれないこともあるということです。

その理由の一つとして、親族後見人等の財産の使い込みがあります。制度の理解不足から本人の財産を勝手に使ってしまうことがあるのですね。いくら家族でも本人の財産を勝手に使ってしまうのは財産侵害になります。

実は財産侵害等の不正報告件数の9割以上が専門職以外というデータ(内閣府成年後見制度利用促進委員会事務局)も出ています。最近では、専門職後見の体制が整ってきたこともあり、専門職が選任される傾向になっています。また、親族が成年後見人等に選ばれた場合でも、後見監督人、保佐監督人、補助監督人というチェックする人がつけられるケースも増えています。

その他、親族を後見人候補者として申立てをしても、親族間での意見が対立していたり、候補者の体調がすぐれないなど、状況を総合的に考慮したうえで家庭裁判所が判断しています。

 

では、成年後見人等になるために何か資格が必要なのでしょうか。

結論からいうと、特別な資格は必要ありません。

ただし、「欠格事由」といって、後見人等になれない人が法律で次のように定められています。

  1. 未成年者
  2. 成年後見人等を解任された人
  3. 破産者で復権していない人
  4. 本人に対して訴訟をしたことがある人、その配偶者または親子
  5. 行方不明である人

以上のような事情も含めて本人を支援する成年後見人等を家庭裁判所が選んでいます。

 

最後に、成年後見人等になるために特別な資格は必要ないとお伝えしましたが、現在、成年後見人等を受任している専門職はそれぞれの専門職団体に所属したり、研修を受けて受任できる準備や体制を整えています。不正を防止し、適正に後見業務を遂行できるよう、様々な取り組みが続けられています。

 

次回は

法定後見を利用する際の、申立てから後見人が決まるまでの流れ、そして、かかる費用についてお伝えしていきたいと思います。

 

←前の記事  ページの先頭↑  次の記事→

建設業許可 取得要件 経管とは?

こんにちは。武村です。
前回のコラムで、建設業の許可の必要性について書きました。
今回は「では許可を取得するためには何が必要か」を中心に書きたいと思います。
建設業許可には、主に取得に必要な5つの要件があります。
1. 経営業務管理責任者
2. 専任技術者
3. 欠格要件に該当しないこと
4. 財産的基礎
5. 営業所
この5つをまとめて「五大要件」なんて呼んだりします。
これらの要件をすべて満たせば許可が取得できるのだ、とイメージして頂ければ難解な許可取得要件もイメージしやすくなります。
ただし聞き覚えのない言葉も多いので、何回かにわけて少し詳しく解説していきます。

1. 経営業務の管理責任者
経営業務の管理責任者とは、経営業務を総合的に管理し、執行した経験などを
持つ者のことを言います(以下、経管と呼びます)
法人なら役員(取締役や代表取締役)、個人業者なら事業主本人や商業登記された
支配人などのことです。
しかし、ただその立場にいればいつでも経管として認められる訳ではありません。
「どのくらいの期間その経験があるか」が重要になります。
長くなるのでイメージしやすいようザックリとした説明にはなりますが、

・許可を受ける業種の役員や個人事業主の経験      ➡5年以上
・許可をうける業種の役員や個人事業主に準ずる地位
にあり、経営業務を補佐した経験            ➡6年以上
・許可を受ける業種以外の役員や個人事業主の経験    ➡6年以上

このような経験年数を満たす必要があります。
ちなみに、この経験は複数の業務経験を合算できます。
つまり許可を受ける業種で取締役として3年、その後個人事業主として2年の経験を積んでも合計で5年となり、要件を満たします。

そして「常勤であること」も求められます。
経管は代表者である必要はないのですが、例えば他社の常勤の役員の方を自社の
経管とすることなどは認められません。
なかなか細かいですね。

これらをクリアしているようなら、あとはそれを「証明」する必要があります。
当時働いていた企業の代表者や役員の方などに印鑑をもらったり、その当時の
工事実績の証明のため契約書や注文書、請書、請求書、入金記録などを必要に応じて用意したり…私が書くと簡単そうに見えますが、なかなか骨の折れる作業です。
1つ1つ要件をクリアするのは大変ですが、だからこそ許可を取得している事業者
の方の信頼性の高さに繋がるとも言えるのではないでしょうか。

次回は専任技術者について書きたいと思います。

←前の記事